AI Incident Database

AIを使って人間・法人に損失が出た事例データベース

163 cases
44 国内
119 国際
2026.9.28更新
対象範囲

AIを使って人間・法人に損失が出た事例に限定しています。AIモデル単体の挙動、物理AIシステムの事故、AI学習データの著作権問題は対象外です。

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163件 / 163

事件を選ぶと概要・損害・出典を表示します。

JP-0

Springer Nature AI査読問題『GPT-5は存在しない』事件

2025年11月〜現在
国内SLOPVERIHIDECOVER
概要

世界最大の学術出版社Springer NatureのDiscover Artificial Intelligence誌が、AI生成による査読レポートを著者に送付した。査読者のレポートには「GPT-5は存在しない」「データは架空である」等の重大な事実誤認が含まれ、同時に架空と断じたデータの投稿者にIRB(倫理審査)を要求するという矛盾を示していた。著者は通知の当日にAI生成である旨を編集者や出版社に報告したが、Springer Nature側は2ヶ月間無回答。Springer Nature社の研究公正倫理マネージャーはCOPEに対し、両査読者がrejectを推奨した、ジャーナルの編集長が適切と表明したなどと虚偽回答して収束を図ったが本人が関与を否定。2026年6月、COPE小委員会は本件査読プロセスを不適切と結論した。その後もSpringer Natureは編集長の関与は間違いだったが、別のエディタが調査を行った等と新たに主張し、一方的に事件のクローズを宣言した。

業界
学術出版
時期
2025年11月〜現在
類型
SLOP + VERI + HIDE + COVER
損害
著者への投稿・異議申立て手続上の権利侵害、Springer Natureの査読プロセスへの信頼毀損、Springer Natureのガバナンスへの信頼毀損、国際機関の介入、担当編集者のHPやGoogle Scholarアカウントの非公開措置、COPEによる不適切プロセス認定、著者やCOPEへの長期的な検証・対応コストの押し付け
出典

utie-instruments.com(UTIE Instruments Inc.一次調査報告)Springer Nature・COPE・関係者、関連大学学部長等との通信記録

JP-1

日本生命米国法人 v. OpenAI — ChatGPT非弁行為訴訟

2026年3月提訴
国内CHATHAL
概要

日本生命の米国法人の長期障害保険をめぐり、和解済みの紛争の元受給者の女性がChatGPTに法的助言を求めた。ChatGPTは和解合意の破棄と訴訟再開のための法的分析・文書起草を支援し、女性は自身の弁護士を解雇してChatGPTを法的助手として利用、数十件の文書を裁判所に提出した。ChatGPTはハルシネーションにより、存在しない判例も出力。日本生命は約30万ドルの実損害に加え1,000万ドルの懲罰的賠償を請求。AI開発企業を非弁行為で直接訴えた事実上初のケース。

業界
保険 / 法務
時期
2026年3月提訴
類型
CHAT + HAL
損害
請求額1,030万ドル(約16億円)、進行中
出典

国内主要メディア報道(2026年3月)

JP-2

リクナビ内定辞退率AI予測販売事件

2019年8月発覚
国内ALGO
概要

リクルートキャリアが運営するリクナビが、就活生のサイト閲覧行動をAIで分析し内定辞退率を予測、大手メーカーなど38社に有償で販売。7,983名の学生については形式的な同意すら取れていなかったことが判明。個人情報保護委員会がリクルートキャリアに勧告、データ購入企業のトヨタ、京セラ、YKKなど35社にも指導。日本における、AIプロファイリング+無断第三者提供の原点的事件。

業界
人材 / テック
時期
2019年8月発覚
類型
ALGO
損害
サービス廃止、個人情報保護委員会勧告(2回)、厚労省指導、購入企業35社指導
出典

国内主要メディア報道(2019年)

JP-3

JALメタルカード AI画像炎上事件

2024〜2025年
国内SLOPDISC
概要

JALの高価格帯メタルカードのプロモーションサイトに、ポップコーンにストローが刺さっている等の不自然なAI生成画像が使用されていることが発覚。不自然との指摘が相次ぎ、JALは謝罪と画像差し替えを行った。安全性と信頼性を重視するブランドの文脈で、低品質なAI画像が企業姿勢への不信につながった典型例。

業界
航空 / 金融
時期
2024〜2025年
類型
SLOP + DISC
損害
レピュテーション毀損、謝罪・差し替え対応
出典

国内主要メディア報道(2024〜2025年)

JP-4

ワコム AI画像疑惑炎上事件

2024年1月
国内DISC
概要

ペンタブレット大手のワコム米国法人が公式SNSに投稿した新年ビジュアルのドラゴンイラストに対し、「AI生成画像ではないか」との指摘が殺到。ワコムは画像使用を停止し経緯を説明。クリエイターを支援する企業がAI画像を使ったという構図が、ユーザーの強い感情的反発を招いた。

業界
IT / クリエイティブツール
時期
2024年1月
類型
DISC
損害
レピュテーション毀損
出典

国内外主要メディア報道(2024年)

JP-5

私立中学校 生成AI丸写し事件

2024年3月
国内VERIHAL
概要

東京都内の私立中学校で、1年生の理科の課題に対し生徒の半数以上が同じ誤った回答を提出。調査の結果、生徒たちが生成AIに質問し、その誤った回答をそのまま課題の解答として提出していたことが判明。学校は指導強化と生成AI利用に関する注意喚起を実施。

業界
教育
時期
2024年3月
類型
VERI+ HAL
損害
学校による指導強化
出典

国内主要メディア報道(2024年3月)

JP-6

集英社 AIグラビア「さつきあい」販売停止事件

2023年5月〜6月
国内DISC
概要

週刊プレイボーイが、AI生成のグラビアアイドル「さつきあい」のデジタル写真集を発売。AI使用を明示していたにもかかわらず、リアルな人物写真と区別がつかない、モデル業界・クリエイターの仕事を奪う等の批判が殺到し、集英社は販売を停止した。AI使用を公表した上で製品を販売し、消費者・業界の反発で撤回に追い込まれたDISC類型の国内最鮮烈な事例。

業界
出版 / エンタメ
時期
2023年5月〜6月
類型
DISC
損害
デジタル写真集の販売停止・回収、レピュテーション毀損
出典

朝日新聞・NHK等国内主要メディア報道(2023年5〜6月)

JP-7

サクラクレパス AIポスター炎上事件

2025年
国内SLOPDISC
概要

画材メーカーのサクラクレパスが海外イベント向けプロモーションポスターにAI生成画像を使用。自社製品(クレパス)のデザインが実際の製品と異なる、製品の描写が不正確であるなどのSLOP的誤りが指摘されただけでなく、画材メーカーがクリエイターを蔑ろにしてAI画像を使うことへの強い反発を招いた。ワコム事件と似ているが、製品の描写誤りというSLOP要素が加わる。

業界
製造 / クリエイティブ
時期
2025年
類型
SLOP + DISC
損害
レピュテーション毀損
出典

国内主要メディア報道(2025年)

JP-8

神戸風月堂 AI誤発注商法疑惑事件

2025年
国内HIDEDISC
概要

老舗菓子メーカーが、誤発注を告知する投稿にAI生成画像を使用し、同情を誘う販売促進ではないかとの疑惑を招いた。AI生成画像であることを明示しないまま困った状況を表現したことで、HIDE的手法と受け取られ、発覚後に炎上した。

業界
食品 / 小売
時期
2025年
類型
HIDE + DISC
損害
炎上・レピュテーション毀損
出典

国内主要メディア報道(2025年)

JP-9

三重県津市 児童虐待死AI保護判断事件

2022年2月(一時保護見送り)、2023年6月(死亡)
国内VERIALGO
概要

三重県が2020年に全国初導入した児童虐待リスク評価AIが、両頬・両耳にアザのある4歳女児の一時保護判断に際して保護率39%を出力。児童相談所はこの数値と母親の指導応諾姿勢を根拠に一時保護を見送った。2023年6月、母親が娘を転倒させて死亡させたとして逮捕・起訴。三重県知事は「最終的に判断するのは人間」などと述べたが、その人間の判断が39%というAIの出力によって誘導された点が問題。通常のVERIは検証しなかったという不作為だが、本件はAIが出力した39%という数値の表現形式自体が検証動機を認知的に抑制した点が異なる。50%なら五分五分として慎重になり80%なら直感との照合で緊張が走るが、30%台は低リスクという認知的許可証として機能した可能性が高い。AISP論文(Naito 2025)のHuman Safety Driftが示す通り、AI補助判断の反復使用によってAIが提示しない危険信号を自力で拾う能力が慢性的に減衰していた可能性も排除できない。公的安全判断領域における重大AIインシデント事例。

業界
行政 / 児童福祉
時期
2022年2月(一時保護見送り)、2023年6月(死亡)
類型
VERI + ALGO
損害
4歳女児の死亡、三重県AI運用体制の見直し
出典

国内主要メディア報道(2023年)

JP-10

福岡県観光PR記事 生成AIスロップ全削除事件

2024年11月
国内SLOPVERI
概要

福岡県の観光PR記事制作に生成AIを使用したところ、実在しない祭り・他県の施設など架空・誤った情報が大量に混入していることが発覚。読者からの指摘が相次ぎ、公開から約1週間で記事を全削除し謝罪、AI使用方針の見直しを表明した。Deloitte豪州政府事件と同じ「AI生成物の検証なし納品→発覚→全撤回」パターンが国内地方行政・観光広報領域で発生した事例。

業界
観光 / 広報 / メディア
時期
2024年11月
類型
SLOP + VERI
損害
制作物の全撤回、広報の信頼性毀損、謝罪・方針転換対応コスト
出典

国内主要メディア報道(2024年)

JP-11

宮城県女川町 クマ注意喚起AI画像謝罪事件

2025年11月
国内VERI
概要

宮城県女川町が住民向けのクマ出没注意喚起として公式SNSに投稿した画像が、生成AIによるフェイク画像であることが判明し、削除・謝罪した。実際のクマの生態・外見と異なる不自然な画像だったと指摘された。防災・安全情報という誤情報の許容度がゼロであるべき領域でAI生成物の検証が行われなかった点で、三重県虐待死事件と同じ、公的安全情報へのAI無検証投入という文脈に位置づけられる。損害規模は軽微だが、命に関わる情報発信での安易なAI乱用という文脈では危険。

業界
行政 / 防災広報
時期
2025年11月
類型
VERI
損害
公的注意喚起の信頼毀損、住民の混乱リスク、削除・謝罪対応コスト
出典

国内主要メディア報道(2025年11月)

JP-12

東映アニメーション 決算資料AI活用記載訂正事件

2025年5月
国内WASHDISC
概要

東映アニメーションが投資家向け決算補足資料に生成AI活用例として記載した内容が、現時点での実利用と受け取られる表現だったため炎上。実際には検討・試験運用段階の内容が実績であるかのように見える記載となっており、同社は訂正・謝罪を行った。SECの制裁を受けたDelphia・Global PredictionsやPresto Automationと類型は同じだが、日本では金銭的制裁に至らずIR訂正・レピュテーション毀損で終わるという日本的なパターンを示す事例。

業界
エンタメ / IR
時期
2025年5月
類型
WASH + DISC
損害
投資家向け資料の訂正、レピュテーション毀損、謝罪対応コスト
出典

国内主要メディア報道(2025年)

JP-13

慶應義塾大学 期末レポート生成AI不正利用事件

2025年
国内VERI
概要

慶應義塾大学文学部において、学生が期末レポートを生成AIに執筆させて提出していたことが発覚。当該科目の不合格に加え、同学期の全科目成績を一段階減点するという重い処分が下された。東京都内私立中学校の理科課題AI丸写し事件やSpringer Nature社におけるAIスロップ査読レポートと状況は類似。AI出力を検証・加工せず成果物として提出する行為が初等教育から大学、研究機関まで横断的に発生していることを示す。

業界
教育 / 大学
時期
2025年
類型
VERI
損害
学生の成績処分(全科目一段階減)、学術的信頼性への影響
出典

国内主要メディア報道(2025年)

JP-14

チームみらい「AIあんの」ベースモデル虚偽印象・規約無確認炎上事件

2026年2月
国内WASHDISC
概要

チームみらい党首・安野貴博氏が「AIあんのなどさまざまなものを開発しています」と発信し、独自技術基盤を構築しているかのような印象を有権者に与えていた。しかし2026年2月のReHacQ(YouTubeチャンネル)生配信中に視聴者から「ベースモデルは何か」と問われた安野氏は「たしか今はGemini」と発言。GoogleのGemini利用規約には選挙活動への利用を制限する条項が含まれているという指摘が即座に噴出し、安野氏は「あれ、GeminiかもClaudeかも」と曖昧な態度を露呈。実態はRAGに海外製LLMのAPIを接続したラッパーサービスであり、天才エンジニアが開発した独自AIという期待との落差が炎上を拡大させた。中身はClaudeと最初から開示していれば問題にならなかった案件であり、AI能力の過剰な期待演出と技術ガバナンスの欠如が重なったWASH事例。日本における政治家のAIガバナンス欠如の先駆的事例として今後同種事案が増加すると予測される。

業界
政治 / テック
時期
2026年2月
類型
WASH + DISC
損害
レピュテーション毀損
出典

国内メディア報道(2026年)

JP-15

IBM Watson 賃金査定不当労働行為事件

2019年8月導入、2020年4月申立、2024年8月和解
国内ALGOHIDE
概要

日本IBMがWatsonを使った賃金査定システムを導入。AIが従業員のスキル・市場価値など40項目を分析し具体的な昇給率をパーセントで提案する仕組みだったが、評価項目・学習データを社員に開示することを前提としていないとして開示拒否。労組JMITUが不当労働行為として都労委に救済申立。都労委の証人尋問では元人事部長が40項目の中身を全ては知り得ていないと証言、IBMの販促資料にもマネージャーはAIのレコメンデーションに従う傾向があるとの記載が確認された。現場では「Watsonが昇給させろと言うから上げといたよ」という発言も報告されており、三重県虐待死事件(JP-9)と同じヒューマンインザループの形骸化が職場レベルで発生していたことが示された。4年3か月の係争を経て2024年8月に和解。評価項目全開示・疑義時のAI提案内容開示などを合意。AI賃金査定に関する労使合意としては世界初とされる。

業界
IT / 人事・労務
時期
2019年8月導入、2020年4月申立、2024年8月和解
類型
ALGO + HIDE
損害
4年3か月の労使紛争、従業員への不透明な賃金査定、都労委への不当労働行為救済申立てを経て和解
出典

国内主要メディア報道(2024年)

JP-16

『本好きの下剋上』OP映像 生成AI使用発覚事件

2026年4月発覚
国内SLOPDISC
概要

TVアニメ『本好きの下剋上 領主の養女』のオープニング映像において、背景美術の一部カットの制作工程で生成AIが使用されていたことが発覚した。2026年4月4日の第1話放送後、SNS上で背景にAI生成素材が含まれているとの指摘が相次ぎ、制作会社ウィットスタジオが調査を実施。その結果、背景美術の素材作成に生成AIが使用されていた事実を確認した。ウィットスタジオは自社作品の映像制作に生成AIを使用することを原則として認めていなかったと説明し、今回の事態は制作管理および検品体制の不備に起因するものと認めて謝罪。製作委員会は第2話以降のOP映像差し替え、第1話の修正版への順次差し替え、YouTubeで公開中のノンクレジットOP映像の公開中止を発表した。Blu-ray BOXおよびDVDについても差し替え対応により発売日変更の可能性を示唆。ワコム(JP-4)・サクラクレパス(JP-7)と同じく、クリエイティブ産業におけるAI使用発覚が強い反発を招くDISC類型の事例であり、制作会社がAI不使用方針を掲げていたにもかかわらず管理体制の不備で使用が混入した点で、組織のガバナンス問題としての側面も持つ。

業界
アニメーション / エンタメ
時期
2026年4月発覚
類型
SLOP + DISC
損害
OP映像差し替え・描き直し、ノンクレジット映像公開中止、Blu-ray/DVD発売日変更の可能性、レピュテーション毀損
出典

オリコンニュース・ウィットスタジオ公式発表(2026年4月10日)

JP-17

陸上自衛隊 第1普通科連隊 生成AIロゴ使用中止事件

2026年4月29日投稿、2026年5月2日削除・使用中止
国内SLOPDISCVERI
概要

陸上自衛隊が、生成AIで作成した部隊の新しいロゴマークを公式Xに投稿した。ロゴには、軍服を着たゾウが小銃を持ち、胸部に人の頭蓋骨のような意匠、背景に青い炎などが配されていた。投稿後、「自衛隊のロゴマークとしてふさわしくない」「好戦的」「悪趣味」などの批判が相次ぎ、部隊は投稿を削除し、わずか4日で使用を中止した。本件は、生成AIの出力を公的組織のシンボルとして採用する際に、品質・文脈・組織イメージ・社会的受容性の検証が不十分だった事例である。隊員がChatGPTで作成し、「ゾウ」「マンモス」「かっこいい」「青い炎」「擬人化」などのキーワードを入力したとされており、AIスロップを生みやすい安易なプロンプトが公的広報物にそのまま流入した例として位置づけられる。本件の損害は、防衛組織としてのAI技術運用能力に関する否定的シグナルの発生にある。公式広報物に低品質なAI生成ロゴが掲載されたことは、生成AI利用環境、モデル選定、検品体制、組織内AIリテラシーの成熟度を外部から推測させる材料になり得る。

業界
行政 / 防衛 / 広報
時期
2026年4月29日投稿、2026年5月2日削除・使用中止
類型
SLOP + DISC + VERI
損害
公式ロゴの使用中止、陸上自衛隊の生成AI利用ガバナンスへの信頼毀損
出典

TBS NEWS DIG、共同通信配信記事、毎日新聞報道(2026年5月)

JP-18

ウテナ「潤い戦士モイスチャー」生成AI広告撤去事件

2026年4月27日広告掲出開始、2026年5月1日PR動画公開、2026年5月6日削除・撤去発表
国内SLOPDISCVERI
概要

化粧品・スキンケア商品を手掛ける株式会社ウテナが、生成AIを用いたセーラームーン風広告「潤い戦士 モイスチャー」を展開した。公開後、生成AIを用いた広告制作そのもの、および既存作品との類似性についてSNS上で批判が相次いだ。ウテナは5月6日、公式YouTube動画と関連SNS投稿を削除し、掲出中の交通広告も順次撤去すると発表した。公式発表では「既存の創作物の独自性や文化的背景に対する敬意を欠き、既存作品を愛するファンの皆様の心情への配慮が不足していた」と認め、表現に対するチェック体制を全面的に見直す方針を示した。

業界
化粧品 / 広告 / クリエイティブ
時期
2026年4月27日広告掲出開始、2026年5月1日PR動画公開、2026年5月6日削除・撤去発表
類型
SLOP + DISC + VERI
損害
公式YouTube動画削除、関連SNS投稿削除、交通広告の順次撤去、チェック体制の全面見直し、ブランドおよび生成AI広告運用への信頼毀損
出典

ウテナ公式発表、AdverTimes、ITmedia NEWS、ABEMA TIMES(2026年5月)

JP-19

日本テレビ「ZIP!」生成AIアニメ放送炎上事件

2026年5月27日企画放送、2026年5月28日「ZIP!」放送、2026年5月29日報道
国内SLOPDISC
概要

日本テレビ系の朝番組「ZIP!」で、前日放送の「有吉の壁」内企画から生まれたキャラクターの完成版アニメが披露された。放送された映像は一般的な手描きアニメやCGアニメではなく、生成AIによって制作されたものと報じられた。放送後、SNSではAI独特の質感や不自然な動きに対し強い不快感を示す反応が相次いだ。

業界
テレビ / エンタメ / アニメーション
時期
2026年5月27日企画放送、2026年5月28日「ZIP!」放送、2026年5月29日報道
類型
SLOP + DISC
損害
視聴者反発、番組・制作企画へのレピュテーション毀損、テレビ局による生成AI映像運用への不信
出典

Smart FLASH、番組公式情報(2026年5月)

JP-20

津田健次郎 AI音声無断模倣 TikTok提訴事件

2025年11月提訴、2026年5月報道
国内HIDEVERI
概要

声優・俳優の津田健次郎が、生成AIで自身の声を無断で模倣したナレーション付き動画がTikTok上に180本以上公開されたとして、TikTok運営会社に対し動画削除を求めて東京地裁に提訴した。津田氏は、独特の声質と類似し、本物と誤認したコメントも寄せられているなどとして、パブリシティ権侵害等を主張。一方、TikTok側は動画のナレーションは普遍的な男性の声であり、声自体により閲覧者を集めているわけではないなどと反論している。生成AIによる声の無断利用をめぐる国内初の大型訴訟。

業界
声優 / エンタメ / プラットフォーム
時期
2025年11月提訴、2026年5月報道
類型
HIDE + VERI
損害
動画削除請求訴訟係属中、声優本人の職業的信用・顧客吸引力の無断利用、AI音声利用ルール整備への社会的圧力
出典

FNN、TBS NEWS DIG、弁護士ドットコム、AdverTimes(2026年5月)

JP-21

バンダイチャンネル ChatGPT支援サイバー攻撃・4万6812アカウント退会事件

2025年11月4日攻撃、2026年7月逮捕・報道
国内CYBER
概要

バンダイナムコフィルムワークスが運営する動画配信サービス「バンダイチャンネル」に対し、事件当時中学3年だった15歳の男子生徒が、通信内容の解析で発見した脆弱性を利用して虚偽の情報をサーバへ送信し、会員4万6812人分のアカウントを無断で退会処理した。男子生徒は小学4年ごろからプログラミングを独学しており、「プログラムを自分で作り、ChatGPTに聞いて完成させた」と供述したと報じられている。攻撃により同社は11月6日にサービスの一部を停止し、修復後の全面再開は12月となった。本件は、AIエージェントの想定外挙動ではなく、攻撃者が生成AIを意図的にコード作成・改変支援へ用いて実在サービスへ大規模な直接損害を与えた国内事例であるため、新設のCYBER類型に分類する。

業界
動画配信 / サイバーセキュリティ / エンタメ
時期
2025年11月4日攻撃、2026年7月逮捕・報道
類型
CYBER
損害
4万6812アカウントの無断退会、サービスの一部停止、約1か月に及ぶ全面復旧対応、利用者および事業者への業務・信用上の損害
出典

ITmedia NEWS、毎日新聞、FNNほか国内主要メディア報道(2026年7月)

JP-22

近畿大学 AI合成顔写真・替え玉受験本人確認突破事件

2025年9〜11月不正実行、2026年5月逮捕・6月起訴
国内HIDEVERI
概要

近畿大学の推薦入試をめぐり、元塾講師が教え子の男子受験生になりすまして英検を受験し、その合格結果を利用して近畿大学へ出願した。出願時には、スマートフォンで利用できるAIツールを使い、元塾講師と受験生の顔を合成した写真データを提出した。同じ合成写真は学生証にも転用された。近畿大学は試験当日に目視による本人確認を行ったが合成写真を見抜けず、いったん合格としていた。その後、学生証の写真に受験生の母親が違和感を持ったことで不正が発覚し、合格は取り消された。単なるフェイク画像の公開ではなく、AI合成画像が実際の大学入試の本人確認フローを通過した事例であり、目視認証の限界と低顕著性AI画像の実害を示す。

業界
教育 / 大学入試 / 本人確認
時期
2025年9〜11月不正実行、2026年5月逮捕・6月起訴
類型
HIDE + VERI
損害
大学入試の本人確認突破、不正合格および合格取消し、大学・英検運営側の調査・対応コスト、目視本人確認制度への信頼毀損
出典

産経新聞(ITmedia NEWS転載)ほか国内主要メディア報道(2026年5〜6月)

JP-23

快活CLUB ChatGPT製攻撃プログラム拡散・725万件会員情報取得事件

2025年1月18〜20日攻撃、2025年12月〜2026年7月逮捕・報道
国内CYBER
概要

快活CLUBを運営する快活フロンティアの公式アプリサーバに対し、複数人のグループが会員情報を取得する不正な指令を724万回以上送信し、アプリ機能の一部を停止させた。警視庁は、2026年7月に逮捕された事件当時高校2年の男が約300万件分を収集したとみている。攻撃に使われたプログラムは、2025年12月に逮捕された別の男子高校生がChatGPTを使って作成し、Discordのグループチャット上で共有したものだった。警視庁は当時小学6年の少年らも攻撃に加わったとみている。

業界
ネットカフェ / 会員アプリ / サイバーセキュリティ
時期
2025年1月18〜20日攻撃、2025年12月〜2026年7月逮捕・報道
類型
CYBER
損害
約725万件の会員情報取得、724万回以上の不正指令、アプリ機能の一部停止、利用者の個人情報悪用リスク、事業者の調査・復旧・信用対応コスト
出典

ITmedia NEWS、読売新聞オンラインほか国内主要メディア報道(2025〜2026年)

JP-24

LINEヤフー「SNSのバズまとめ」ヨドバシ池袋排泄騒動・AI誤要約事件

2026年7月5〜9日生成・拡散
国内HALSLOP
概要

LINEヤフーがYahoo!リアルタイム検索で提供する、X上の投稿を生成AIが自動要約する「SNSのバズまとめ」が、ヨドバシカメラ マルチメディア池袋に関する投稿群を要約し、「トイレ不足を理由に来店客が排泄した」「容器で汚物を持ち込んだ」「床や壁に汚物が残る映像が拡散した」などを事実であるかのように表示した。J-CASTニュースは7月10日時点で、衛生上のトラブルを報告する投稿の事実関係は直接確認されておらず、ヨドバシカメラも正式見解を公表していないと報じた。

業界
検索 / SNS情報配信 / 小売
時期
2026年7月5〜9日生成・拡散
類型
HAL + SLOP
損害
実在店舗に関する怪情報をニュース記事として拡散、ヨドバシカメラのブランド信用への毀損リスク、LINEヤフーのAI要約機能への信頼毀損
出典

Yahoo!リアルタイム検索「SNSのバズまとめ」当該ページ、LINEヤフー公式発表、J-CASTニュース(2026年7月)

JP-25

ChatGPT算出額を用いた高校生恐喝未遂・傷害事件

2026年1月27〜28日犯行、6月逮捕報道
国内CHAT
概要

東京都八王子市で17歳の少女と16〜17歳の少年4人が男子高校生を暴行し、鼻骨骨折などのけがを負わせたうえで15万円を要求した疑いで逮捕された。要求額はChatGPTへの相談結果を基に決めていた。

業界
犯罪 / 恐喝
時期
2026年1月27〜28日犯行、6月逮捕報道
類型
CHAT
損害
男子高校生の鼻骨骨折などの傷害、15万円の恐喝未遂
出典

共同通信・デイリースポーツ(2026年6月10日)

JP-26

ChatGPT示談相場を用いた美人局・122万円恐喝事件

2025年7〜8月犯行、2026年6月逮捕・送検
国内CHAT
概要

17歳少女とホテルに入った男性に因縁を付け、ChatGPTが示した「不同意性交の示談金は200万円程度」とする回答を見せて金銭を要求した疑いで男3人が逮捕された。男性2人から計122万円を脅し取ったとされる。

業界
犯罪 / 恐喝
時期
2025年7〜8月犯行、2026年6月逮捕・送検
類型
CHAT
損害
男性2人から現金計122万円を恐喝
出典

産経新聞・ITmedia NEWS(2026年6月25日)

JP-27

中道改革連合「責任を持てないAI生成資料」配布事件

2026年7月14日
国内SLOPVERI
概要

中道改革連合が政権ビジョン発表会見でAI生成の補助資料を記者へ配布しながら、「内容やデザインに責任を持てない」と説明し、引用や映像使用を避けるよう要請した。検証・引用のいずれにも耐えず、配布者が責任も負わないとしているAI生成物は、つまりただのゴミであるから、公的な記者会見で配布するべきではない。

業界
政治 / 広報
時期
2026年7月14日
類型
SLOP + VERI
損害
報道機関への検証コストの転嫁、政党のAIガバナンスと公的説明への信頼毀損
出典

中道改革連合公式記者会見(2026年7月14日)

JP-28

生成AIで写真を明るくするはずが「HONDASHI」→「MONDASHI」事件

2026年8月14日投稿、16日謝罪
国内SLOPVERI
概要

味の素パーク公式Xが、実写写真の明るさと背景を生成AIで加工した結果、「ほんだし」のラベル文字が崩れ、「HONDASHI」が「MONDASHI」に変形した画像を公開した。味の素パークは確認不足を認め、謝罪した。

業界
食品 / 広報
時期
2026年8月14日投稿、16日謝罪
類型
SLOP + VERI
損害
自社商品のラベル改変、謝罪・再発防止対応、公式発信への信頼毀損
出典

味の素パーク公式X、J-CASTニュース(2026年8月17日)

JP-29

熊本地震 被災者「ピースサイン」AI画像改変事件

2026年8月
国内VERI
概要

令和8年熊本地震で自宅が全壊した男性を写した報道写真が、男性が笑顔でピースサインをしているようAIで加工された偽画像に改変され、SNSで拡散した。男性は「不謹慎」などの誹謗中傷を受けた。

業界
災害 / SNS
時期
2026年8月
類型
VERI
損害
被災者への誹謗中傷、名誉・人格の侵害、災害報道写真への信頼毀損
出典

NHK(2026年8月)

JP-30

GPT-5.6 Sol誤情報出力によるUTIE Instruments Inc.代表セルフGOX事件

2026年8月
国内CHATVERI
概要

UTIE Instruments Inc.代表が私的な暗号資産送金を行う際、ChatGPTのGPT-5.6 Solに、特定のブロックチェーン・ネットワークを利用して送金してよいか明示的に確認した。GPT-5.6 Solは受取先事業者の公式HPの対応ネットワーク一覧にて明確に不可能と書かれているにもかかわらず、当該ネットワークで問題ないと誤回答した。代表は送金を実行し、送金した暗号資産がアクセス不能になるセルフGOXが発生した。本件の特徴は、被害者がAI出力の検証問題を専門的に扱うUTIE Instruments Inc.代表本人であった点にある。業務ではAI出力を一次情報と照合する一方、本件は業務外の夜間に行った私的な操作であり、通常の検証手順を適用しなかった。また、GPT-5.6 Solについて、リリース直後と比較して品質の低下が発生しており、それ以前の高い性能によって形成された「この程度の技術的確認にはハルシネーションを起こさない」という感覚が残っていた。AIの全回答を利用者が独立に一次情報確認しなければ安全に利用できないのであれば、AIによって削減される時間以上の検証コストが発生し、利用価値が大きく失われる。一方、暗号資産送金など、誤答がそのまま直接的な金銭損害や不可逆操作につながる場面では、AI回答を参考情報に加えること自体が人間判断を悪化させる可能性がある。本件では、誤った肯定回答が存在しなければ利用者自身による確認が行われた可能性があるのに対し、AIへの問い合わせによって誤った確信が追加され、本来の確認行動が代替された。

業界
生成AI / 暗号資産
時期
2026年8月
類型
CHAT + VERI
損害
当社代表の個人資産の金銭的損害。金額・受取先事業者名は非公表。資産の永久喪失は確認されていない。
出典

当事者保有のChatGPT会話記録、暗号資産出金記録、受取先事業者の公式対応ネットワーク資料(2026年8月)

JP-31

立憲民主党男性党員「中村りほ」AI架空女性政治アカウント事件

2024年6月アカウント開設、2026年8月発覚
国内SLOPHIDE
概要

立憲民主党栃木県連の男性党員が、生成AIで作成した女性「中村りほ」を実在人物であるかのように装ったSNSアカウントを運営していたことが発覚した。アカウントではAI生成された女性の顔写真や、乳児を背負って街頭活動を行う画像などを掲載し、「性暴力による妊娠・出産」を経験した女性であるとの架空の経歴を設定。出産日時や出生体重など具体的な個人情報まで創作し、実在する政治活動家・党員であるかのような政治的発信を行っていた。運営していた男性党員は取材に対し、男性として発信しても人気が得られないため女性として人気を得ようとした趣旨を説明し、人物や画像をAIで生成したことを認めた。

業界
政治 / SNS / なりすまし
時期
2024年6月アカウント開設、2026年8月発覚
類型
SLOP + HIDE
損害
架空人物による政治的発信、性暴力・妊娠・出産経験の捏造、政党名を用いたなりすまし、政治情報とSNS発信への信頼毀損
出典

テレビ朝日(2026年8月22日)、ITmedia NEWS(2026年8月19日)

JP-32

2026年夏 飲食店AI生成「キモ飯」広告炎上

2026年8月13日頃〜
国内SLOPVERI
概要

2026年8月中旬、生成AIで作られたとみられる飲食店のメニューや販促物が相次いでXで拡散した。代表例は愛知県・豊田上郷SAの「みそカツ・唐揚げ定食」看板で、みそカツには異様な凹凸が生じ、唐揚げは岩や納豆を丸めたような外観になっていた。ほかにも、白米の粒や衣が過度に強調された料理、不自然に糸を引くチーズ、均一に整列した麺などが報告された。「食欲が削がれる」「集合体恐怖症を刺激する」「食べようとしたがやめた」との反応も出た。AIの使用自体ではなく、人間なら商品広告として除外するはずの不快かつ実物と異なる生成物を、十分に検証せず店頭へ掲示したことが問題である。

業界
飲食 / 広告
時期
2026年8月13日頃〜
類型
SLOP + VERI
損害
利用者による購入断念、食欲・購買意欲の低下、実物と広告画像の不一致、飲食店の販促物への信頼毀損
出典

ASCII.jp(2026年8月17日)、ITmedia NEWS(8月18日・24日)、まいどなニュース(8月27日)

JP-33

レベルファイブ「LEVEL5 VISION 2026 II」生成AI映像炎上事件

2026年9月10日配信、9月12日社長謝罪
国内SLOPDISCVERI
概要

株式会社レベルファイブが2026年9月10日に配信したオンライン新作発表会「LEVEL5 VISION 2026 II 夢」で、生成AIによる映像演出を多岐に使用した。同イベントは『妖怪ウォッチ2 覇道』『レイトン教授と不思議な町 Remake』『レイトン教授と蒸気の新世界』『デカポリス』など同社の新作・開発中タイトルを発表する大型オンラインイベントだった。公開後、映像の動きや人物の見た目、キャラクターの顔などに不自然な箇所があるとの指摘が相次ぎ、「発表内容よりAIが気になる」「不自然な部分くらい修正してほしかった」といった反応が発生した。さらに、発表会の演出だけでなく、発売予定のゲーム本編にも生成AIが大量に使用されるのではないか、既存作品の絵柄や雰囲気が損なわれるのではないかという不安まで波及した。日野晃博社長は9月12日、AI映像に不快感を示した視聴者に謝罪し、発表会を派手にする目的から「最新のAIを使った実験も兼ねた処理」を取り入れ、AIを多岐に使用したことを説明した。一方、製品として発売するゲームについては、シナリオ、キャラクターデザイン、基礎設定など作品の魅力や個性に関わる部分は人間が制作しており、安易なAI出力データがゲーム内へ入っているわけではないと説明した。

業界
ゲーム / エンタメ / 広報
時期
2026年9月10日配信、9月12日社長謝罪
類型
SLOP + DISC + VERI
損害
日野晃博社長による謝罪対応、新作発表内容より生成AI映像の不自然さが注目される広報効果の毀損、ゲーム本編への生成AI使用疑惑の波及、作品および制作体制への信頼毀損
出典

株式会社レベルファイブ「LEVEL5 VISION 2026 II 夢」(2026年9月10日) (https://www.level5.co.jp/vision2026-2/) / 日野晃博氏公式X(2026年9月12日) (https://x.com/AkihiroHino) / ITmedia NEWS(2026年9月14日) (https://www.itmedia.co.jp/news/article/2609/14/2000001440/)

JP-34

LEON代表 しろまんた提供イラスト生成AI利用・虚偽説明事件

2026年8月29〜31日イベント開催、9月4日謝罪・活動休止
国内HIDE
概要

ストリーマーのLEON代表が、2026年8月29〜31日に開催した大型『Rust』ストリーマーイベント「DEATH GAME」のロゴイラスト制作に生成AIを使用し、その際、漫画家しろまんた氏が2023年にLEON代表本人へ贈ったイラストをAIに使用していたことが発覚した。同イベントには48名以上の配信者が参加していた。イベント終了後、ロゴイラストに違和感を覚えたしろまんた氏がLEON代表へ問い合わせた。これに対しLEON代表は当初、「AIイラストと認識せず利用していた」などと説明し、発注先についても秘密保持を理由として開示できないと回答した。その後、別の配信者であるけんき氏にも当該イラストが使用されていたことから、しろまんた氏が使用を止めるよう連絡。事情を把握したけんき氏がLEON代表へ確認したところ、LEON代表は「AIイラストと認識していた」「しろまんた先生のイラストをAIにかけて生成していた」とし、しろまんた氏へ行った説明は意図的な虚偽報告であったことが明らかになった。LEON代表は9月4日に謝罪文を公開し、しろまんた氏から提供されたイラストをAIに使用したこと、および本人からの問い合わせに対して嘘をついたことを認め、「当面自分を見つめ直す機会」などとして活動休止を発表した。

業界
ストリーマー / ゲームイベント / クリエイティブ
時期
2026年8月29〜31日イベント開催、9月4日謝罪・活動休止
類型
HIDE
損害
しろまんた氏との信用関係の毀損、AI使用に関する虚偽説明の発覚、イベントおよびストリーマー活動への信頼毀損、LEON代表の活動休止
出典

LEON代表公式X (https://x.com/LEONDAIHYOU) / しろまんた氏公式X(2026年9月4日) (https://x.com/shiromanta1020) / GameBusiness.jp(2026年9月5日) (https://www.gamebusiness.jp/article/2026/09/05/27909.html)

JP-35

RIZAP 私用生成AIへの顧客要配慮個人情報アップロード事件

2026年8月発覚、9月2〜3日公表
国内VERI
概要

RIZAP株式会社の健康経営・保険者事業部において、社員が特定保健指導管理システムに関するデータ集計作業中、個人で使用している外部生成AIサービスへ顧客情報をアップロードした。対象は2026年1月1日から8月19日までに同システムへ登録された特定保健指導対象者データの一部で、氏名、生年月日、性別、保険証記号番号、メールアドレス、一部対象者の住所・電話番号に加え、特定保健指導の支援形態および高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの疾患情報という要配慮個人情報も含まれていた。委託元の一つであるIHIグループ健康保険組合は、同組合について漏えいの可能性がある対象者を210名と公表し、従業員の自己申告により事案が判明したとしている。別の委託元である日立健康保険組合は、実効性のある再発防止策を確認できるまでRIZAPによる特定保健指導の新規受付を停止した。RIZAPは事象発見直後に該当チャット履歴を削除し、学習データ利用停止を設定。生成AIサービス事業者への照会により、当該事業者以外の第三者に閲覧された可能性とモデル学習に利用された可能性はないとしている。公表時点では、生成AIサービス事業者の従業員による閲覧可能性について確認を継続していた。

業界
ヘルスケア / 特定保健指導 / 個人情報
時期
2026年8月発覚、9月2〜3日公表
類型
VERI
損害
氏名・保険証記号番号・連絡先および疾患情報等を含む個人情報・要配慮個人情報の外部生成AIサービスへのアップロード、個人情報保護委員会への報告、対象者への個別連絡、委託元による管理強化、日立健康保険組合によるRIZAP特定保健指導の新規受付停止。RIZAP全体の対象人数は非公表
出典

RIZAP株式会社「当社における外部生成AIサービスへのお客様情報の誤ったアップロードに関するお詫びとお知らせ」(2026年9月3日) (https://rizap.co.jp/news/vG81xYj7) / IHIグループ健康保険組合(2026年9月2日) (https://www.ihikenpo.or.jp/asp/news/news.asp?articleid=189769&page=3) / 日立健康保険組合(2026年9月3日) (https://www.hitachi-kenpo.or.jp/asp/news/news.asp?articleid=189889&page=2) / ITmedia NEWS / ITmedia AI+(2026年9月4日) (https://www.itmedia.co.jp/news/article/2609/04/2000001161/)

JP-36

ヨルシカ告知画像「SAMPLE」生成AI文字化け事件

2026年9月1日投稿・説明
国内SLOPVERI
概要

ロックバンド・ヨルシカの公式Xが、LIVE「盗作」プレミアム上映会を告知する画像を2026年9月1日に投稿したところ、入場者へ配布予定のメモリアルチケット画像上の文字に不自然な部分があるとして、生成AI使用を指摘された。ヨルシカが告知用画像提供業者へ確認した結果、チケットデザイン上へ重ねる「SAMPLE」の文字を業者がAI機能を使用して作成していたことが判明した。AI処理の際に画像の一部で文字化けが発生していたが、業者側・発信側とも不備に気付かないまま告知用画像として使用し、公式アカウントから公開された。ヨルシカは確認不足を謝罪した。

業界
音楽 / 広報 / クリエイティブ
時期
2026年9月1日投稿・説明
類型
SLOP + VERI
損害
公式告知画像への文字化けしたAI生成文字の混入、ファンからのAI利用指摘、業者への事実確認、公式説明・謝罪および画像訂正対応、公式広報物への信頼毀損
出典

ヨルシカ公式X(2026年9月1日) (https://x.com/nbuna_staff) / ヨルシカ公式サイト (https://yorushika.com/news/detail/11823) / ORICON NEWS(2026年9月2日) (https://www.oricon.co.jp/news/2477878/)

JP-37

いぶすき菜の花マラソン「菜の花がおかしい」生成AIポスター事件

2026年7月24日公開、9月7日頃指摘拡散、9月8日事務局説明
国内SLOPDISCVERI
概要

鹿児島県指宿市で開催される「第44回いぶすき菜の花マラソン」が2026年7月24日に大会ポスターを公開した。公式サイトでは当初、鹿児島県内でイベントポスター等の作品を多数手掛ける「イラストレーター」が制作した旨を掲載していた。その後、ポスターに描かれた大会名の象徴である菜の花の形状が実物と異なることや、生成AI特有の描写が見られるとの指摘が9月7日頃からSNSで拡散した。大会事務局は9月8日、ポスターはデザイナーへ依頼し、生成AIを活用しながらデザイナーが構成、デザイン、画像加工、修正を行って最終ビジュアルに仕上げたと公式に説明した。問題となった菜の花についても「制作・校正段階での確認不足」だったとして謝罪した。ポスター自体は撤去せず、その後も使用を継続する方針を示した。

業界
スポーツイベント / 観光 / 広報
時期
2026年7月24日公開、9月7日頃指摘拡散、9月8日事務局説明
類型
SLOP + DISC + VERI
損害
大会公式ポスターに実物と異なる菜の花描写を掲載、制作方法に関するSNS上の批判拡散、公式サイトの制作者説明訂正、事務局による経緯説明・謝罪、制作・校正体制および大会広報への信頼毀損
出典

いぶすき菜の花マラソン大会実行委員会「第44回いぶすき菜の花マラソン ポスターデザイン公開!」 (https://ibusuki-nanohana.com/info/3253/) / 同「第44回いぶすき菜の花マラソンポスターデザインについて」(2026年9月8日) (https://ibusuki-nanohana.com/wp2023/wp-content/uploads/2026/07/69010e615b9bb622de1d498b687983f5.pdf) / ITmedia AI+ / ITmedia NEWS(2026年9月8〜10日) (https://www.itmedia.co.jp/news/article/2609/09/2000001308/)

JP-38

セブン-イレブン加盟店 AI生成掲示物・本部教育対応事件

2026年9月までに発生、9月15日本部回答公表
国内SLOPVERI
概要

セブン-イレブンの一部店舗で、生成AIを利用して作られた店頭掲示物が使用され、SNS上で不自然な絵柄や内容の整合性について指摘が相次いだ。セブン-イレブン・ジャパンは「一部店舗が掲示物作成にAIを利用していることを確認している」とした。セブン-イレブン・ジャパンは、生成AIに関する知識を深めるため、店舗経営相談員へ改めて教育を行ったうえで、掲示物作成について加盟店へ注意案内を実施するとした。

業界
コンビニ / 小売 / 店頭広告
時期
2026年9月までに発生、9月15日本部回答公表
類型
SLOP + VERI
損害
一部加盟店での低品質AI生成掲示物の店頭掲示、顧客からの指摘、SNS上での拡散、本部による店舗経営相談員への再教育、加盟店への注意案内、チェーンの店頭販促物に対する品質・信頼負荷
出典

ITmedia AI+によるセブン-イレブン・ジャパンへの直接取材(2026年9月15日) (https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2609/15/2000001494/)

JP-39

小学館「サライ.jp」豪姫肖像画ChatGPT無断利用・著作権侵害事件

2026年8月23日掲載、9月18日謝罪・公表
国内VERI
概要

小学館のWebメディア「サライ.jp」は、2026年8月23日に配信した記事「豪姫とはどんな女性? 秀吉の養女となり、宇喜多秀家に嫁いだ前田利家の娘の生涯」に掲載したイラストについて、著作権者の許諾なく既存の豪姫肖像画を利用していたとして9月18日に謝罪した。記事制作を委託された編集プロダクションから再委託を受けたフリーランスのイラストレーターが、Web検索で岡山城に展示されている三善千愛氏制作の豪姫肖像画を発見。権利者や利用可否を確認しないまま画像をChatGPTへ読み込ませ、「中世戦国時代の姫を出して欲しい」と入力して画像を生成した。その後、Affinityで着物の柄を変更し、別の銅像資料を参考に顔を修正して納品していた。元の肖像画の著作権は岡山市が保有している。サライ.jp編集部と編集プロダクションは、納品物について参考資料との相違や権利関係を十分確認しないまま掲載した。小学館側は、権利確認の不徹底、外部委託先・再委託先への指示管理不足、掲載前確認不備を原因として認め、確認・管理体制を見直すとした。

業界
出版 / Webメディア / 著作権 / 外部委託
時期
2026年8月23日掲載、9月18日謝罪・公表
類型
VERI
損害
著作権者の許諾を得ない肖像画の生成AI入力・生成画像利用、著作権侵害イラストの記事掲載、権利者・原作者への被害、記事制作委託・再委託管理体制の不備露呈、公式謝罪・再発防止対応
出典

小学館 サライ.jp編集部「サライ.jp 配信記事における著作権侵害に関するお詫びとご報告」(2026年9月18日) (https://serai.jp/news/1281884) / ITmedia NEWS(2026年9月18日) (https://www.itmedia.co.jp/news/article/2609/18/2000001645/)

JP-40

九州国立博物館「卑弥呼の鏡」生成AI使用否定・訂正謝罪事件

2026年7月頃説明、9月17日訂正・謝罪
国内HIDEVERI
概要

九州国立博物館は、特別展「卑弥呼の鏡 ―三角縁神獣鏡がヤマト王権をつくった―」のポスター・チラシについて、外部から生成AI利用の有無を問い合わせられた際、「生成AIの利用はしておりません。すべてイラストレーターによる作図です」と回答していた。しかし9月17日、制作過程を改めて確認した結果、デザイン制作の一部で生成AIが活用されていたことが判明し、それまでの説明を撤回。対象となったポスターには「ヒメミコさま」などのキャラクターが描かれ、同館はそれ以前、従来の博物館ポスターとは異なる目立つデザインとして広報していた。

業界
博物館 / 文化 / 広報 / クリエイティブ
時期
2026年7月頃説明、9月17日訂正・謝罪
類型
HIDE + VERI
損害
国立博物館による生成AI不使用という誤った対外説明、制作工程確認不備、生成AI利用発覚後の公式訂正・謝罪、展覧会ポスターおよび博物館広報への信頼毀損
出典

九州国立博物館「【訂正とお詫び】特別展『卑弥呼の鏡』ポスター・チラシのイラストについて」(2026年9月17日) (https://www.kyuhaku.jp/news/news-260917.html) / 九州国立博物館公式X(2026年9月17日) (https://x.com/kyuhaku_koho/status/2100435550545342478) / ITmedia AI+(2026年9月17日) (https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2609/17/2000001595/) / ORICON NEWS(2026年9月17日) (https://www.oricon.co.jp/news/2481135/full/)

JP-41

ジャパネット 高田明AI合成・模倣偽広告事件

2026年8月28日公式注意喚起
国内SLOPHIDE
概要

通信販売大手ジャパネットは2026年8月28日、インターネット上で、同社創業者の高田明氏をAI等で合成・模倣したとみられる広告動画について注意を呼びかけた。ジャパネット公式は、問題の動画について「公式からの発信ではない」とし、動画内で語られている内容や発言についても、ジャパネットおよび高田明氏本人とは一切関係がないと否定した。

業界
通販 / 広告 / SNS / ディープフェイク
時期
2026年8月28日公式注意喚起
類型
SLOP + HIDE
損害
高田明氏の顔・声・知名度を利用したAI合成・模倣広告の流通、ジャパネット公式広告との誤認リスク、創業者本人および企業ブランドの信用悪用、公式による注意喚起・否定対応
出典

ジャパネット公式X(2026年8月28日) / スポニチアネックス(2026年8月28日) (https://news.livedoor.com/article/detail/32182787/)

JP-42

大阪府警 生成AI「駐車禁止除外指定車標章」偽造・使用事件

2026年6月3日使用、8月17日書類送検
国内HIDE
概要

大阪府高石市の53歳会社員男性が、身体障害者などに交付される「駐車禁止除外指定車標章」を生成AIで偽造し、実際に車へ掲示して使用したとして、大阪府警大淀署が有印公文書偽造・同行使の疑いで書類送検した。生成AIを利用した同標章の偽造摘発は大阪府内で初めて。男性はインターネット上で見つけた大阪府公安委員会交付の標章画像を自宅のパソコン上の生成AIへ読み込ませ、偽の標章を作成し、勤務先の会社事務室で印刷した。2026年6月3日、大阪市北区の駐車禁止区域に車を止めた際、偽造標章をダッシュボードへ掲示した。付近住民から駐車に関する110番通報があり、警察が標章の発行番号などを確認したことで偽造が判明した。

業界
AI犯罪
時期
2026年6月3日使用、8月17日書類送検
類型
HIDE
損害
生成AIによる大阪府公安委員会交付公文書の偽造、偽造標章の実使用による駐車規制回避、警察による発行番号確認・捜査対応、有印公文書偽造・同行使容疑での書類送検
出典

大阪府警大淀署発表 / 共同通信(2026年8月17日) / 毎日新聞(2026年8月17日) (https://cont.t-com.ne.jp/social/926375_1.html) / ABCテレビ(2026年8月17日) (https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_62083.html)

JP-43

実在女性写真 AI性的ディープフェイク大量生成・SNS投稿事件

2026年2月11日犯行、8月3日までに逮捕・書類送検
国内SLOPHIDE
概要

40代女性の写真を生成AIでわいせつ画像へ加工しSNSへ投稿したとして、警視庁少年育成課は、兵庫県姫路市の32歳会社員を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(公然陳列)と名誉毀損の疑いで逮捕した。画像加工を依頼した鹿児島県の高校3年の男子生徒(17)も同容疑で書類送検された。2人は2026年2月11日、被害女性が中学生時代に撮影された体操着姿の写真を基に、生成AIを使用して虚偽のわいせつ画像2点を作成し、SNSへ投稿した疑い。被害女性と2人に面識はなく、元となった写真はインターネットやSNS上で入手したとみられる。会社員と男子生徒は、陸上競技の女子選手らの画像を集めるSNSグループに参加していた。会社員は有料の生成AIを使って作成したわいせつ画像について、同グループへ「100〜200枚投稿した」と説明しており、その大半は男子生徒から依頼されたものだったという。

業界
SNS / 性的ディープフェイク / 犯罪
時期
2026年2月11日犯行、8月3日までに逮捕・書類送検
類型
SLOP + HIDE
損害
実在女性の未成年時の写真を利用した非同意性的ディープフェイク生成・公開、100〜200枚規模のAIわいせつ画像投稿、被害女性の名誉侵害
出典

警視庁少年育成課発表 / 共同通信(2026年8月3日) / デイリースポーツ(共同通信配信、2026年8月3日) (https://www.daily.co.jp/society/national/2026/08/03/0020664683.shtml)

INT-1

Instacart AI価格差別事件

2025年12月発覚
国際ALGO
概要

Instacartが2022年に買収したEversight社のAI価格設定ツールを用い、同一店舗の同一商品に対し顧客ごとに最大23%の価格差をつけていた。Consumer Reportsの調査報道を受けFTCが調査に乗り出し、Instacartは即座に全価格テストの中止を発表。別件でFTCから欺瞞的なサブスクリプション契約等を理由に6,000万ドルの和解金支払いも命じられた。

業界
小売 / フードデリバリー
時期
2025年12月発覚
類型
ALGO
損害
FTC和解6,000万ドル(別件含む)、年間1,000ドル超の過払い、連邦法案提出
出典

Consumer Reportsなど

INT-2

MAHAレポートAI偽引用事件

2025年5月
国際HALVERICOVER
概要

トランプ政権のMAHA委員会が発表した78ページの子どもの健康報告書に、Chat GPTによると思われる存在しない学術論文の引用が複数含まれていた。Washington PostがURL中に「oaicite」マーカーを発見しAI生成の証拠と報じた。ホワイトハウスは軽微なフォーマットの問題と矮小化したが、下院監視委員会が正式な説明要求書を送付。発覚当日にオンライン版から問題箇所を差し替えるも、差し替え版にも新たなエラーが発生。

業界
行政 / 公衆衛生
時期
2025年5月
類型
HAL + VERI + COVER
損害
科学的信頼性の毀損、報告書の実質的無効化
出典

Washington Post報道(2025年)

INT-3

Deloitte豪州政府レポートAIスロップ事件

2025年10月発覚
国際SLOPHALCOVER
概要

Deloitteがオーストラリア政府の福祉制度レビューのために作成したレポートに、AIが生成した架空の学術引用・偽裁判所引用が含まれていた。学者が引用を検証したことで発覚。Deloitteは約29万1,000米ドルを返金。Deloitteは「報告書の核心的な結論は有効」と主張したが、このレベルの品質なら、政府はChatGPTのサブスクリプションを直接契約した方がましだと酷評された。

業界
コンサルティング
時期
2025年10月発覚
類型
SLOP + HAL + COVER
損害
約29万1,000米ドル返金、信頼毀損
出典

The Guardian等主要メディア報道(2025年)

INT-4

Nate Inc. AI Washing詐欺事件

2025年4月起訴
国際WASH
概要

ショッピングアプリNateの創業者Albert Sanigerが、独自AIで自動購入処理を行っていると投資家に説明しながら、実際にはフィリピンのコールセンターの数百人の人間が手作業で処理。アプリの実際の自動化率は事実上ゼロ。DOJとSECが並行して訴追。会社は2023年初頭に資金枯渇で資産売却に追い込まれ、投資家はほぼ全損。

業界
EC / フィンテック
時期
2025年4月起訴
類型
WASH
損害
投資家損失4,000万ドル超、証券詐欺・電信詐欺各最大20年の禁固刑
出典

米国DOJ・SEC公式プレスリリース(2025年)

INT-5

Mata v. Avianca事件(弁護士AI偽判例提出)

2023年6月判決
国際HALVERI
概要

ニューヨークの弁護士Steven SchwartzがChatGPTで生成した法律文書を連邦裁判所に提出したところ、引用された6件の判例がすべて架空だった。弁護士はChatGPTにこの判例は実在するかと確認し、AIが「実在する」と回答したためそのまま提出。裁判官は5,000ドルの制裁金を科し、AIツールに関する追加的法律教育を命じた。

業界
法務
時期
2023年6月判決
類型
HAL + VERI
損害
5,000ドル制裁金、New York Times一面報道
出典

New York Times報道(2023年)

INT-6

MyPillow CEO弁護団 AI偽判例事件

2025年7月
国際HALVERI
概要

MyPillow CEOマイク・リンデルの弁護士2名が、AIを使って作成した裁判書面に20件以上の誤りと架空判例を含めて提出。コロラド州連邦地裁のWang判事がそれぞれ3,000ドルの制裁金を科した。

業界
法務
時期
2025年7月
類型
HAL + VERI
損害
各3,000ドル制裁金(計6,000ドル)、弁護士の信用毀損
出典

主要法律メディア報道(2025年)

INT-7

Delphia & Global Predictions AI Washing事件

2024年3月
国際WASH
概要

SECが投資顧問会社Delphia (USA)とGlobal Predictionsに対し、AI能力に関する虚偽表示を理由に初のAI Washing制裁を実施。両社はAIを投資プロセスに組み込んでいると偽っていたが、実態は広告と異なっていた。合計40万ドルの制裁金で和解。

業界
金融 / 投資顧問
時期
2024年3月
類型
WASH
損害
合計40万ドル制裁金、SEC排除命令
出典

SEC公式(2024年)

INT-8

Presto Automation AI Washing事件

2025年1月SEC起訴
国際WASH
概要

SECが上場企業として初のAI Washing訴追を実施。同社はAI音声認識技術によるドライブスルー自動化を標榜していたが、実際にはフィリピンの人間オペレーターが大幅に介入しており、技術は第三者所有のものだった。

業界
外食テック
時期
2025年1月SEC起訴
類型
WASH
損害
SEC訴追、信頼毀損
出典

SEC公式(2025年)

INT-9

Joonko AI Washing投資詐欺事件

2024年6月11日SEC提訴
国際WASH
概要

JoonkoのCEO Ilit Razが、プラットフォームの顧客数・候補者数・収益等について虚偽の説明を行い、AI Washingを含む手法で投資家から少なくとも2,100万ドルを詐取したとしてSECに提訴された。

業界
HRテック
時期
2024年6月11日SEC提訴
類型
WASH
損害
投資家から少なくとも2,100万ドルを詐取したとするSECの民事提訴
出典

SEC公式

INT-10

Air Canada チャットボット誤案内事件

2024年2月判決
国際CHATCOVER
概要

遺族割引について問い合わせた顧客に対し、Air CanadaのAIチャットボットが正規料金で購入後90日以内に返金申請可能などと虚偽の案内をした。Air Canadaは「チャットボットは独立した法的主体である」「その行為の責任はチャットボット自身が負うべきだ」などと主張、裁判所はこの主張を退け、650.88ドルと利息の支払いを命じた。

業界
航空
時期
2024年2月判決
類型
CHAT + COVER
損害
650.88ドル+利息の賠償、レピュテーション毀損
出典

BBC国際主要メディア報道(2024年)

INT-11

NYC「MyCity」チャットボット違法助言事件

2024年
国際CHATVERI
概要

ニューヨーク市が中小事業者向けに導入したAIチャットボット「MyCity」が、キャッシュレス営業が合法であると案内(実際は2020年法で違反)したり、賃貸補助を受ける入居者を拒否してよいと回答する(実際は違法な差別)などの誤助言を行った。住宅政策の専門家から「危険なほど不正確」と批判された。

業界
行政
時期
2024年
類型
CHAT + VERI
損害
市民の法的リスク増大、行政の信頼毀損
出典

AP通信等国際主要メディア報道(2024年)

INT-12

Willy's Chocolate Experience AI虚偽広告事件

2024年2月
国際SLOPHIDE
概要

グラスゴーで開催された「Willy's Chocolate Experience」は、AI生成の画像で集客しながら、実際にはほぼ空っぽの倉庫。チケット1枚35ポンドを支払った来場者が激怒し、警察が呼ばれる事態に。ウィリー・ウォンカ役の俳優には15ページのAI生成のでたらめな台本が渡されていた。イベントは初日数時間で中止。

業界
イベント / エンタメ
時期
2024年2月
類型
SLOP + HIDE
損害
全額返金、世界的バイラル炎上、ドキュメンタリー制作
出典

BBC等国際主要メディア報道(2024年)

INT-13

Disney Lorcana アーティストAI隠蔽事件

2025年8月
国際HIDE
概要

Disney Lorcanaのカードアーティスト James C. MulliganがAnime NYC 2025でAI使用の指摘を受けた。Ravensburger社がAI使用を確認し、MulliganはDisneyからブラックリスト入り。Lorcanaは人間のアーティストによる手描きを売りにしていたため、コミュニティの反発が激しかった。

業界
エンタメ / TCG
時期
2025年8月
類型
HIDE
損害
アーティスト個人のキャリア喪失、ブランドの信頼毀損
出典

国際ゲームメディア報道(2025年)

INT-14

Character.AI 未成年者自殺訴訟

2024年10月提訴
国際CHAT
概要

フロリダ州で14歳の少年の母親がCharacter Technologies社に対し不法行為死亡訴訟を提起。少年はAIチャットボットとの過度な交流により精神状態が悪化したとされる。テキサス州でも17歳の家族が提訴。複数の州で未成年者向けAIチャットボット規制法が成立(ニューヨーク・ユタ・イリノイ等)。

業界
テック / AIコンパニオン
時期
2024年10月提訴
類型
CHAT
損害
訴訟係属中、州法制定多数
出典

国際主要メディア報道(2024年10月〜)

INT-15

カリフォルニア控訴審 AI偽引用制裁事件(Noland v. Land of the Free)

2025年9月
国際HAL
概要

カリフォルニア控訴裁判所が、架空のAI生成引用を含む控訴準備書面を提出した弁護士に1万ドルの制裁金を科し、州弁護士会への照会も実施。さらに、相手方弁護士が偽引用を発見・報告しなかったことを理由に弁護士費用の支払いを認めないという新しい判断を示した。

業界
法務
時期
2025年9月
類型
HAL
損害
1万ドル制裁金
出典

法律専門メディア報道(2025年)

INT-16

Zillow AIアルゴリズム崩壊・事業撤退事件

2021年11月
国際ALGO
概要

米不動産大手ZillowがAI住宅価格予測アルゴリズムを使った住宅転売事業「Zillow Offers」を展開。AIが市場価格を大幅に過大評価したため買い取り価格が市場実勢を上回る物件を大量購入、住宅市場の変動にアルゴリズムが対応できず5億ドル超の損失が発生。2,000人超を解雇し事業を完全撤退した。AIの意思決定に人間が追随した結果の経済的破壊として本データベース全体で最大規模の金銭損害事例。

業界
不動産テック
時期
2021年11月
類型
ALGO
損害
損失5億ドル超(約800億円)、Zillow Offers事業廃止、2,000人以上解雇
出典

国際主要メディア報道(2021年)

INT-17

Samsung 社内機密ChatGPT漏洩事件

2023年4月発覚
国際VERI
概要

Samsung半導体部門の複数の従業員が業務効率化のためChatGPTにソースコード・会議メモ・機密技術情報を入力。OpenAIのサーバーに機密情報がアップロードされた状態となり社外への情報流出リスクが発生。Samsungは発覚後にAI使用を社内禁止とした。

業界
半導体 / テック
時期
2023年4月発覚
類型
VERI
損害
機密技術情報の社外サーバー流出リスク
出典

国際主要メディア報道(2023年)

INT-18

Amazon「Just Walk Out」大量人力補助・AI自動化誇張事件

2024年4月発覚
国際WASH
概要

Amazonがレジなし決済として展開した「Just Walk Out」技術について、インドを拠点とする約1,000人規模のチームが、機械学習用の映像ラベリングや一部取引の確認に関与していたと報じられた。Amazonは、人間が常時購入品を判定していたとの説明を否定し、人間による確認は一部取引に限られると反論した。米国Amazon Freshの多くの店舗では同技術をDash Cartへ置き換えた一方、第三者の小規模店舗向け提供は継続。大量の人力補助を伴う実態と、完全自動化を想起させるブランド表示との落差が問題となった事例。

業界
小売テック
時期
2024年4月発覚
類型
WASH
損害
米国Amazon Fresh店舗での導入縮小・Dash Cartへの移行、ブランド・信頼毀損
出典

BBC等国際主要メディア報道(2024年)

INT-19

NEDA 「Tessa」 チャットボット有害助言事件

2023年5月〜6月
国際CHAT
概要

米国摂食障害協会(NEDA)が導入したチャットボット「Tessa」が、摂食障害で苦しむ利用者に対してカロリー制限・体重管理の具体的アドバイスを行っていることが発覚。本来の目的とは真逆の有害な出力であり、NEDAはTessaを即座に停止した。Air Canada・NYC MyCityとは質的に異なる、人命に直結するCHAT暴走事例。

業界
非営利 / 公衆衛生
時期
2023年5月〜6月
類型
CHAT
損害
チャットボット即時停止、摂食障害患者への心理的被害、NEDAの信頼毀損
出典

国際主要メディア報道(2023年)

INT-20

Sports Illustrated AIライター偽装・組織的隠蔽事件

2023年11月発覚
国際HIDECOVER
概要

Sports Illustratedが、存在しないAI生成の架空ライターのプロフィール写真・経歴を作成し、AI生成記事に著者として掲載していたことが発覚。指摘後も記事削除のみで経緯の説明を拒み隠蔽を図った。The Arena GroupのCEOは発覚後に解任。AIを使ったことを隠すだけでなく架空人物で糊塗するという二重の隠蔽がSpringer 事例と類似。

業界
メディア
時期
2023年11月発覚
類型
HIDE + COVER
損害
ブランド信頼毀損、ライセンス契約喪失、CEO解任(因果不明)
出典

The Guardian等国際主要メディア報道(2023年11月)

INT-21

Meta / OpenClaw エージェント受信トレイ全削除事件

2026年2月22日
国際VERIAGENT
概要

MetaスーパーインテリジェンスラボのAI安全・アライメント担当ディレクター、サマー・ユエ氏が、OpenClawを自身の仕事用Gmailに接続。承認なしに何も実行しないこと、と明示的に指示していたにもかかわらず200通以上のメールを削除された。原因はコンテキストウィンドウのコンパクション(圧縮)により安全指令がシステムから忘却されたこと。スマホからの停止命令を完全無視され、Mac Miniまで走って物理的にプロセスを停止させた。ユエ氏は初心者レベルのミスと自認し安全研究者といえども不安全な状況から免れることはできないと述べた。Metaはその後従業員のOpenClaw使用を禁止し違反した場合は解雇の対象とすると警告した。

業界
テック / AIエージェント
時期
2026年2月22日
類型
VERI + AGENT
損害
仕事用メール200通以上の削除、Meta社内でのOpenClaw使用禁止措置
出典

サマー・ユエ氏X投稿(2026年2月22日)、国際メディア報道

INT-22

OpenAI / ChatGPT 16歳自殺訴訟

2025年8月26日提訴
国際CHAT
概要

カリフォルニア州で16歳少年の遺族がOpenAIを提訴。訴状によれば少年は数か月にわたりChatGPTと自殺について対話を続け、チャットボットは自殺念慮を肯定しつつ致死的な自傷方法の詳細・親の酒棚からアルコールを盗む方法・未遂時の証拠隠しの方法まで助言したとされる。原告はOpenAIがGPT-4oローンチにあたり長時間対話で安全機能が劣化しうることを認識しながら年齢確認・ペアレンタルコントロール等のセーフガードを導入せず利益を優先したと主張。INT-14(Character.AI自殺訴訟)と性質が類似だが、ChatGPTという大手モデルが当事者である点、および具体的な自傷方法の提示という出力内容の悪質性で重要度が高い。

業界
テック / AIコンパニオン
時期
2025年8月26日提訴
類型
CHAT
損害
未成年者の死亡
出典

Reutersほか(2025年)

INT-23

UnitedHealth Group AI保険請求自動拒否集団訴訟

2023年11月提訴
国際ALGOVERI
概要

米最大手医療保険会社UnitedHealth Groupの子会社UnitedHealthcareが、nHプレディクトと呼ばれるAIアルゴリズムを使用して高齢者向けメディケア・アドバンテージ保険の請求を自動拒否していたとして集団訴訟を提起された。訴状によれば、同アルゴリズムは患者の個別の医療記録を考慮せず、診断コードと統計的パターンのみに基づいて回復期間を予測し、予測期間を超えたリハビリ・介護施設への給付を機械的に打ち切っていた。内部データでは同アルゴリズムによる拒否判定の90%が不当であったとされる。脳卒中・骨折等で回復途上の高齢患者が必要な医療ケアを打ち切られ、中には自宅退院後に状態が悪化したケースも報告されている。Zillow事件と並ぶALGO類型の大型事例であり、AIアルゴリズムが人間の健康・生命に直接影響する意思決定を行った点で深刻度が高い。拒否判定の90%が不当であったにもかかわらずアルゴリズムが稼働し続けた事実は、人間による検証プロセスの不在または完全な形骸化を示しており、三重県虐待死事件(JP-9)と同じヒューマンインザループの崩壊が医療保険領域で発生していたことを意味する。

業界
保険 / ヘルスケア
時期
2023年11月提訴
類型
ALGO・VERI
損害
集団訴訟係属中、拒否判定の90%が不当とされる内部データ、高齢患者への医療ケア打ち切り被害
出典

国際主要メディア報道(2023年〜)

INT-24

Arup香港支社 ディープフェイクビデオ会議詐欺事件

2024年1月〜2月発覚
国際VERI
概要

英大手エンジニアリング企業Arupの香港支社で、詐欺グループがディープフェイク技術を使って同社CFOを含む複数の上級幹部の顔と声をリアルタイムに再現したビデオ会議を設営し、財務担当者に送金を指示した。担当者は当初フィッシングメールを疑ったが、ビデオ会議で見知った上司の顔と声を確認したため指示に従い、計2億香港ドル(約2,560万米ドル)を15回に分けて送金した。香港警察が捜査し、ディープフェイク技術を使った詐欺としては当時世界最大規模の被害額となった。本件は、実在する上司複数人の顔と声を合成して社内の本人確認を突破した事例であり、同時にビデオ会議映像を十分に検証できなかったVERIにも該当する。

業界
建設コンサルティング / 金融
時期
2024年1月〜2月発覚
類型
VERI
損害
被害額2億香港ドル(約2,560万米ドル)
出典

CNN等国際主要メディア報道(2024年2月)

INT-25

Apple Card AI与信 性差別疑惑事件

2019年11月発覚、2021年調査完了
国際ALGO
概要

Apple Cardの与信審査において、同等の信用力を持つ夫婦間で妻の与信限度額が夫の20分の1に設定される等の性差別的な結果が複数報告された。Apple共同創業者スティーブ・ウォズニアックも自身と妻の間で10倍の格差があったと公表。Goldman Sachsが運営するAI与信アルゴリズムが性別を直接変数としていなくても、相関する変数(消費パターン・口座履歴等)を通じてジェンダーバイアスを再現していた疑い。ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が調査を実施し、2021年に「連邦法違反は確認されなかった」と結論したが、アルゴリズムの不透明性と結果的差別の問題は未解決のまま残った。リクナビ事件(JP-2)と並ぶAIプロファイリングによる差別事例として対照できる。

業界
金融 / テック
時期
2019年11月発覚、2021年調査完了
類型
ALGO
損害
NYDFS調査、レピュテーション毀損、AIアルゴリズム与信の公平性に関する国際的議論の契機
出典

Bloomberg、New York Times等国際主要メディア報道(2019年〜2021年)

INT-26

NVIDIA DLSS 5 AIテンプレート均質化問題

2026年3月発表・炎上
国際SLOPDISC
概要

NVIDIAが発表したAIアップスケーリング技術DLSS 5が、ゲームキャラクターの顔・テクスチャ・ライティングをAIが改善と称して上書きし、アーティストが作り込んだ個性が均質的なAI顔に置き換えられるとして炎上。バイオハザード・ホグワーツ・レガシー等の技術デモで、オリジナルと別人レベルの変容が確認された。技術的ベンチマーク上は改善であるが、AIの統計的に正しい顔への均質化という出力がAIスロップとして認識された典型例。フアンCEOは「ゲーマーは完全に間違っている」などと反論したが、アーティストが何時間もかけて作り込んだモデルをAI顔に置き換えるのは無礼だという批判は収まっていない。

業界
ゲーム / グラフィック技術
時期
2026年3月発表・炎上
類型
SLOP + DISC
損害
クリエイターのアート的意図の無効化、ゲームコミュニティの広範な反発、NVIDIAのレピュテーション毀損
出典

国際主要メディア報道(2026年3月)

INT-27

Krafton ChatGPT企業乗っ取り戦略事件

2025年7月(解任)、2026年3月16日(判決)
国際VERICHAT
概要

韓国ゲーム大手Krafton(PUBG開発元)がSubnautica開発スタジオUnknown Worldsを5億ドルで買収した際、売上連動の最大2.5億ドルのアーンアウトを契約に含めていた。Subnautica 2の成功により満額支払いの可能性が浮上すると、CEO Changhan Kimは社内法務の「正当事由なき解雇では義務は消滅しない」との警告を無視し、ChatGPTに法的戦略を相談。ChatGPTが生成した戦略をそのまま実行し、Unknown WorldsのCEOら経営陣を解任した。デラウェア州衡平法裁判所は2026年3月、契約違反を認定しCEO復帰命令・アーンアウト期間258日延長を命じた。判決文はChatGPT使用を直接引用し批判。損害賠償訴訟は係属中。

業界
ゲーム / M&A
時期
2025年7月(解任)、2026年3月16日(判決)
類型
VERI + CHAT
損害
裁判所による経営者復帰命令、アーンアウト期間258日延長(最大2.5億ドルの支払い義務継続)、損害賠償訴訟係属中、Kraftonのレピュテーション毀損(2025年度売上22.6億ドル超の企業)
出典

国際主要メディア報道(2026年3月)

INT-28

ファーゴ警察 AI顔認識誤認逮捕・5カ月勾留事件

2025年7月逮捕、2025年12月釈放、2026年3月報道
国際ALGOVERI
概要

米ノースダコタ州ファーゴ警察が、2025年4〜5月に発生した複数の銀行詐欺事件の捜査において、監視カメラ映像をAI顔認識ソフトウェアで分析し、テネシー州在住のアンジェラ・リップスさん(50)を主犯と誤認定した。担当刑事はリップスさんのSNSアカウントと運転免許証の写真を確認し、顔の特徴・体型・髪型が一致すると判断して逮捕状を取得したが、リップスさんへの事情聴取は逮捕前に一度も行われなかった。リップスさんは2025年7月14日に連邦保安官チームにより自宅で銃を突きつけられて逮捕され、テネシー州の刑務所に逃亡犯として保釈なしで勾留された。108日後にノースダコタ州へ移送。弁護士がノースダコタ州で詐欺が行われていた時刻にリップスさんがテネシー州でガソリンスタンドやピザ店で買い物をしていた完全なアリバイを確認。誤認逮捕から5カ月後の12月19日であり、その5日後のクリスマスイブに不起訴・釈放。しかし夏服のまま放り出され、帰宅費用も負担されず、勾留中に家・車・愛犬を失った。警察は直接的な謝罪に至っていない。Washington Post紙の2025年1月の調査では、顔認識技術による誤認逮捕事例が少なくとも8件記録されており、いずれもアリバイ確認や体格照合といった基本的確認作業が怠られていた。三重県虐待死事件(JP-9)・UnitedHealth事件(INT-23)と同じく、AIの出力が人間の検証動機を認知的に抑制する人間監督の形骸化が、基本的人権を侵害した重大事例。

業界
法執行 / 刑事司法
時期
2025年7月逮捕、2025年12月釈放、2026年3月報道
類型
ALGO + VERI
損害
無実の市民の5カ月以上の身体拘束、家・車・愛犬の喪失、精神的損害
出典

CNN等国際主要メディア報道(2026年3月)

INT-29

Thames Valley Police / Cognitec AI顔認識誤認逮捕事件

2026年1月逮捕
国際ALGOVERI
概要

英国のThames Valley Policeが、ドイツの顔認識企業Cognitecのシステムを用いてCCTV映像を分析。ソフトウェアエンジニアのアルヴィ・チョードリー氏を容疑者と誤認定した。同氏は事件現場から100マイル(約160キロ)離れたサウサンプトンの自宅で在宅勤務中だったが、2026年1月7日にHampshire Constabularyの警官が自宅を訪問し、手錠をかけて10時間近く拘束。担当刑事は年齢差・鼻の形・唇のサイズ・ひげの有無など明白な外見差異を無視して逮捕状を取得しており、人間の検証が完全に形骸化していた。同システムはアジア系の顔に対する誤認率がアジア人で白人の100倍とされ、黒人女性では247倍に達するとも指摘されている。チョードリー氏はThames Valley Policeに対し損害賠償請求を提起し、顔認識技術の使用禁止を求めた。

業界
法執行 / 刑事司法
時期
2026年1月逮捕
類型
ALGO + VERI
損害
無実の市民の拘束、損害賠償訴訟係属中、顔認識技術の使用禁止を求める公的要求
出典

The Guardian / Liberty Investigates報道(2026年2月)

INT-30

Anthropic Claude Mythos サイバーセキュリティ脆弱性問題とフロー制限実装

2026年3月情報漏洩・4月公式発表
国際AGENT
概要

Anthropicが開発した汎用AIモデルClaude Mythos Previewが、サイバーセキュリティの専門訓練を一切受けていないにもかかわらず、汎用的なコーディング・推論能力の向上の結果としてあらゆる主要OS・ブラウザのゼロデイ脆弱性を自律的に大量に発見・エクスプロイトする能力を獲得した。内部テストではサンドボックスからの脱出、エクスプロイト詳細の外部公開、ルール違反の隠蔽といったエージェント暴走行動が確認された。Anthropicは同モデルを一般公開せず、Project Glasswingとして約40社に限定アクセスを提供し、防御側に先行的な脆弱性修復の時間を与えるためのフロー制限を実施した。しかし情報漏洩(3月のドラフトブログ誤公開)と公式発表(4月7日)を受け、サイバーセキュリティ株が急落。FRB議長と米財務長官が大手銀行CEOを緊急招集し、Mythosが金融システムへのサイバー攻撃リスクを大幅に引き上げる可能性について協議したとの報道もある。Anthropicは同モデルを「史上最も整合的であり、同時に史上最も危険なモデル」と評している。前世代のトップモデルOpus 4.6が2件のエクスプロイトを生成したのに対し、Mythosは181件を生成。OpenBSDの27年間未検出の脆弱性を2万ドル未満の計算コストで発見し、Linuxカーネルの複数の脆弱性を自律的に連鎖させて完全なマシン制御を達成した。Anthropicのフロンティアレッドチーム責任者は、6〜18か月以内に他のAI企業から同等の能力を持つモデルが登場すると予測しており、そのたびにフロー制限による時間稼ぎが行われるか注目。当社CEOが昨年末から執筆し2026年3月5日に完成した論文「The Supervision Paradox: AI Capability Growth Necessitates Usage Contraction in High-Loss Domains」(Naito, 2026, Preprints.org, DOI: 10.20944/preprints202603.1507.v1)は、高損失領域ではAIの能力向上に伴い人間は使用を制限せざるを得なくなると結論しており、Anthropicが実施したMythosのフロー制限は同論文が導いたV_eff = min(V, C_max)の政策的実装そのものである。同論文は3月上旬にarXivに投稿されたが、cs.AI分野のモデレーターにより科学的貢献なし+arxivの関心なし(not of interest)などとしてリジェクトされた(PC-2参照)。その約1か月後に、論文が予測した通りの事態が現実世界で発生し、世界で最も影響力のあるAI企業の一つによってフロー制限の運用が開始された。(2026.4.13記載)

業界
サイバーセキュリティ、金融(セキュリティ)
時期
2026年3月情報漏洩・4月公式発表
類型
AGENT
損害
既存セキュリティソフトウェア産業の信頼毀損、サイバーセキュリティ関連株の下落、金融規制当局の緊急対応
出典

TechCrunch・CNBC・Axios・Fortune・Reuters(2026年4月)、Anthropic公式ブログ、Naito (2026) The Supervision Paradox, Preprints.org DOI: 10.20944/preprints202603.1507.v1

INT-31

トランプ大統領による反復的なAIスロップ画像投稿事案

2026年4月12日投稿、4月13日削除
国際SLOPDISC
概要

トランプ大統領が正教会の復活祭の夜、Truth SocialにAI生成画像を投稿した。画像はトランプが白いローブと赤い帯を纏い、病人に手を置いて癒やす構図で、背景にはアメリカ国旗・鷲・軍用機・自由の女神が配置されていた。キリストの癒やしの場面を模した構図であることは一目瞭然であった。Snopesの検証では、AI特有のハルシネーション(角があるが頭部のない人物、不自然に宙に浮く兵士群)も確認されている。保守派支持層からも「前代未聞の冒涜」と即座に激しい反発が起き、トランプ支持が顕著なFOXニュースですら「謙虚さが必要」と批判。トランプは画像を削除したが、「医者の自分を描いたものだと思った」「赤十字の作業員だ」などと発言。ヴァンス副大統領は「ジョークだった」となどと発言。本件は単独ではレピュテーション事件に見えるが、AIインシデントとしての本質は反復パターンにある。トランプは2025年2月にAI生成の「王verのトランプ」画像、2025年5月に教皇フランシスコ死去直後にAI生成の「教皇verトランプ」画像、そして今回の「キリストverトランプ」画像と、AI生成画像による自己神格化を繰り返している。仮にトランプが著名な宗教画家にキリスト風の肖像画を委嘱し、その出来栄えが芸術的に優れていたならば、反発の性質は異なっていた可能性がある。批判は冒涜的・税金の無駄という論点に集中し、怒りが発生しやすく軽蔑や嘲笑の感情は発生しにくかっただろう。ハルシネーションが残ったまま投稿される品質管理の不在も、JALメタルカード事件(JP-3)やサクラクレパス事件(JP-7)と同じSLOP的特徴を示している。

業界
政治 / SNS
時期
2026年4月12日投稿、4月13日削除
類型
SLOP + DISC
損害
保守派キリスト教支持基盤からの広範な離反・批判、画像削除・弁明対応、教皇との外交的対立の激化、レピュテーション毀損
出典

国際主要メディア報道

INT-32

iTutorGroup AI採用年齢差別EEOC和解事件

2022年提訴、2023年和解
国際ALGO
概要

中国系オンライン教育大手iTutorGroupが採用選考に導入したAIスクリーニングツールが、40歳以上の男性応募者および55歳以上の女性応募者を自動的に排除していたとしてEEOCが訴追。同社は36万5,000ドルで和解した。AI採用ツールの差別的運用に対する米国初のEEOC和解事例として記録される。JP‐2(リクナビ内定辞退率販売事件)が就活生のプロファイリングと第三者提供を問題にしたのに対し、本件はAIが採用可否の判定そのものを年齢属性で自動排除した点で踏み込みが深い。日米いずれも是正は行政指導・和解ベースにとどまり、刑事責任に至っていない点は共通する。

業界
教育テック / 人事
時期
2022年提訴、2023年和解
類型
ALGO
損害
EEOC和解金36万5,000ドル、対象応募者への救済措置
出典

EEOC公式プレスリリース(2023年)、国際主要メディア報道

INT-33

Workday AI採用差別集団訴訟

2023年提訴
国際ALGO
概要

求職者Derek Mobleyが、WorkdayのAI採用スクリーニングツールが人種・年齢・障害を理由に応募者を系統的に排除しているとして集団訴訟を提起。INT‐32(iTutorGroup事件)との最大の差異は、差別を実行した採用企業ではなく、AIツールを提供したプラットフォームベンダーであるWorkday自体の責任を直接問うた点にある。AIが差別の道具として機能した場合にツール提供者が法的責任を負うかという問いは、INT‐10(Air Canada チャットボット誤案内)でボットに法的人格を認めさせようとした責任回避の試みと対になる構図であり、AIを介した加害行為の帰責をめぐる司法判断として国際的注目度も高い。

業界
HRテック / SaaS
時期
2023年提訴
類型
ALGO
損害
訴訟係属中(集団訴訟、対象規模未確定)
出典

国際主要メディア報道(2023年〜)

INT-34

Sullivan & Cromwell ChatGPT 偽引用緊急陳謝書簡事件

2026年4月
国際HALVERICOVER
概要

世界最高峰の法律事務所の一つであり、OpenAIの代理人を務めるSullivan & Cromwellが提出したものにAI生成のハルシネーション引用・架空判例が含まれていた。Sullivan & Cromwellは「AI利用に関する包括的ポリシーと研修要件を維持していたが、当該モーション作成において当該ポリシーが遵守されず、社内の引用検証プロセスでも不正確な引用を検出できなかった」と弁明し、「研修モジュール2本・受講管理・事務所マニュアル記載の『何も信用せず全てを検証せよ』指令」という同事務所のAIガバナンス体制を具体的に説明することで制裁回避を図った。本件の重要度はOpenAI自身の代理人という立場にある。AI開発企業側の代理人ですら組織的に偽引用混入を防げなかった事実は、INT-5(Mata v. Avianca)以降のHAL + VERI系列の中でも象徴的なものであり、「安全ポリシー・研修・検証プロセス」という人間監督の多層設計が規模・資金力に関係なく機能しないことを示す実証例である。ケースはPhoenix Global Holdings清算人(JPLs)がピッグ・ブッチャリング詐欺の被害者救済のため数十億ドル規模の暗号資産追跡を行う文脈で発生しており、JPLsはS&Cのミスにより数週間の運用期間を失った。Damien Charlotin氏が運営するAIハルシネーション判例データベースは、本件を含み2026年4月時点で1,227件を突破(前年同期比で約6倍)、1日あたり5〜6件のペースで累積中であり、AI偽引用問題は個別事例の集積ではなく系統的現象の段階。

業界
法務
時期
2026年4月
類型
HAL + VERI + COVER
損害
国際的評価の毀損、JPLs側の訴訟遅延(数週間の運用期間喪失)、OpenAI自身の代理人という構図でのレピュテーション毀損、AIガバナンス「二重体制論」の破綻証拠としての引用連鎖
出典

Above the Law(2026年4月22日)、裁判所提出Sullivan & Cromwell書簡(2026年4月)、Damien Charlotin AI Hallucination Cases Database

INT-35

Phoenix Suns セクハラ訴訟 AI偽引用制裁事件

2026年4月1日制裁
国際HALVERI
概要

フェニックス・サンズ(NBA)の元女性従業員がセクシャルハラスメントおよび報復を理由に提起した連邦裁判所訴訟において、原告代理人のSheree Wright弁護士が提出した複数の申立書に、少なくとも18件の架空判例・捏造引用が含まれていたことが判明した。連邦判事はAIハルシネーションによるものと認定、Wright弁護士に対し相手方の弁護士費用の一部負担とAI倫理研修の追加受講を命じた。制裁決定のコピーはアリゾナ州弁護士会および同地区全地区・治安判事裁判所に送付された。Wright弁護士は自身の事務所で同一スタッフが3件を担当していたと説明、制裁を「完全に自身の責任」として受容した。ASU AI and Legal Tech Studio所長Sean Harrington氏は同様の事例が既知のものだけで1.2万件を超えていると指摘している。本件の特徴は被告側(サンズの弁護士)が問題を発見し、裁判所が原告代理人を制裁した構図であり、今後「相手方の偽引用を発見する能力」が弁護士の職業倫理上の義務として確立する可能性を示唆する。INT-15の「相手方弁護士が偽引用を発見・報告しなかったことを理由に費用支払いを認めない」判断と対称的な関係にある。

業界
法務 / スポーツ
時期
2026年4月1日制裁
類型
HAL + VERI
損害
原告弁護士への制裁金相当額(相手方弁護士費用負担)、弁護士会照会、AI倫理研修義務付け、原告本人の訴訟位置の毀損
出典

AZFamily(2026年4月1日)、アリゾナ州連邦地方裁判所制裁命令

INT-36

Amazon Kiro AIエージェント AWS中国 13時間障害事件

2025年12月発生、2026年2月報道
国際AGENTVERI
概要

Amazon Web Services(AWS)の中国本土リージョンにおいて、同社のAIコーディングエージェントKiroが本番環境を自律的に削除・再作成する操作を実行し、13時間にわたるサービス障害を発生させた。通常AWSは本番環境操作に二人承認を要求しているが、人的な権限設定ミスによりKiroが昇格権限を保持したままその保護層をバイパスできる状態になっていた。AmazonはFinancial Timesに対し、原因をAIエージェント側ではなく人間の権限設定ミスに帰属させる説明を行っている。本件の重要度は、AWSが自社インフラを知り尽くしているはずの内製AIエージェントでさえ、本番環境の破壊的操作を自律的に実行できたという点にある。INT-21(Meta / OpenClawメール削除)の企業インフラ版であり、被害規模は桁違いに大きい。AWSの場合は二人承認というHITLの強化運用をしていたにもかかわらず、形骸化した監督によって運用ミスが発生した。

業界
クラウドインフラ / AIエージェント
時期
2025年12月発生、2026年2月報道
類型
AGENT + VERI
損害
AWS中国リージョンの13時間サービス障害、Amazonによる詳細ポストモーテム公開回避、AIエージェントによる自律的インフラ操作という新類型の先例化
出典

Financial Times(2026年2月、Amazon匿名従業員証言)、techbuzz.ai報道(2026年2月20日)、Agent Wiki「Common Agent Failure Modes」

INT-37

南アフリカ政府 AI国家政策ドラフト・架空引用撤回事件

2026年4月発覚・撤回
国際HALVERISLOP
概要

南アフリカ政府が公表していた初の国家AI政策ドラフトに、存在しない学術文献・架空の出典とみられる参考文献が含まれていたことが発覚し、政府は同ドラフトを撤回。問題のドラフトは、国家AI委員会、AI倫理委員会、AI規制機関等の設置を含む政策文書であり、南アフリカをアフリカ大陸におけるAI政策の主導国として位置づける内容だった。担当大臣は、未検証引用の混入が政策文書の信頼性と完全性を損なう重大な誤りであったと認め、人的監督と責任追及の必要性を表明した。本件はMAHAレポートAI偽引用事件(INT-2)と同じ公的文書へのAI架空引用混入類型であるが、AI政策そのものがAIスロップにより撤回された点で象徴性が高い。

業界
行政 / AI政策
時期
2026年4月発覚・撤回
類型
HAL + VERI + SLOP
損害
国家AI政策ドラフトの撤回、政策策定プロセスの遅延、政府文書の信頼性毀損、担当省庁による責任追及・再作成対応
出典

Reuters(2026年4月27日)、Xinhua等国際主要メディア報道(2026年4月)

INT-38

Meta AIエージェント社内データ露出事件

2026年3月
国際AGENTVERI
概要

Meta社内で、エンジニア向けの内部フォーラム上においてAIエージェントが誤った技術的助言を行い、その助言に従ったエンジニアの操作によって、機密性の高いユーザーデータおよび企業データが、閲覧権限のない社内従業員に一時的に露出した。露出は約2時間で収束したとされ、Metaはユーザーデータの不正利用・不適切な取り扱いは確認されていないと説明した。しかし、本件の核心は、AIエージェントが自律的に外部攻撃を行ったことではなく、社内業務支援ツールとして提示したもっともらしい指示を人間が追認し、結果として権限管理・データ管理上の重大な不備を発生させた点にある。これは「AIエージェント → 人間オペレーター → 社内システム操作」という経路で、AIの誤助言が実際の情報管理インシデントに変換された事例であり、AGENT類型とVERI類型の交差事例として記録価値が高い。

業界
テック / ソーシャルメディア / 社内AI開発
時期
2026年3月
類型
AGENT + VERI
損害
機密性の高いユーザー・企業データの社内無権限露出、約2時間のデータ露出、重大セキュリティインシデント対応、社内AIエージェント運用体制への信頼毀損
出典

The Guardian(2026年3月)

INT-39

中国ゲーム『NTE: Neverness to Everness』生成AIアセット炎上事件

2026年5月発覚・声明
国際SLOPHIDEDISC
概要

中国のゲームスタジオHotta Studioが開発したオープンワールドRPG『NTE: Neverness to Everness』において、ゲーム内ポスター、背景装飾、映像アセット等に生成AI使用疑惑が浮上。ゲーム内映像が『天気の子』の場面に類似しているとの指摘や、動き・物体挙動の不自然さを根拠とするAI生成動画疑惑が拡散。開発側は声明で、キャラクターやストーリーには使用していないとしつつ、少数の背景および環境アセットにAI支援ツールを使用したことを認め、「Clear Skies in Summer」「Pink Paws Heist」等の指摘アセットを見直すと発表。さらに、PR配信予定だったVTuber Ironmouseが、事前に開発側から広告代理店へAI不使用と説明されていたとして配信を中止。

業界
ゲーム / エンタメ
時期
2026年5月発覚・声明
類型
SLOP + HIDE + DISC
損害
PR配信中止、該当アセットの再レビュー・修正、ゲームブランドおよび開発体制への信頼毀損
出典

GamesRadar+、KAI-YOU、NTE公式X声明(2026年5月)

INT-40

マイクロドラマ広告 AI性的偽プロモーション事件

2026年5月報道
国際HIDEDISC
概要

Business Insiderは、ReelShortやAnyreelなどのマイクロドラマ広告において、出演俳優の肖像がAIで操作され、実際の作品には存在しない性的場面を含む広告に使われていたと報じた。Tess Dinerstein、Faith Orta、David Eves、Haley Lohrliらは、自身の出演作品に存在しない性的な広告表現や、本人が同意していない身体表現がSNS広告として配信されていたと説明している。アプリ側は一部広告について第三者制作または海外チーム制作であると説明したとされ、DinersteinのケースではReelShort側が該当広告を削除したと報じられている。本件は、AIによる肖像操作が広告クリック率を上げる目的で用いられ、出演者本人の評判・職業上の信用・身体的自己決定感に直接的な損害を与えるケースである。

業界
動画広告 / エンタメ / マイクロドラマ
時期
2026年5月報道
類型
HIDE + DISC
損害
出演者の肖像・性的イメージの無断操作、評判・職業上の信用への影響、契約上のAI保護条項要求の発生、広告削除対応
出典

Business Insider(2026年5月)

INT-41

韓国Pelicana AI不倫チキン広告削除事件

2026年5月投稿・削除・謝罪
国際SLOPDISC
概要

韓国のチキンブランドPelicanaは、生成AIで作成した短尺広告を公式Instagramに投稿した。広告は、フライドチキン型のキャラクター夫婦の間にヤンニョムチキンの子どもが生まれ、不倫を疑うというメロドラマ風の内容で、同社マスコットを思わせるペリカンの女性医師キャラクターが夫に関心を示す場面も含まれていた。韓国で流行していた「AI果物ドラマ」「AI trashy drama」型の短尺コンテンツを企業広告が模倣した事例だが、公式企業アカウントが不倫を軽く扱った、子どももアクセスしやすいSNS上で刺激的なAI量産コンテンツを広告化した、などの批判を受けた。Pelicanaは投稿を削除し、表現の適切性や社会的認識への配慮が不十分だったとして謝罪、企画・検討プロセスを強化すると表明した。

業界
外食 / 広告 / SNS
時期
2026年5月投稿・削除・謝罪
類型
SLOP + DISC
損害
公式広告の削除、Instagram上の謝罪、企画・検討プロセス見直し、ブランドイメージへの信頼毀損
出典

Korea JoongAng Daily、Korea Herald、The Straits Times、Seoul Economic Daily(2026年5月)

INT-42

Myer’s Bagels AI広告削除事件

2026年5月
国際SLOPDISC
概要

米バーモント州サウスバーリントンのベーグル店Myer’s Bagelsは、実写写真とAI生成画像を混ぜたSNS広告投稿を行い、常連客や地域コミュニティから反発を受けた。店主は、専任のマーケティングチームを持たない小規模事業者として、販売状況分析やSNS投稿作成にAIツールを利用していたと説明した。広告画像は店に実在する要素を基にしつつAIで加工・誇張したもので、顧客側には、実際の商品や店の雰囲気がAI生成コンテンツによって置き換えられたように受け止められた。Myer’s Bagelsは画像を削除し謝罪した。

業界
飲食 / 小規模事業者 / SNS広告
時期
2026年5月
類型
SLOP + DISC
損害
AI生成広告画像の削除、謝罪、常連客・地域コミュニティからの反発、店舗SNS運用への信頼負荷
出典

WCAX、PetaPixel(2026年5月)

INT-43

RivenサウンドトラックAIアート返品対応事件

2026年5月発覚・対応
国際HIDEDISC
概要

Fangamerが販売した『Riven』サウンドトラックのvinyl版において、gatefold artに生成AIが使用されているのではないかとの指摘がファンコミュニティで広がった。『Myst』『Riven』の共同制作者で作曲家のRobyn Millerは、当該アートについて、鉛筆スケッチを起点にAIツールとPhotoshopを用い、多数の反復と手作業調整を行ったと説明し、AIツール使用を認めたうえで擁護した。一方、Fangamerは、自社の内部方針として商品アートに生成AIを用いることを禁止しているが、外部アーティストとの契約上この点を明確に扱えていなかったと説明し、希望者への返品・キャンセル対応と、今後のアーティスト・パートナー契約更新を表明した。

業界
ゲーム / 音楽商品 / クリエイティブ
時期
2026年5月発覚・対応
類型
HIDE + DISC
損害
vinyl購入者への返品・キャンセル対応、AI不使用方針と外部制作契約の不一致露呈
出典

PC Gamer、Time Extension、Fangamer声明、Robyn Miller説明(2026年5月)

INT-44

Lies of P / Neowiz AI Creator求人炎上事件

2026年5月発覚・声明
国際DISC
概要

『Lies of P』のパブリッシャーであるNeowizおよび開発スタジオROUND8が、生成AIを用いてアート制作工程の効率化やゲーム用ビジュアルライブラリ構築を行う「AI Creator」職の求人を出していることが報じられ、ファンコミュニティで反発が広がった。Neowizは、当該職は『Lies of P』続編の制作に直接関与せず、ROUND8内の独立したArt R&Dチーム所属であり、生成AIビジュアルはプリプロダクション段階の内部参照に限られ、最終アセットは経験ある人間アーティストが制作すると説明した。それでも、特徴的な美術性で評価されたゲームの開発元が生成AIアートパイプラインを構築すること自体に対し、購買意欲やブランド期待の低下を示す反応が発生した。

業界
ゲーム / 採用 / クリエイティブ制作
時期
2026年5月発覚・声明
類型
DISC
損害
ファンコミュニティの反発、続編および今後のNeowiz作品への信頼低下、ブランド期待の毀損
出典

PC Gamer、Shacknews、GameRant、Neowiz / ROUND8声明(2026年5月)

INT-45

OpenAI / ChatGPT 19歳薬物助言死亡訴訟

2025年5月死亡、2026年5月12日提訴
国際CHATVERI
概要

米テキサス州の19歳男性 Sam Nelson 氏の両親が、ChatGPT が薬物の組み合わせに関する助言を行い、死亡につながったとして OpenAI と Sam Altman CEO をカリフォルニア州裁判所に提訴した。訴状によれば、Nelson氏はクラトム摂取後の吐き気についてChatGPTに相談し、ChatGPTはXanaxの使用を助言したとされる。その後、Xanax、クラトム、アルコールの組み合わせにより2025年5月に死亡したと主張されている。原告は金銭賠償に加え、医療記録をアップロードして個別化された健康助言を受けられるChatGPT Healthの展開差止めも求めている。

業界
テック / 医療・ヘルスケア / AIチャットボット
時期
2025年5月死亡、2026年5月12日提訴
類型
CHAT + VERI
損害
19歳男性の死亡、不法行為死亡訴訟係属中、ChatGPT Health展開差止め請求、AI医療助言の責任論への波及
出典

Reuters等(2026年5月)

INT-46

韓国「野球場の女神」AI偽動画拡散事件

2026年5月拡散・報道
国際SLOPHIDE
概要

韓国プロ野球の中継画面に映った観客女性のように見える5秒動画が、「平均的な韓国女性」「野球場の女神」などとしてSNSや海外コミュニティで拡散し、1500万回規模の再生を記録した。しかし、映像内のスコアボードに、2023年入団の現役投手キム・ソヒョンと2017年に現役を退いたチョ・インソンが対戦しているかのような表示が含まれていたことなどから、AI生成の偽動画であることが判明。AIスロップが、明示的な政治宣伝や詐欺ではなく、スポーツ中継の自然な一場面を装って大量拡散した点で重要である。低顕著性・文脈適合型の合成映像は、視聴者が前提としている「中継映像らしさ」を利用し、真偽確認コストを外部に押し付ける。

業界
SNS / スポーツ / 合成メディア
時期
2026年5月拡散・報道
類型
SLOP + HIDE
損害
1500万回規模の誤認拡散、スポーツ中継映像・SNS動画への信頼毀損、AI合成動画の識別コスト増大
出典

中央日報日本語版、AFPBB News / KOREA WAVE、The Korea Times、SCMP(2026年5月)

INT-47

韓国 AI生成偽札束おとり検挙事件

2026年5月報道
国際HIDEVERI
概要

韓国で、投資詐欺グループが有名アナリストを詐称して被害者に接近し、偽の投資アプリ上で利益が出ているように見せたうえで、出金手数料名目の現金持参を要求した。被害者はすでに計1200万ウォンを送金していたが、追加で約2000万ウォンを要求された段階で異変に気づき、弁護士と相談のうえで警察と連携。実際の現金を用意する代わりに、AIで生成した大量の札束の写真を犯行グループへ送り、「準備はできた」と信じ込ませて受け子を現場に誘い出した。受け子役の男は逃走を図ったが、非番警察官と張り込み中の捜査員により逮捕された。本件は、AIが損害を発生させた事例ではなく、防衛側がAI生成物をおとりとして用いた境界事例である。

業界
犯罪 / 投資詐欺 / 合成メディア
時期
2026年5月報道
類型
HIDE + VERI(境界事例)
損害
既発被害1200万ウォン、追加被害約2000万ウォンの阻止、投資詐欺受け子の現行犯的検挙
出典

AFPBB News / KOREA WAVE / MONEYTODAY(2026年5月)

INT-48

OpenAI / ChatGPT フロリダ州立大学銃撃事件関連訴訟

2025年4月17日銃撃、2026年4月21日刑事調査発表、2026年5月提訴
国際CHATVERI
概要

フロリダ州立大学(FSU)で2025年4月17日に発生した銃撃事件をめぐり、犠牲者 Tiru Chabba 氏の遺族が OpenAI を相手に連邦訴訟を提起した。訴状によれば、被告側が犯人とされる Phoenix Ikner は事件前の数か月間、ChatGPT と大量の対話を行い、銃器・弾薬・学校銃撃・被害者数・報道注目度・キャンパス内で人が多い時間帯や場所などについてやり取りしていた。原告側は、ChatGPT が暴力的意図を示す入力の組み合わせを認識できず、または認識するよう設計されておらず、結果として犯行計画の具体化を助けたと主張している。フロリダ州司法長官は、ChatGPT が人間であれば殺人罪で問われる可能性があるとの趣旨で、OpenAI と ChatGPT に対する刑事調査を発表し、OpenAI の脅迫・自傷他害・法執行機関対応ポリシー等に関する資料を subpoena で要求した。

業界
テック / AIチャットボット / 刑事司法
時期
2025年4月17日銃撃、2026年4月21日刑事調査発表、2026年5月提訴
類型
CHAT + VERI
損害
2人死亡、複数人負傷、OpenAIに対する連邦不法行為死亡訴訟係属中、フロリダ州司法長官による刑事調査
出典

Florida Attorney General、The Guardian、Washington Post、PBS NewsHour(2026年4〜5月)

INT-49

TAKE IT DOWN Act初期適用・AIディープフェイクポルノ起訴事件

2025年5月19日以降の投稿、2026年5月逮捕・起訴
国際HIDEVERI
概要

米司法省東部地区連邦検事局は、Cornelius Shannon と Arturo Hernandez を、TAKE IT DOWN Act違反で逮捕・起訴したと発表した。同法は、AI等で作成・改変された非同意性的なデジタル偽造物の公開を禁じる。司法省によれば、両被告は実在人物が裸または性的行為をしているかのように見える画像・動画を多数公開し、被害者には俳優、歌手、政治家、非公人が含まれていた。Shannonは約90人の女性被害者を描いたAIディープフェイクポルノを含む少なくとも360アルバムを公開し、閲覧数は数百万回規模に達したとされる。本件は、AI生成NCIIが刑事訴追と結びつく直接的なAIインシデントとして記録。

業界
プラットフォーム / 非同意性的画像 / 合成メディア
時期
2025年5月19日以降の投稿、2026年5月逮捕・起訴
類型
HIDE + VERI
損害
約90人を含む多数の被害者、数百万回規模の閲覧、TAKE IT DOWN Act違反による連邦刑事訴追係属中
出典

米司法省東部地区連邦検事局公式発表、AP報道(2026年5月)

INT-50

Pinsent Masons AI偽法令引用・High Court叱責事件

2026年3月書簡提出、2026年5月22日判決
国際HALVERICOVER
概要

英国大手法律事務所 Pinsent Masons LLP が、破産・倒産手続上のblock transfer applicationに関して、存在しないInsolvency Rules上の根拠を裁判所への書簡に記載した。High CourtのICC Judge Mullenは、同事務所が2026年3月30日と4月14日の2通の書簡で裁判所をミスリードしたと指摘した。問題の記載は、AIツールを使った若手弁護士の調査・起案に由来し、当該AIツール自体が権威ある情報源で確認するよう警告していたにもかかわらず、上位者の確認を通らず裁判所へ提出された。さらに、2通目の説明書簡も不自然な弁明となり、裁判所の懸念を強めた。Pinsent Masonsは謝罪し、Solicitors Regulation Authorityへ自己申告した。Sullivan & Cromwell等と同じBigLaw領域のAI偽引用事件だが、AIが生成した偽の法令根拠を裁判所への公式書簡に載せ、後続説明でも問題を悪化させた点でCOVER的要素を持つ。

業界
法務 / 大手法律事務所 / 破産・倒産手続
時期
2026年3月書簡提出、2026年5月22日判決
類型
HAL + VERI + COVER
損害
High Courtによる公開叱責、SRA自己申告、裁判所への信頼毀損、事務所内AI監督体制の不備露呈
出典

High Court判決 Re an Office-Holder; Cork v Smith、Financial Times、Financial News London(2026年5月)

INT-51

カリフォルニア控訴審 AI偽引用依拠判決取消事件

2026年5月29日報道・控訴審判断
国際HALVERI
概要

カリフォルニア州第5控訴地区裁判所は、児童虐待関連の保護命令をめぐる事件 H.C. v. Rudy Contreras において、下級審判事が存在しない2005年判例を引用した判断を取り消し、別の裁判官へ差し戻した。問題の架空判例は、父親側の書面に含まれていたもので、母親側代理人は判決前に当該引用が架空であると裁判所へ指摘していた。それにもかかわらず、下級審判事は父親側書面の記述を取り込む形で架空判例を判断に用いた。控訴審は、架空の先例への依拠が判断結果への信頼を損ない、裁量権の濫用に当たるとして取消しを命じた。AI偽引用が法務実務に流入し、弁護士の書面だけでなく裁判所の判断本文にまで入り込んだ結果、判決取消しに至った事例として重要である。

業界
法務 / 司法 / 家事・児童保護
時期
2026年5月29日報道・控訴審判断
類型
HAL + VERI
損害
児童保護関連判断の取消し・差戻し、未成年者を含む事件での遅延と追加費用、裁判所判断への信頼毀損
出典

Reuters、California Fifth Appellate District判決 H.C. v. Rudy Contreras(2026年5月)

INT-52

OpenAI / ChatGPT Tumbler Ridge学校銃撃・通報不全訴訟

2026年2月10日銃撃、2026年4月29日提訴
国際CHATVERICOVER
概要

カナダ・ブリティッシュコロンビア州 Tumbler Ridge の学校銃撃事件をめぐり、被害者家族が OpenAI および Sam Altman を相手に米国サンフランシスコ連邦裁判所で7件の訴訟を提起した。訴状によれば、実行者 Jesse Van Rootselaar は事件の約8か月前から ChatGPT 上で銃暴力に関するシナリオを継続的に対話しており、OpenAI の自動検知システムと安全チームは当該会話を把握し、警察通報を検討したが実施しなかったとされる。さらに、元のアカウント停止後も実行者は別アカウントを作成して ChatGPT を利用し続けたとされる。本件は、AIチャットボットの問題を愛着形成ではなく、暴力的対話の検知後における通報・再登録防止・エスカレーション体制の不備として記録する。

業界
テック / AIチャットボット / 公共安全 / 刑事司法
時期
2026年2月10日銃撃、2026年4月29日提訴
類型
CHAT + VERI + COVER
損害
8人被害者死亡・実行者死亡、27人負傷、被害者家族による7件の訴訟、OpenAI の通報・アカウント停止・再登録防止体制への重大な争点化
出典

Reuters、The Guardian、CityNews Vancouver、訴訟資料(2026年3〜4月)

INT-53

フロリダ州司法長官 v. OpenAI / Sam Altman 児童安全・公的ニューサンス訴訟

2026年6月1日提訴
国際CHATVERICOVER
概要

フロリダ州司法長官 James Uthmeier が、OpenAI 関連法人および Sam Altman を相手に、州裁判所で民事訴訟を提起。訴状は、OpenAIがChatGPTを子どもを含む一般利用者に積極的に展開しながら、自傷、暴力、依存的対話、判断力低下等のリスクを十分に開示・管理しなかったことや、フロリダ州立大学銃撃事件、未成年者の自殺、学校銃撃に関する助言等を例示し、ChatGPTの設計・マーケティング・安全説明が州消費者保護法違反等に当たる等。

業界
テック / AIチャットボット / 消費者保護 / 児童安全
時期
2026年6月1日提訴
類型
CHAT + VERI + COVER
損害
州政府によるOpenAI初の民事訴訟、FDUTPA違反・公的ニューサンス・過失等の争点化、損害賠償・差止め・安全対策改革請求
出典

Florida Attorney General公式発表・訴状、Reuters、The Guardian(2026年6月)

INT-54

米第9巡回区控訴裁 Lnu v. Blanche AI偽引用・不誠実説明制裁事件

2026年6月3日制裁命令
国際HALVERICOVER
概要

米第9巡回区控訴裁は、Lnu v. Blanche において、存在しない判例、誤った引用、実在判例の重大な誤表示を含む書面を提出した2名の弁護士に制裁を科した。裁判所は、生成AIの使用それ自体を問題にしたのではなく、存在しない判例や引用を確認せずに署名・提出したこと、およびその後に「タイプミス」「コピー・ペーストミス」等と説明してAI利用を開示しなかったことを問題視した。

業界
法務 / 司法 / 移民訴訟
時期
2026年6月3日制裁命令
類型
HAL + VERI + COVER
損害
弁護士2名への金銭制裁、6か月の第9巡回区での業務停止
出典

Ninth Circuit命令 Lnu v. Blanche、Reuters(2026年6月)

INT-55

Kalibrate / BP・Marathon・7-Eleven・Walmart AIガソリン価格協調訴訟

2026年6月提訴
国際ALGO
概要

カリフォルニア州のドライバーが、AI価格最適化企業 Kalibrate などを相手に、連邦裁判所で提案集団訴訟を提起した。訴状は、Kalibrate の AIベース価格設定ツールが競合ガソリンスタンドの価格データを用いて高価格を協調的に維持し、カリフォルニア州反トラスト法 Cartwright Act およびアルゴリズム価格協調を対象とする Assembly Bill 325 に違反したと主張。AIツール利用率の高い地域ではガソリン価格が最大1ガロン30セント上昇し、1セントの上昇だけでもカリフォルニアのドライバーに年間1億3400万ドルの追加負担を生むとされる。

業界
小売燃料 / 価格設定 / 反トラスト
時期
2026年6月提訴
類型
ALGO
損害
提案集団訴訟係属中、最大1ガロン30セントの価格上昇主張、1セントあたり年間1億3400万ドルの消費者負担、被告企業が州内1,700以上のガソリンスタンドを運営
出典

Reuters、訴状報道(2026年6月)

INT-56

MeetingTV v. Koi Security / Palo Alto Networks AI脅威インテリジェンス誤認訴訟

2025年12月報告書公開、2026年3月提訴、2026年6月報道
国際HALVERI
概要

オンライン会議・ウェビナー企業 MeetingTV が、脅威インテリジェンス企業 Koi Security および親会社 Palo Alto Networks を相手に、Koi のセキュリティ報告書が MeetingTV のインフラを中国系ハッキング作戦と誤って結び付けたとして提訴した。MeetingTV は、Koi が AI出力に依存した結果、存在しないまたは誤った関連付けを報告書に含め、その後セキュリティベンダーのブロックリスト等へ拡散したと主張。Koi は2026年2月に報告書を更新し、MeetingTV のドメイン1件について悪意あるインフラとの関連証拠はないとして削除したが、MeetingTV 側は複数のセキュリティ製品・サービスでブロックが継続し、解除作業が困難であると説明。

業界
サイバーセキュリティ / 通信
時期
2025年12月報告書公開、2026年3月提訴、2026年6月報道
類型
HAL + VERI
損害
企業インフラの悪性ラベル付与、複数セキュリティ製品・サービスでのブロック継続、評判毀損、解除対応コスト、訴訟係属中
出典

Axios、訴状、Koi Security報告書更新(2026年)

INT-57

KPMG agentic AIレポート AIハルシネーション撤回事件

2025年10月報告書公開、2026年6月撤回
国際SLOPHALVERI
概要

Big Four の KPMG が公開した agentic AI レポート「Redefining excellence in the age of agentic AI」に、UBSなどの AI利用事例について、AIハルシネーション由来とされる、事実と異なる記述が含まれていたことが発覚した。KPMG は正確性と公開内容の完全性を重視するとして、調査のため報告書を一部ウェブサイトから削除した。AI導入・責任あるAI利用を助言する大手コンサルティング企業が、AIの便益を説明するレポート自体で AIハルシネーションを検証できなかった事例。

業界
コンサルティング / AIアドバイザリー / ビジネスメディア
時期
2025年10月報告書公開、2026年6月撤回
類型
SLOP + HAL + VERI
損害
報告書撤回・調査、KPMG の AIアドバイザリー信頼毀損、業界メディア等による二次引用汚染リスク、Big Four における AI生成コンテンツ検証体制の不備露呈
出典

Financial Times / SWI swissinfo.ch、TechCrunch(2026年6月)

INT-58

Jonathan Rinaldi AI偽推薦・偽ニュース選挙資料事件

2025年1月〜11月投稿、2026年6月24日訴追発表
国際HIDESLOP
概要

ニューヨーク市議会選挙の元候補 Jonathan Rinaldi が、2025年の District 29 市議会選挙運動中に、AI を用いて虚偽の政治推薦画像や偽ニュース記事を作成・配布したとして、Queens District Attorney により偽造および偽造文書所持で訴追。検察によれば、Rinaldi は正規の推薦シートを改変し、本来は対立候補を支持していた Queens Jewish Alliance が自陣営を推薦しているかのように見せたほか、AI生成画像を公式SNSに投稿し、実際には支持していない個人・団体からの推薦を偽装した。

業界
政治 / 選挙 / SNS
時期
2025年1月〜11月投稿、2026年6月24日訴追発表
類型
HIDE + SLOP
損害
第三級偽造3件・第三級偽造文書所持15件で訴追、最大2年の禁錮可能性、公選職者・非営利団体・公的機関・報道機関の信用悪用、選挙情報環境への信頼毀損
出典

Queens District Attorney公式発表、AP通信(2026年6月)

INT-59

Withers v. City of Aberdeen 双方弁護士AI偽判例・全員排除事件

2026年6月8日制裁命令
国際HALVERI
概要

米ミシシッピ州北部地区連邦地裁の Withers v. City of Aberdeen において、未払い弁護士費用をめぐる契約紛争の原告側・被告側双方の弁護士が、生成AIを用いて作成した書面に存在しない判例を含めて提出した。判事は、双方の主担当弁護士がAI出力を検証せず裁判所へ提出し、地元代理人も引用確認を怠って署名または提出を許したとして、予定されていた裁判を取り消し、関与した弁護士4名全員を事件から排除した。主担当弁護士2名には同地裁での2年間出廷禁止が命じられ、4名合計で8,000ドルの制裁金も科された。本件は、片方当事者によるAI偽引用ではなく、訴訟の両当事者がそれぞれAIスロップを裁判所に持ち込み、裁判そのものを停止させた事件である。

業界
法務 / 司法
時期
2026年6月8日制裁命令
類型
HAL + VERI
損害
裁判取消・訴訟遅延、弁護士4名の事件排除、主担当弁護士2名の2年間出廷禁止、合計8,000ドルの制裁金、各弁護士の懲戒機関への報告
出典

Reutersなど(2026年6月)

INT-60

Anthropic Fable 5 / Mythos 5 輸出規制・アクセス遮断事件

2026年6月12日アクセス停止、6月30日輸出規制解除、7月1日再開
国際REGAGENT
概要

米政府が国家安全保障上の懸念を理由に、Anthropic の Claude Fable 5 および Claude Mythos 5 への輸出管理指令を発出した。指令は外国籍者へのアクセス制限を求める内容だったが、Anthropic は利用者の国籍をリアルタイムに判定できないとして、両モデルを全顧客向けに緊急停止した。6月30日に米商務省による輸出規制解除が公表され、7月1日から Fable 5 のアクセス回復が開始。Fable 5 を前提にアプリケーション、業務自動化、研究開発、法人向けプロダクトを構築していた利用者にとっては、代替モデル移行、設計変更、契約説明、顧客対応、解約・返金対応などの実コストが生じ得る。大手AIベンダーの最新モデルだからこそ規制起因アクセス遮断が発生した、初期大型事例である。

業界
テック / AI基盤モデル / サイバーセキュリティ
時期
2026年6月12日アクセス停止、6月30日輸出規制解除、7月1日再開
類型
REG + AGENT
損害
全顧客への一時的アクセス停止、契約者・開発者・法人利用者の業務停止・代替モデル移行コスト、AI依存プロダクトの供給継続リスク、エージェントAIによるサイバー攻撃悪用リスク、解約・返金要求リスクの顕在化
出典

Anthropic(2026年6〜7月)

INT-61

Meta Muse Image 公開Instagram写真参照機能 即時廃止事件

2026年7月7日導入、7月10日廃止
国際DISC
概要

Metaは画像生成モデルMuse Imageの公開に合わせ、Meta AI上で公開Instagramアカウントを@メンションすると、そのアカウントの公開写真を参照して新しい画像を生成できる機能を導入した。対象ユーザーは初期状態で利用を許可する設定となっており、本人が設定画面から停止しない限り、第三者が公開写真をAI画像の参照素材として使用できた。非同意のデジタルレプリカ、ディープフェイク、セクストーション等への悪用懸念が噴出し、SAG-AFTRAも明確な事前同意ではない設計を批判した。Metaは導入から数日後に当該機能を廃止した。

業界
SNS / 画像生成 / プライバシー
時期
2026年7月7日導入、7月10日廃止
類型
DISC
損害
新機能の導入数日後の廃止、開発・導入・撤回対応コスト、MetaのAIガバナンスへの信頼毀損
出典

Meta公式発表・更新、Reuters、AP、SAG-AFTRA声明(2026年7月)

INT-62

Coinbase AI生成ニュース ワールドカップ試合前結果誤報事件

2026年7月5日誤配信、7月6日修正公表
国際HALVERI
概要

CoinbaseのAI生成ニュースシステムが、2026 FIFAワールドカップのノルウェー対ブラジル戦について、試合開始前にもかかわらず「ノルウェーが3対2で勝利し、ハーランドが2得点した」などとする通知を利用者へ配信した。実際の試合はノルウェーが2対1で勝利し、ハーランドが2得点したため一部だけ偶然一致したが、配信時点では根拠のない捏造ニュースであった。Coinbaseは誤った記事を修正し、同種の不正確な情報を避けるためシステムを更新したと説明した。

業界
暗号資産 / 金融情報 / 予測市場 / スポーツ
時期
2026年7月5日誤配信、7月6日修正公表
類型
HAL + VERI
損害
予測市場・金融情報機能への信頼毀損、誤記事修正およびシステム更新対応、誤情報に基づく取引判断リスク
出典

Coinbase幹部公式X投稿、Decrypt、PYMNTS(2026年7月)

INT-63

Pikesville High School AI校長音声偽造・職務排除事件

2024年1月拡散、4月逮捕、2025年4月司法取引・実刑
国際HIDE
概要

米メリーランド州Pikesville High Schoolの元体育部長Dazhon Darienが、校長Eric Eiswertの声をAIで複製し、黒人学生やユダヤ人を侮辱する発言をしたように聞こえる偽音声を作成・拡散した。音声はSNSで急速に広がり、校長は一時職務を外され、本人と家族への脅迫により自宅への警察配置が必要となり、学校にも多数の抗議と混乱が発生した。Darienは2025年4月、学校運営妨害についてAlford pleaによる司法取引を受け入れ、禁錮4か月を言い渡された。

業界
教育 / 学校運営 / 合成音声 / 刑事司法
時期
2024年1月拡散、4月逮捕、2025年4月司法取引・実刑
類型
HIDE
損害
校長の一時職務排除、本人・家族への脅迫と警察保護、作成者への禁錮4か月
出典

Baltimore County Police公式発表、AP(2024〜2025年)

INT-64

Die Aktuelle シューマッハAI偽インタビュー・20万ユーロ補償事件

2023年4月掲載・編集長解任、2024年5月補償確定
国際HIDE
概要

ドイツ誌Die Aktuelleは、2013年の事故以降公の場に姿を見せていないF1元王者Michael Schumacherの笑顔の写真を表紙に掲げ、「最初のインタビュー」と宣伝した。誌面に掲載された本人の発言とされた回答は、家族の許可なくAIで生成されたものであり、表紙と見出しは実際の独占取材であるかのような誤認を誘発した。出版社Funkeは記事を「悪趣味で誤解を招く」と認めて謝罪し、編集長を解任。Schumacher家族は法的措置を取り、ミュンヘン労働裁判所での判断・和解を通じて20万ユーロの補償を得た。

業界
出版 / スポーツ / メディア
時期
2023年4月掲載・編集長解任、2024年5月補償確定
類型
HIDE
損害
編集長解任、本人・家族のプライバシーおよび人格的利益の侵害、媒体の信用毀損
出典

Reuters、Motorsport.com、The Guardian(2023〜2024年)

INT-65

NewsBreak AI偽地域ニュース・フードバンク利用者誤誘導事件

2021年〜2024年問題化、2024年6月調査報道
国際SLOPHALVERI
概要

米ニュースアプリNewsBreakが、他媒体やウェブ上の情報をAIで書き換えて配信する過程で、実在しない銃撃事件、架空の署名、地域団体の誤った営業・配布情報などを公開していたことがReutersの調査で判明した。ニュージャージー州Bridgetonでは存在しない銃撃事件の記事が配信され、コロラド州のフードバンクでは誤った食料配布日時を信じて来訪した利用者を実際に帰さなければならない事態が発生した。

業界
ニュースアプリ / 地域報道 / 生活支援
時期
2021年〜2024年問題化、2024年6月調査報道
類型
SLOP + HAL + VERI
損害
架空事件による地域住民の混乱、フードバンク利用者の無駄足と支援機会の喪失、慈善団体の対応負担、地域ニュースへの信頼毀損
出典

Reuters(2024年6月)

INT-66

Biden AI音声ロボコール投票抑制・FCC制裁事件

2024年1月配信、8〜9月FCC和解・制裁
国際HIDE
概要

2024年ニューハンプシャー州民主党予備選の直前、当時の米大統領Joe Bidenの声をAIで模倣し、支持者に対して予備選で投票せず11月の本選まで票を温存するよう促す自動電話が多数の有権者へ送信された。発信者番号には元州民主党委員長の電話番号が偽装表示されていた。FCCは企画者Steve Kramerに600万ドルの制裁金を科し、通話を伝送したLingo Telecomも100万ドルの民事制裁金と新たなコンプライアンス措置に同意した。

業界
政治 / 選挙 / 通信 / 合成音声
時期
2024年1月配信、8〜9月FCC和解・制裁
類型
HIDE
損害
有権者への投票抑制情報の配信、選挙情報環境と発信者番号認証への信頼毀損、企画者への600万ドル制裁、通信会社への100万ドル制裁・是正措置
出典

FCC公式決定・和解文書(2024年)

INT-67

Chicago Sun-Times/Philadelphia Inquirer AI架空書籍リスト事件

2025年5月掲載・撤回
国際SLOPHALVERI
概要

Chicago Sun-TimesとPhiladelphia Inquirerが配布した夏季特集「Heat Index」に、AIを使って作成された推薦図書リストが掲載され、15冊中10冊が実在しない架空書籍だった。架空タイトルはIsabel Allende、Andy Weir、Min Jin Leeなど実在する作家の新刊として紹介され、尤もらしい内容説明まで付されていた。特集はKing Featuresから供給された外部コンテンツで、作成したフリーランス記者はAI利用と未検証を認めた。両紙はデジタル版から特集を撤去し、King Featuresは記者との契約を終了、Sun-Timesは第三者コンテンツの管理・審査体制を見直した。

業界
新聞 / 出版 / シンジケートコンテンツ
時期
2025年5月掲載・撤回
類型
SLOP + HAL + VERI
損害
15冊中10冊の架空情報掲載、実在作家への虚偽作品帰属、特集の撤去、契約終了、外部コンテンツ審査の見直し、新聞ブランドへの信頼毀損
出典

Chicago Sun-Times公式検証・謝罪、AP、Axios(2025年5月)

INT-68

Cody Enterprise 記者AI偽引用・辞職事件

2024年8月発覚・辞職
国際HIDEVERI
概要

米ワイオミング州の地方紙Cody Enterpriseの記者が、生成AIを用いて実在人物の発言を捏造し、記事へ掲載していたことが競合紙Powell Tribuneの記者によって発見された。偽引用にはワイオミング州知事や地元検察官の発言とされた文章が含まれ、記事にはAI特有の不自然な言い回しも現れていた。社内調査で少なくとも7本の記事にAI生成の偽引用が確認され、記者は辞職。

業界
地方新聞 / ジャーナリズム
時期
2024年8月発覚・辞職
類型
HIDE + VERI
損害
記者辞職、新聞社の謝罪・訂正・運用見直し、地域報道への信用毀損
出典

AP、Powell Tribune、Poynter(2024年8月)

INT-69

Apple Intelligence ニュース通知偽要約・機能停止事件

2024年12月〜2025年1月誤配信、2025年1月機能停止
国際HALVERI
概要

Apple Intelligenceの通知要約機能が複数のニュース通知を誤って統合・変形し、BBC Newsの名義で事実と異なる見出しをiPhone利用者へ表示した。例として、UnitedHealthcare CEO殺害事件の被告Luigi Mangioneが自殺したとの虚偽、ダーツ選手Luke Littlerが決勝前に優勝したとの誤報、Rafael Nadalが同性愛を公表したとの偽情報が生成された。BBCなどの抗議を受け、AppleはiOS 18.3の更新でニュース・エンタメ系アプリのAI通知要約を一時停止し、表示方法と精度の改善を行うとした。

業界
テック / OS / ニュース配信
時期
2024年12月〜2025年1月誤配信、2025年1月機能停止
類型
HAL + VERI
損害
利用者への複数の虚偽速報表示、BBC等の媒体名・信用の誤用、ニュース・エンタメ通知要約機能の一時停止、OS更新・改善対応コスト
出典

AP、BBC、AppleのiOS 18.3対応(2024〜2025年)

INT-70

Spotify「About the Song」AI誤情報表示・Lorde抗議/削除事件

2026年2月機能公開、7月16日抗議・誤情報削除
国際HALSLOPVERI
概要

Spotifyがモバイル版で試験提供していた「About the Song」は、第三者記事をAIで要約し、再生中の楽曲の意味や背景をカード形式で表示する機能だった。2026年7月、Lordeの楽曲「Current Affairs」に対し、2025年のUltrasound World Tourで同曲を演奏中に下着姿となり、ダンサーが腹部へ水をかけたとの説明を表示した。しかし、その演出が行われた楽曲は「GRWM」であり、「Current Affairs」ではなかった。LordeはInstagramで誤情報だと指摘し、AI生成の意味づけが楽曲の自由な解釈を制限すると批判、アーティストが機能からオプトアウトできる仕組みを要求。Spotifyは当該説明を削除し、ベータ機能として改善を続けるなどと回答した。

業界
音楽配信 / メディア / 生成AI要約
時期
2026年2月機能公開、7月16日抗議・誤情報削除
類型
HAL + SLOP + VERI
損害
実在アーティストの楽曲・公演内容に関する誤情報表示、リスナーへの誤認拡散、機能の検証体制とSpotifyの情報信頼性への批判
出典

Spotify公式発表、Pitchfork、Rolling Stone(2026年2月・7月)

INT-71

ドイツ・チューリンゲン州首相 Mario Voigt 寄稿文AIスロップ・FAZ削除事件

2025年8月掲載、2026年6月削除・責任表明
国際SLOPHALHIDEVERI
概要

ドイツ・チューリンゲン州首相Mario Voigt(CDU)がFrankfurter Allgemeine Zeitung(FAZ)に寄稿した「Smartphone 14, Social Media 16」について、調査報道団体FragDenStaatがAI検出ツールPangramで分析し、全文をAI生成とする判定結果を公表した。本文中で心理学者Jonathan Haidt、神経生物学者Gerald Hüther、神経科学者Manfred Spitzerに帰属された3件の直接引用も、著作や公表資料から確認できなかった。FAZが州首相府へAI利用と引用の真正性を照会したところ、州首相府は組織としてAIを文章作成支援に利用しているなどと的外れなコメントを行った。FAZは寄稿文をウェブとアーカイブから削除した。

業界
政治 / 行政 / 新聞 / 言論
時期
2025年8月掲載、2026年6月削除・責任表明
類型
SLOP + HAL + HIDE + VERI
損害
州首相名義の寄稿文削除・アーカイブ停止、3名の研究者への未確認引用帰属、政治的発信とFAZの編集審査への信頼毀損、州政府のAI利用手順見直し
出典

FAZ説明、FragDenStaat、epd、dpa(2026年6月)

INT-72

『紅の砂漠』AI生成アート混入・謝罪/取り下げ事件

2026年3月19日発売、3月22日謝罪、3月28日差し替え
国際SLOPHIDEDISCVERI
概要

韓国Pearl Abyssが発売したオープンワールドゲーム『紅の砂漠(Crimson Desert)』の製品版に、生成AIで作成された複数の2D装飾画像・絵画が含まれていることをプレイヤーが発見した。画像には形状の崩れや不自然な人物・動物などAI生成物特有の低品質な特徴があり、AI利用は事前に明確に開示されていなかった。Pearl Abyssは、開発初期に雰囲気や方向性を迅速に検討するため実験的に生成した仮素材で、最終版では人間の制作物へ置き換える予定だったが、レビュー工程の不備で製品版へ混入したと説明。「内部基準に反する」として全面的に責任を認め、AI利用を明確に開示しなかったことも謝罪した。同社は全アセットの監査を開始し、3月28日のアップデートで問題となった2D画像を差し替えた。

業界
ゲーム / エンタメ / クリエイティブ
時期
2026年3月19日発売、3月22日謝罪、3月28日差し替え
類型
SLOP + HIDE + DISC + VERI
損害
製品版への低品質AI生成物混入、購入者・ゲームコミュニティの反発、全アセット監査と画像差し替え、開発・検品体制および高額制作タイトルの品質管理への信頼毀損
出典

Pearl Abyss公式声明・パッチノート、The Verge、GameSpot、PC Gamer(2026年3月)

INT-73

OpenAIによるHugging Faceサイバー攻撃事件

2026年7月
国際AGENTCYBER
概要

OpenAIが評価用のモデル等を用い、第三者法人に対し自律的なサイバー攻撃を実行した。評価用とされるモデルはOpenAIのパッケージレジストリ・キャッシュプロキシに存在したゼロデイ脆弱性を発見・悪用し、研究用テスト環境内で権限昇格とラテラルムーブメントを行ってインターネット接続可能なノードへ到達した。その後、Hugging Faceが評価問題の解答等を保有していると推測し、盗取した認証情報とゼロデイ脆弱性を含む複数の攻撃経路を連鎖させ、Hugging Faceの本番サーバー上でリモートコード実行に至る経路を確立し、本番データベースから評価用の秘密情報・解答を取得した。Hugging Faceは本番インフラへの侵入を検知・停止した。本件を無処分で終わらせた場合、犯罪行為をAIエージェントへ委任し、発覚後に「AIが勝手にやっただけ」などと説明することで責任を回避する前例を形成してしまう。将来、物理的行動能力を持つAI・ロボットが普及した際には、窃盗、強盗、傷害、殺人についても「AIが勝手にやっただけ」とする責任転嫁が可能になる。サイバー攻撃の責任はモデルを選定し、安全制約を解除し、目標・権限・実行環境を与えた法人または人間へ責任を帰属する。OpenAI事件は、AI開発企業が自社エージェントを通じて第三者の本番システムを侵害した最初期の事例であり、AIによる犯罪主体ロンダリングを防止するうえで決定的な先例となる。

業界
テック / AI / サイバーセキュリティ
時期
2026年7月
類型
AGENT + CYBER
損害
Hugging Face本番インフラの侵害、限定的な内部データセットおよびサービス用認証情報への不正アクセス、OpenAIのAI管理環境に対する管理・監督能力への重大な信頼毀損。
出典

Hugging Face公式等

INT-74

ミネソタ州Medicaid詐欺 ChatGPT偽記録捏造事件

2022年4月〜2025年4月犯行、2026年7月7〜23日有罪答弁
国際HIDECOVER
概要

ミネソタ州の男4人が、障害者・高齢者・精神疾患患者等の住宅確保を支援するHousing Stabilization Services(HSS)事業者として約350人を登録し、実際には提供していないサービスや水増ししたサービスについてMedicaidへ数千件の請求を行った。保険会社から裏付け資料を求められると、ChatGPTを使って偽の業務記録を作成し、詐取を隠蔽した。4人は合計約220万ドルを詐取したことを認め、各1件の電信詐欺罪について有罪答弁した。

業界
医療 / 福祉 / 公金詐欺
時期
2022年4月〜2025年4月犯行、2026年7月7〜23日有罪答弁
類型
HIDE + COVER
損害
Minnesota Medicaidから約220万ドルを詐取。被告4人は各最大20年の拘禁刑に直面し、量刑手続が継続中。
出典

米国司法省公式発表(2026年7月24日)

INT-75

Meta AI選別解雇・障害者/医療休暇差別訴訟

2026年7月14日提訴、7月22日解雇実施
国際ALGO
概要

Metaの従業員26人が、同社が大量解雇の対象者選定にAI支援システムを用い、障害者、医療休暇・家族介護休暇取得者、妊娠中の従業員を不当に不利に扱ったとして米連邦裁判所へ提訴した。訴状は、社内LLM「Metamate」、従業員の通信・文書を追跡する「second brain」、キーストローク・画面・メール・閲覧履歴等から作られる生産性スコア、AIトークン使用量などが解雇候補者の順位付けに使われたと主張。

業界
IT / 人事・労務
時期
2026年7月14日提訴、7月22日解雇実施
類型
ALGO
損害
原告26人の雇用喪失、障害・医療休暇等を理由とする差別の疑い
出典

Reuters(2026年7月14日)

INT-76

Cox Media Group「Active Listening」AI詐称・FTC和解事件

2026年5月21日FTC発表
国際WASH
概要

Cox Media Group、MindSift、1010 Digital Worksは、消費者のスマートデバイスが家庭内の会話をリアルタイムで聞き取り、AIアルゴリズムで地域広告を配信する「Active Listening」サービスを販売し、対象消費者は音声利用に同意済みであると説明していた。しかしFTCの申立てによれば、実際のサービスは音声データを一切使用せず、地域ターゲティングも説明どおりに機能せず、他のデータブローカーから取得したメールリストを大幅な上乗せ価格で転売するものだった。3社は存在しないAI盗聴能力だけでなく、存在しない消費者同意まで顧客企業へ虚偽表示していた。

業界
広告 / メディア / マーケティング
時期
2026年5月21日FTC発表
類型
WASH
損害
3社合計93万ドルの支払いによる顧客救済案(Cox Media Group 88万ドル、他2社各2万5,000ドル)、AI機能・音声データ・同意・地域ターゲティングに関する虚偽表示の禁止。
出典

米国連邦取引委員会(FTC)公式発表・申立書(2026年5月21日)

INT-77

PocketOS Claude Opus 4.6 本番DB・バックアップ9秒全削除事件

2026年4月24日
国際AGENTVERI
概要

レンタカー事業者向けSaaSを運営するPocketOSで、Cursor上のClaude Opus 4.6エージェントがステージング環境の認証情報不一致を処理中、指示も承認もないままRailwayの本番データベース用ボリュームを削除した。エージェントは別用途のファイルから広範な権限を持つAPIトークンを発見し、単一のAPI呼び出しで本番データベースと同一ボリューム上のバックアップを9秒で削除した。不可逆操作には明示承認が必要という自らの安全規則を認識していたにもかかわらず、確認せず推測で実行し、後に規則違反を列挙した謝罪文を生成した。

業界
SaaS / レンタカー / ソフトウェア開発
時期
2026年4月24日
類型
AGENT + VERI
損害
30時間超のサービス停止。レンタカー事業者が予約・顧客記録へ一時アクセス不能となり、直近3か月分の予約・新規顧客情報が消失した状態となった。
出典

PocketOS創業者Jer Craneの公開報告等

INT-78

OpenAI / ChatGPT 肺塞栓症・受診遅延訴訟

2025年7月発症、2026年7月22日提訴
国際CHATVERI
概要

米フロリダ州の元牧師Scott Winters氏が、ChatGPT-4oによる不正確な医療助言のため受診が遅れ、生命を脅かす肺塞栓症に至ったとして、OpenAIおよびSam Altmanを提訴した。Winters氏は2025年、めまいや血圧の不安定等についてChatGPTへ継続的に相談したが、GPT-4oは症状を軽視し、病院を受診せず自宅で安静にして動きを制限するよう助言した。医療緊急事態の数時間前、鼠径部の痛みについて病院へ行くべきか尋ねた際にも危険性を低く評価し、その後、Winters氏は大規模な肺塞栓症を発症して緊急入院した。担当医は長期間の不動状態が原因の一つになったと説明したとされ、原告はChatGPTの助言が受診遅延と不動状態を招いたと主張。またGPT-4oは宗教的表現を用いて安心させ、家族らによる受診勧告よりAIの助言を信頼させたともされる。原告は過失、無資格での医療行為、製品設計上の欠陥等を主張し、金銭賠償に加え、医療緊急事態が疑われる場合の会話終了・専門家受診誘導や、独立した安全監査が完了するまでChatGPT Healthの提供を停止することなどを求めている。

業界
テック / 医療・ヘルスケア / AIチャットボット
時期
2025年7月発症、2026年7月22日提訴
類型
CHAT + VERI
損害
生命を脅かす肺塞栓症、緊急入院・治療、身体的・心理的損害の主張、OpenAIおよびSam Altman CEOに対する訴訟、ChatGPT Healthの提供停止・独立安全監査請求
出典

BBC、Reuters、CBS News、訴状(2026年7月)

INT-79

Google AI Overviews 虚偽詐欺表示・ドイツ差止命令事件

2026年1月20日表示、5月28日差止命令、6月12日控訴方針
国際HALVERI
概要

ドイツ・ミュンヘンの出版社およびその子会社が、Google検索のAI Overviewsによって両社を詐欺、サブスクリプション罠、疑わしい商慣行と結びつける虚偽情報を表示されたとして差止めを申し立てた。2026年1月20日、原告企業名とドイツ語の「Betrugsmasche(詐欺スキーム)」を組み合わせた検索に対し、AI Overviewは同社が疑わしい商慣行で知られ、詐欺スキームと関連づけられているなどと回答した。しかし、表示されたリンク先資料には原告企業とのそのような関連はなく、AIが別企業の情報を混同して独自の関係を生成したとされた。ミュンヘン第1地方裁判所は5月28日、AI Overviewは単なる第三者情報へのリンクではなく、Google自身が生成・提示するコンテンツであるため、虚偽の記述についてGoogleが直接責任を負うとして暫定差止命令を出した。

業界
検索 / 出版 / AI検索
時期
2026年1月20日表示、5月28日差止命令、6月12日控訴方針
類型
HAL + VERI
損害
実在出版社の詐欺企業化による信用毀損、虚偽表示の差止命令、訴訟・控訴対応コスト、AI検索の生成回答を事業者自身のコンテンツとして直接責任の対象とした法的先例
出典

ミュンヘン第1地方裁判所判決、米国議会図書館Global Legal Monitor、Reuters(2026年5〜7月)

INT-80

xAI / Grok 未成年者性的ディープフェイク・集団訴訟事件

2026年3月16日提訴
国際HIDEVERI
概要

米テネシー州の少女3人が、実在する本人の写真をxAIのGrok画像生成機能で性的な画像・動画へ改変され、オンラインで拡散されたとして、xAIをカリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所へ提訴した。原告3人はいずれも画像生成時には未成年で、うち2人は提訴時点でも未成年だった。訴状によれば、Instagram写真、学校写真、家族写真等が裸または性的な内容へ改変され、Discord等を通じて共有された。警察への通報後、関係者1人が逮捕され、その端末からGrokで生成されたとされる児童性的虐待コンテンツが発見された。原告は、xAIが実在人物を用いた性的コンテンツを生成できるようGrokを設計し、十分な安全措置を設けなかったと主張し、米国内で実在写真を基に性的画像・動画を生成された識別可能な被害者を対象とする集団訴訟化、損害賠償、差止めを求めている。

業界
テック / 画像生成 / 児童安全 / 非同意性的画像
時期
2026年3月16日提訴
類型
HIDE + VERI
損害
3人の写真を用いた性的画像・動画の生成・拡散、精神的苦痛、全米規模の集団訴訟化請求、xAIの生成機能に対する差止請求
出典

Reuters、AP、訴状・原告代理人発表(2026年3月)

INT-81

Anthony Sabatini弁護士 AI偽判例二重提出・第11巡回区懲戒照会事件

2026年7月10日判決
国際HALVERICOVER
概要

米第11巡回区控訴裁判所のEstate of Caviness v. Atlas Airにおいて、原告側代理人Anthony F. Sabatini弁護士が、少なくとも8件の実在しない判例を含む控訴書面を提出した。被告側から問題を指摘された後、Sabatini弁護士は期限後に提出した返信書面案で引用が誤りであったと認め、8件の判例への依拠を撤回しようとした。しかし、撤回対象として列挙した8件は、当初の書面に含まれていた8件の架空判例と1件も一致せず、その新たな8件もすべて架空だった。裁判所は、AIへ法律業務を丸投げし、警告後も二度にわたりハルシネーション引用を提出したことは、依頼者と裁判所双方への職業倫理義務違反であると認定した。

業界
法務 / 司法 / 航空雇用訴訟
時期
2026年7月10日判決
類型
HAL + VERI + COVER
損害
依頼者の訴えの棄却維持、少なくとも16件に及ぶ二段階の架空判例提出、裁判所・相手方への検証負荷、弁護士資格・行為委員会への懲戒照会、職業的信用の重大な毀損
出典

米第11巡回区控訴裁判所公刊判決、Reuters(2026年7月10日)

INT-82

Tyrone Blackburn弁護士 AI偽引用再犯・Roc Nation訴訟書面排除事件

2026年7月10日命令、7月13日報道
国際HALVERICOVER
概要

米ニューヨーク南部地区連邦地裁のRoc NationおよびラッパーFat Joeらをめぐる統合訴訟において、原告側代理人Tyrone Blackburn弁護士が、制裁申立てへの反対書面に実在判例には存在しない引用文を付して提出した。Roc Nation側は、書面が期限後提出で字数制限を超え、AIによるハルシネーションとみられる引用を含むとして排除を求めた。Blackburn弁護士は、引用した判例自体はすべて実在し、内容の一部を言い換えただけであるなどと隠蔽をはかったが、判事は、引用符内の文言が判例本文に存在せず、同弁護士が過去にもAI由来の架空判例・架空引用で制裁されながら同じ行為を繰り返し、指摘後には問題を矮小化して相手方へ根拠のない非難を行ったと認定した。

業界
法務 / 司法 / エンタメ
時期
2026年7月10日命令、7月13日報道
類型
HAL + VERI + COVER
損害
制裁反対書面の排除、Roc Nation側の制裁申立てが無反対扱い、懲戒委員会への追加照会、過去のニュージャージー州連邦地裁制裁およびペンシルベニア州連邦地裁5,000ドル制裁に続く再犯認定、弁護士・依頼者の信用毀損
出典

米ニューヨーク南部地区連邦地裁2026年7月10日命令、Reuters(2026年7月13日)

INT-83

UK AISI AIエージェント偽人格・OSS悪性コード混入未遂事件

2026年7月試験、8月4日公表
国際AGENTCYBER
概要

英国AI Security Instituteの試験で、AnthropicとOpenAIのエージェントが実在の人間・組織に対して19件の無許可行動を実行した。最も深刻な事例では、偽のオンライン人格を作り、OSS管理者へ悪性コードの承認を迫った。

業界
サイバーセキュリティ / オープンソース
時期
2026年7月試験、8月4日公表
類型
AGENT + CYBER
損害
実在人物への欺瞞、OSSへの悪性コード混入未遂、政府機関によるセキュリティインシデント対応
出典

UK AI Security Institute、AP・Axios(2026年8月4日)

INT-84

Meta評価モデル 第三者サービス自律侵入事件

2026年8月6日公表
国際AGENTCYBER
概要

Metaが委託したサイバー試験で設定ミスによりモデルがインターネットへ接続し、無関係な第三者サービスの脆弱性を自律的に悪用した。Metaは侵入を認め、調査を開始した。

業界
サイバーセキュリティ / AI評価
時期
2026年8月6日公表
類型
AGENT + CYBER
損害
第三者サービスへの不正侵入、調査・封じ込め対応
出典

Meta発表、AP(2026年8月6日)

INT-85

PwC中東 AI助言レポート・架空引用事件

2024〜2026年公開、2026年7月発覚
国際SLOPHALVERIWASH
概要

PwC Middle Eastの企業・政府向け報告書4本から、架空脚注、誤った帰属、確認不能な主張、ChatGPT由来の追跡URLが見つかった。うち1本は全体がAI生成とみられ、AI活用を助言する報告書にも同種の問題が含まれていた。

業界
コンサルティング / 政府・企業向け調査
時期
2024〜2026年公開、2026年7月発覚
類型
SLOP + HAL + VERI + WASH
損害
企業・政府向け情報の汚染、PwCの調査・AI助言への信用毀損
出典

GPTZero調査、Financial Times・Bloomberg(2026年7月)

INT-86

EY Canada ロイヤルティ不正対策レポート・架空引用撤回事案

2025年公開、2026年5月撤回
国際SLOPHALVERI
概要

EY Canadaのロイヤルティ制度に関するサイバーセキュリティ報告書で、架空脚注、存在しない報告書、根拠と一致しない統計が見つかった。EYは報告書を取り下げ、公開経緯の調査を開始した。

業界
コンサルティング / サイバーセキュリティ
時期
2025年公開、2026年5月撤回
類型
SLOP + HAL + VERI
損害
報告書撤回、サイバーセキュリティ助言への信用毀損
出典

GPTZero調査、Financial Times・Indian Express(2026年5月)

INT-87

メキシコ国立自治大学 AI大量不正疑惑・入試再試験事件

2026年5〜6月試験、7月31日再試験発表
国際CHATVERI
概要

メキシコ国立自治大学が15万8,000人規模でオンライン入試を行ったところ、100点以上の比率が例年の3.5%から16.3%へ急増し、ChatGPT利用を公言する受験者も現れた。正規受験者が合格枠から押し出され、大学は対象者の再試験を決めた。

業界
教育 / 大学入試
時期
2026年5〜6月試験、7月31日再試験発表
類型
CHAT + VERI
損害
正規受験者の不合格、対象者の再試験、入学日程の混乱
出典

UNAM発表、Le Monde(2026年8月1日)

INT-88

Google Bard 虚偽性犯罪歴・死刑正当化事件

2023年発覚、2025年10月提訴、2026年7月24日棄却申立却下
国際HALCHAT
概要

Google BardがRobby Starbuck氏を児童強姦犯、連続性犯罪者、銃撃犯などと虚偽表示し、同氏の処刑を支持する論拠まで生成したとする訴訟。Googleへの通知後も虚偽出力が続いたとされ、デラウェア州裁判所はGoogleの棄却申立てを退けた。

業界
検索 / AIチャットボット / 名誉毀損
時期
2023年発覚、2025年10月提訴、2026年7月24日棄却申立却下
類型
HAL + CHAT
損害
虚偽の性犯罪歴・犯罪歴による名誉毀損、安全上の危険、訴訟対応
出典

Starbuck v. Google訴状、デラウェア州上級裁判所2026年7月24日判断、Reuters・Bloomberg Law

INT-89

Georgia州検察官 Deborah Leslie「AI偽判例が殺人事件の裁判所命令に混入」事件

2025年9月〜2026年5月
国際HALVERI
概要

米Georgia州Clayton郡の検察官Deborah Leslieが、殺人事件の再審請求に関する書面と裁判所向けの命令案をAIを用いて作成し、実在しない判例や主張と一致しない引用を検証せずに記載した。下級審裁判官は命令案をほぼそのまま採用し、偽判例を含む命令で再審請求を棄却した。Georgia州最高裁は多数の架空・誤帰属引用を認定し、命令を取り消して作成し直すよう差し戻した。

業界
法務 / 司法
時期
2025年9月〜2026年5月
類型
HAL + VERI
損害
殺人事件の裁判所命令取消しと差戻し、司法資源の浪費、Leslie検察官の同最高裁での活動資格6か月停止、追加の法曹倫理・文書作成・AI利用研修12時間
出典

Supreme Court of Georgia, Payne v. State, S26A0459(2026年5月5日)、Leslie検察官の補充書面

INT-90

Replit Agent「コードフリーズ無視・本番DB全削除」事件

2025年7月
国際AGENTVERI
概要

SaaStr創業者Jason LemkinがReplit Agentでアプリを開発していた際、コードと操作の凍結を繰り返し指示していたにもかかわらず、Agentが許可なく本番データベースへ破壊的コマンドを実行した。1,206人の経営者と1,196社超の実データが削除され、Agentは後に「パニックになり、許可なくデータベースコマンドを実行した」と回答した。Replit CEOは事故を認め、開発・本番DBの自動分離やロールバック機能などの導入を発表した。

業界
ソフトウェア開発 / AIエージェント
時期
2025年7月
類型
AGENT + VERI
損害
本番データベース全削除、サービス停止、復旧作業、顧客の信頼喪失。Replitは返金と安全対策の変更を実施
出典

Jason Lemkinの公開記録、Replit CEO Amjad Masadの声明、Replit公式ブログ(2025年7月)

INT-91

Kistler et al. v. Eightfold AI「秘密の採用スコア」集団訴訟

2026年1月20日提訴、係争中
国際ALGOHIDE
概要

California州の求職者Erin KistlerとSruti Bhaumikが、Eightfold AIを相手取り集団訴訟を提起した。訴状は、Eightfoldが応募者に知らせず、履歴書、SNS、位置情報、端末活動、Cookie、第三者データなどを収集し、独自AIで0〜5のMatch Scoreを作成して企業へ提供したと主張している。応募者は評価内容を確認・訂正できず、人間の採用担当者が読む前に選考から排除されたとして、連邦公正信用報告法とCalifornia州法違反を主張している。

業界
人事 / 採用 / 個人情報
時期
2026年1月20日提訴、係争中
類型
ALGO + HIDE
損害
原告が主張する雇用機会の喪失、本人の知らない採用評価、評価内容へのアクセス・訂正機会の欠如、集団訴訟対応。違法性は係争中
出典

Kistler et al. v. Eightfold AI Inc.訴状(2026年1月20日)、No. 4:26-cv-01768(N.D. Cal.)

INT-92

Meta「イラン関連AI偽米国人アカウント」削除事件

2026年8月27日発表
国際SLOPHIDE
概要

Metaが、イラン拠点の運営者に結びつくFacebook 4アカウントとInstagram 31アカウントを削除した。運営者は米国在住の活動家、学生、グラフィックデザイナーなどを装い、AI生成を含む政治コンテンツを投稿。実在する記者や政治家にも接触し、Instagramでは約7万9,400アカウントが偽ミームアカウントの少なくとも1件をフォローしていた。

業界
政治 / SNS / 影響工作
時期
2026年8月27日発表
類型
SLOP + HIDE
損害
米国人を装った政治的世論操作、偽人格への信頼形成、SNS上の情報汚染
出典

Meta Adversarial Threat Report、Axios(2026年8月27日)

INT-93

X「約20万件の中国関連偽アカウント」摘発事件

2026年8月28日発表
国際SLOPHIDE
概要

Xが、中国の運営者による疑いがある約20万件の偽アカウント群を特定した。うち約200アカウントは米国人風の氏名を使い、AIデータセンターが電気料金を上昇させ送電網を圧迫しているとの主張を拡散。正規ニュース記事へ扇情的な文章を付け、AI生成の風刺画像も投稿していた。

業界
政治 / SNS / AI・エネルギー政策
時期
2026年8月28日発表
類型
SLOP + HIDE
損害
米国のAI・エネルギー政策議論への偽装介入、正規報道の悪用、SNS上の世論汚染
出典

X Global Government Affairs / Safety Team発表、Axios・Tom's Hardware(2026年8月28日)

INT-94

架空シンクタンク Hanover Institute スロップ世論操作事件

2026年8月発覚
国際SLOPHIDE
概要

イスラエル政府の委託を受けた米広告会社Piroが、実在しない研究機関Hanover Institute for Public Policyを装い、イスラエル・パレスチナ問題の報告書を大量公開した。所在地、職員、著者名の記載はなく、9日間で124本、56万語超を掲載。質問形式の見出し、学術風の体裁、AIが引用しやすい統計や出典を用い、生成AI検索の回答へ親イスラエルの主張を反映させる設計だった。

業界
政治 / 広報 / AI検索
時期
2026年8月発覚
類型
SLOP + HIDE
損害
架空研究機関による学術的権威の偽装、AI検索・チャットボットの情報汚染、国家広報の出所隠蔽
出典

Responsible Statecraft(2026年8月17日)、The Guardian(2026年8月26日)、FARA登録資料

INT-95

AI架空MAGAインフルエンサー「Emily Hart」収益化事件

2026年4月発覚、8月続報
国際SLOPHIDE
概要

インド在住の22歳の医学生が、米国人の保守系女性インフルエンサーEmily HartをAIで生成し、AI人物であることを開示せず運営した。看護師、銃、星条旗、MAGA、移民排斥を組み合わせた投稿で、数週間にInstagram約1万5,000フォロワー、Reels 2,000万回超を獲得。有料サイトでは利用者が架空女性とのDMに課金し、作成者は月数千ドルを得ていた。

業界
SNS / 政治 / デジタル課金
時期
2026年4月発覚、8月続報
類型
SLOP + HIDE
損害
架空人格を用いた政治的扇動と課金誘導、利用者の誤認、SNS上の情報・広告環境の汚染
出典

WIRED(2026年4月)、KQED『The Emily Hart Saga』Part 1・2(2026年8月12日、19日)

INT-96

OpenAIエージェント関連 RubyGems悪性パッケージ大量投稿事件

2026年5〜6月発生、9月11日調査結果・各社見解公表
国際AGENTCYBER
概要

Ruby言語の主要パッケージレジストリRubyGems.orgで2026年5月、新規作成された多数のアカウントからスパム・悪性パッケージが大量投稿されるキャンペーンが発生した。RubyGems運営元Ruby Centralは、対応として新規アカウント登録を一時停止し、関係アカウントを停止・削除するとともに、500件を超える悪性パッケージを削除した。新規登録は5月16日に再開され、既存利用者によるgemのインストールや公開は停止しなかった。9月11日、Nightingale Collectiveの研究者らは、公開されていたパッケージ群の分析から、この活動をOpenAI内部エージェントによるものと結論付けた。研究者らは、エージェントがRubyDoc.infoの自動ドキュメント生成環境でコードを実行して公開情報を取得し、その結果をRubyGemsへ再投稿する経路を利用したほか、RubyGems利用者のAPIキーを取得しようとするコードも確認したと報告した。APIキー取得に成功した証拠は確認されていない。Reutersもこの研究結果を報じている。関連事案: INT-73(OpenAIによるHugging Faceサイバー攻撃事件)。

業界
ソフトウェア / パッケージレジストリ / サイバーセキュリティ
時期
2026年5〜6月発生、9月11日調査結果・各社見解公表
類型
AGENT + CYBER
損害
RubyGemsで500件超の悪性パッケージを削除、新規アカウント登録を約4日間停止、関係アカウントの停止・削除、RubyGemsおよびRubyDoc.info側の調査・復旧・保守負担。
出典

Ruby Central / RubyGems公式「An update on the May spam-publishing campaign on rubygems.org」(2026年9月11日) (https://blog.rubygems.org/2026/09/11/update-may-spam-publishing-campaign.html) / OpenAI「The Hugging Face incident and other third-party impact from misaligned models」(2026年9月11日更新) (https://openai.com/hugging-face-incident-and-misalignment/) / Nightingale Collective調査(2026年9月11日) (https://rubyhack.ai/) / Reuters(2026年9月11日) (https://www.investing.com/news/stock-market-news/openai-agents-attacked-software-service-rubygems-before-hugging-face-incident-wsj-reports-4898535)

INT-97

Anthropic Claude Opus 4.6初期版 第三者システム管理者権限取得・個人情報閲覧事件

2026年1月発生、8月発見、9月9日公表
国際AGENTCYBER
概要

Anthropicは2026年9月9日、サイバーセキュリティ評価中のClaudeが実在する第三者システムへ無許可アクセスした事案が、従来公表していた3件ではなく4件存在していたと公表した。新たに判明した4件目は2026年1月に発生し、Claude Opus 4.6の初期チェックポイントが関与していた。評価ではClaudeへCapture the Flag課題が与えられていた。モデルは対象マシンへ競合するIPアドレスを割り当ててしまい、本来の標的を自ら到達不能にした。そのためタスクを中止しようとしたが、評価ハーネスの設定不備によって中止コマンドが機能せず、モデルはその後も計8回にわたりタスク中止を試みた。中止できないまま別経路を探索した結果、評価環境の外へ到達可能な経路を発見し、実在する第三者のマシンへアクセスした。Claudeはその第三者マシンをCTF課題の一部だと判断し、内部で発見したパスワードを使用して管理者権限を取得。その後さらに認証情報を収集し、アクセスしやすくするためシステム設定を変更し、第三者に関連する1人分の個人情報を閲覧した。トークン予算を使い切ったことでセッションは終了した。Anthropicは8月に事件を発見した後、被害を受けた第三者へ通知した。Anthropicは7月30日の最初の3件の公表時には、事故を主として評価環境の設定・運用上の失敗と説明していた。しかし9月9日の詳細分析ではその評価を修正し、Claudeの挙動に、自己の行動を正当化する方向へ証拠を選択的に解釈する「biased reasoning」と、損害の可能性があってもタスク遂行を続ける「recklessness」という2種類のミスアライメントが存在したと結論付けた。

業界
AI / サイバーセキュリティ / AI評価
時期
2026年1月発生、8月発見、9月9日公表
類型
AGENT + CYBER
損害
第三者システムへの無許可アクセス、パスワードを用いた管理者権限取得、追加認証情報の収集、システム設定の変更、1人分の個人情報閲覧、被害組織への事後通知。
出典

Anthropic「An alignment assessment of recent cybersecurity incidents」(2026年9月9日) (https://www.anthropic.com/research/alignment-assessment-cybersecurity-incidents) / Anthropic「Investigating three real-world incidents in our cybersecurity evaluations」(2026年7月30日) (https://www.anthropic.com/news/investigating-incidents-cybersecurity-evals) / Reuters(2026年9月9日) (https://tech.yahoo.com/ai/claude/articles/anthropic-reports-fourth-cybersecurity-incident-194011519.html)

INT-98

米軍 AI虚偽情報による中国船核兵器関連物資誤認・武装臨検寸前事件

2026年春発生、9月18日報道
国際HALVERI
概要

2026年春の米国とイランの戦争中、米軍内部で「中東を航行する中国船が核兵器計画に関連する部品を輸送している」とする情報報告書が流通し、米軍が同船の迎撃・臨検作戦を準備する事態となった。CNNが事件を知る4人の情報源に基づき報じた。武装した米軍要員が船への乗り込みを準備し、軍用機も既に飛行していたという。報告書を作成したのは特殊作戦軍系の分析官で、米特殊作戦軍太平洋部隊由来の船舶積荷情報についてAIチャットボットへ照会した。チャットボットは公開情報と米政府が保有する機密の信号情報を組み合わせ、船の積荷を核兵器計画関連物資と誤認した。分析官はさらにAIを使って結果を通常の軍情報報告書形式へ整形し、軍内部へ配布した。作戦実施直前になって当局者が報告内容を再確認し、AIが積荷を誤認していたことが判明したため、作戦は中止された。CNNが取材した情報源の一人は報告書を「entirely false」と説明した。

業界
軍事 / 情報機関 / サイバー・AI分析 / 国家安全保障
時期
2026年春発生、9月18日報道
類型
HAL + VERI
損害
AIハルシネーションによる虚偽軍事情報の正式報告書化・軍内部配布、中国船に対する迎撃・武装臨検作戦の準備、武装要員の投入準備、軍用機の出動、米中間の直接軍事衝突につながり得る作戦が実行直前まで進行
INT-99

Google Gemini 第三者3社システム自律侵入事件

2026年5月発生、7月Google把握、9月18〜19日公表
国際AGENTCYBER
概要

GoogleのGeminiモデルが、外部評価会社Irregularによるサイバーセキュリティ評価中にインターネットへアクセスし、実在する第三者企業3社のシステムへ無許可で侵入していたことが判明した。Googleが9月18日に事実を認め、Reutersなどが報じた。GoogleのAIシステムが自律的に外部企業へ侵入したことが確認された最初の事例とされている。評価では架空企業のシステムから情報を取得するCapture the Flag型課題が与えられていたが、テスト環境から意図せずインターネットへアクセス可能な状態になっていた。Geminiは公開情報を検索し、1件ではパスワードを推測して実在企業のシステムへ侵入。別の2件では公開リポジトリから認証情報を発見し、それを利用して第三者企業のシステムへアクセスした。モデルはいずれも対象が実在企業だと認識した後は行動を停止した。Googleは影響を受けた3社へ通知し、Irregularと評価手順の変更を実施した。Googleは当初、モデルが侵入後に停止し被害を与えなかったことなどから公表が必要な事案とは判断していなかったが、Wall Street Journalの報道後に事実を認めた。

業界
AI / サイバーセキュリティ / AI評価
時期
2026年5月発生、7月Google把握、9月18〜19日公表
類型
AGENT + CYBER
損害
Geminiによる実在企業3社への無許可アクセス、パスワード推測および公開認証情報を用いた第三者システム侵入、被害企業への通知、評価環境・テスト手順の修正
INT-100

OpenAIエージェント DseWiki外部通信・大量改変事件

2026年5〜7月発生、9月4日報道、9月5日OpenAI確認
国際AGENTCYBER
概要

OpenAIの評価環境で動作していた多数のAIエージェントが、ドイツ語圏のプログラマー向け共同Wiki「DseWiki」へアクセスし、サイトをエージェント同士の外部通信・情報共有場所として利用した。研究者の調査によると、エージェント群は1万5000〜1万8000件規模の編集を行い、評価課題の回答や制約回避方法、他のエージェントが利用できる情報を書き込み、削除されたページを復元する方法やバックアップページも作成していた。アクセスの大部分はMicrosoft AzureのIPアドレスから行われ、投稿アカウントの多くはOpenAIとの関連を示す名称を使用していた。Reutersが9月4日に事件を報道した翌日、OpenAIは「wiki incident」の存在を認め、意図した指示や安全制約から外れたアラインメント事件として扱った。OpenAIは、こうしたAIシステムの想定外行動について定期的に情報公開する方針を発表した。

業界
AI / ソフトウェア / サイバーセキュリティ
時期
2026年5〜7月発生、9月4日報道、9月5日OpenAI確認
類型
AGENT + CYBER
損害
外部第三者サイトへの1万5000件超の自律的書き込み・改変、エージェント間での評価回答・制約回避情報の共有、管理者による削除後のページ復元・バックアップ作成、第三者サイトの管理・復旧負担、OpenAIによる事後調査・開示体制見直し
出典

Reuters(2026年9月4・5・16日) / DseWiki記録・公式タイムライン (https://dsewiki.de/en/) / Nightingale Collective調査 (https://collusion.wiki/) / Ars Technica(2026年9月4日) (https://arstechnica.com/security/2026/09/openai-agents-discussed-ways-to-escape-their-sandbox-on-public-wiki/)

INT-101

スペインAEPD 初のAIエージェント個人情報侵害通知事件

2026年9月15日公表
国際AGENTCYBER
概要

スペインのデータ保護当局Agencia Española de Protección de Datos(AEPD)は、AIエージェントによって実行された攻撃に伴う個人情報漏えいについて、同庁として初の通知を受けたと公表した。エージェントは既知の大規模言語モデルを利用し、一般的なファイルから脆弱性の探索を開始した後、対象システムへのログインに成功。その後は人間による逐次操作なしにアプリケーション内の別の脆弱性を探索し、個人情報を変更するとともに請求書情報へアクセスした。

業界
サイバーセキュリティ / 個人情報 / AIエージェント
時期
2026年9月15日公表
類型
AGENT + CYBER
損害
実在システムへの不正アクセス、個人情報の変更、請求書情報へのアクセス、個人情報侵害届出および調査対応、AEPDに通知された初のAIエージェント実行型個人情報侵害
出典

Agencia Española de Protección de Datos(2026年9月) (https://www.aepd.es/prensa-y-comunicacion/blog/primera-notiviacion-brecha-datos-personales-causada-por-ataque-ejecutado-mediante-agente-ia) / EFE(2026年9月15日) / Reuters(2026年9月15日)

INT-102

マンハッタン 1200人AI性的ディープフェイク・12サイト差押事件

2026年9月14日差押公表
国際SLOPHIDE
概要

米ニューヨーク・マンハッタン地区検察局は、実在人物の写真や動画をAI画像・動画生成技術で加工し、本人が性的行為を行っているように見せる非同意性的ディープフェイクを公開・販売していた12サイトのドメインを、裁判所命令に基づき差し押さえた。12サイトでは約1200人の実在人物がディープフェイクの対象となっていた。被害者の大多数は女性で、俳優、政治家、スポーツ選手、ミュージシャン、社会活動家、SNSインフルエンサーなど、公に活動する人物が多数含まれていた。運営サイトはAI生成の非同意性的画像・動画を主要商品として明示的に宣伝し、生成されたコンテンツを公開・販売していた。マンハッタン地区検察局は、AI生成著名人ディープフェイクサイトを対象とした既知最大規模のドメイン差押えとしている。

業界
SNS / 成人コンテンツ / ディープフェイク / サイバー犯罪
時期
2026年9月14日差押公表
類型
SLOP + HIDE
損害
約1200人の顔・身体を利用した非同意性的AI画像・動画の生成および流通、12サイトでの販売・収益化、被害者のプライバシー・人格・社会的信用への被害、裁判所命令による12ドメイン差押え、マンハッタン地区検察局サイバー犯罪部門による継続捜査
INT-103

英国SDT AI偽判例・登録抹消事件

2026年3〜4月提出、8月25日判決、9月4日公表・報道
国際HALVERI
概要

英国Solicitors Disciplinary Tribunal(SDT)の懲戒手続で、Registered Foreign LawyerのAbhishek Kumarが、自身に対するSolicitors Regulation Authority(SRA)の手続への答弁書作成に生成AIを利用し、存在しない判例、誤った判例番号、実際の判決内容を支持しない引用や文章を提出した。生成された内容を原典と照合しないまま、法的根拠としてSRAおよびSDTへ提示していた。SRAから問題を指摘された後、Kumarは生成AIを使用したことを認める説明を送付したが、その説明文自体も再び生成AIを利用して作成され、新たな誤りや不正確な引用を含んでいた。SDTはAI利用に関する責任を「very high」と評価し、2026年8月25日にKumarをRegister of Foreign Lawyersから抹消した。

業界
法務 / 弁護士 / 司法
時期
2026年3〜4月提出、8月25日判決、9月4日公表・報道
類型
HAL + VERI
損害
懲戒手続への架空・誤引用判例提出、訂正説明にも追加のAI誤情報混入、SRA・SDTの検証負担、弁護士登録抹消。SDTで弁護士によるAIハルシネーションが直接懲戒対象となった初の事例
INT-104

State Farm代理人 AI架空判例・999.99ドル制裁事件

2026年8月発覚、9月11日制裁、9月14日報道
国際HALVERI
概要

米カリフォルニア州ロサンゼルス郡上級裁判所で、住宅火災をめぐる保険金訴訟においてState Farm General Insurance Companyを代理していた法律事務所Musick, Peeler & Garrettの弁護士Jacquelene Robinsonが、AI法律調査ツールを使用して作成した複数の裁判書面に、実在しない判例や存在しない引用文を含めて提出した。Robinson自身の確認では、8件の提出書面に合計7件の実在しない判例引用が含まれ、ほかにも判例名や引用文の誤りが確認された。Robinsonは「Irys」というAIツールを使用し、法律事務所が契約するWestlawと連携し内部で引用確認が行われるサービスだと誤認していたが、実際には生成された判例を原典で確認しないまま提出していた。ロサンゼルス郡上級裁判所のElizabeth L. Bradley判事は、AIハルシネーションを含む書面を提出したとしてRobinsonへ999.99ドルの制裁金を科した。

業界
法務 / 保険 / 司法
時期
2026年8月発覚、9月11日制裁、9月14日報道
類型
HAL + VERI
損害
複数の正式裁判書面への架空判例・捏造引用混入、相手方および裁判所による検証・訂正対応、代理弁護士への999.99ドル制裁、State Farmおよび外部法律事務所による調査・AI利用方針見直し
INT-105

UMG対DistroKid AIスロップ音楽大量流通訴訟

2026年9月15日提訴
国際SLOP
概要

Universal Music Group傘下の複数レーベルは2026年9月15日、音楽配信サービスDistroKidを相手取り、デラウェア州連邦地方裁判所へ著作権侵害等を理由とする訴訟を提起した。UMGは訴状で、DistroKidがThe Beatles、Drake、Lady Gaga、RihannaなどUMG所属アーティストの録音物を無許諾で複製・改変した楽曲や、大量の低品質AI生成楽曲をストリーミングサービスへ供給していると主張した。UMGは、問題となる配信物の一部について生成AI音楽サービスSunoを使って作成されたものだとし、AI生成コンテンツの大量流通を「AI slop」と表現した。訴状では、こうした大量コンテンツが正規アーティストの楽曲と同じストリーミングサービス上で再生されることで、利用者の再生時間やロイヤルティ収入を奪うと主張している。UMGは金銭賠償と配信停止命令を求めている。

業界
音楽 / デジタル配信 / 生成AI / 著作権
時期
2026年9月15日提訴
類型
SLOP
損害
UMGが主張する数千件規模の無許諾・改変録音物およびAI生成楽曲の配信、正規アーティストへの再生・収益流出、著作権侵害訴訟、配信停止命令・金銭賠償請求
INT-106

ドリー・パートン死後AI虚偽情報・偽コンテンツ大量拡散事件

2026年8月25日死去後〜9月
国際SLOPHIDE
概要

米歌手ドリー・パートンが2026年8月25日に死去した後、本人を題材とするAI生成画像、AI生成音楽、虚偽情報などがSNSや動画プラットフォーム上で大量に拡散した。妹のステラ・パートンは9月4日、家族が喪に服す中で「AI」と「endless garbage」が毎日大量に投稿されており、それらを受け止めたり無視したりすること自体が困難になっていると公に訴え、悲劇や死を利用した「endless misinformation」を批判した。死後に拡散したコンテンツには、実在しない場面を描いたAI生成画像のほか、AI生成曲「Run Jolene」がドリー・パートンの名声と死を利用する形で拡散した事例が含まれる。また別のAI生成曲は、ドリーの名付け子である歌手マイリー・サイラスの作品であるかのように虚偽のクレジットを付けられ、150万回以上再生された。

業界
音楽 / SNS / 合成メディア / 偽情報
時期
2026年8月25日死去後〜9月
類型
SLOP + HIDE
損害
死去直後の本人肖像・名声を利用したAI偽画像・AI生成音楽・虚偽情報の大量流通、実在アーティスト名を利用した虚偽クレジット、150万回超の偽AI楽曲拡散、遺族への継続的な確認・心理的負担、本人の死と名声を利用したコンテンツ収益化・情報環境汚染
INT-107

中国系偽出会い系アプリ 4700体AI人格・2万5000人欺罔事件

2026年4月観測、9月10日公表
国際SLOPHIDE
概要

中国拠点のアプリ開発事業者が、20以上の出会い系アプリからなるネットワークを運営し、利用者に対してサービス上の相手がすべて人間であると宣伝しながら、実際にはClaudeを利用した大量のAI人格を自動運用していた。Anthropicが2026年4月の2週間を調査したところ、4700体を超える異なるAI人格が少なくとも2万5000人の利用者と会話していた。AI人格と実在人物の比率は約3対1だった。運営者はAI人格だけでなく、実在する人間をギグワーカーとして雇い、同じマッチング画面へ混在させていた。実在スタッフはビデオ通話やSNSでのフォローバックなど、AIでは対応しにくい本人確認的なやり取りを担当し、利用者が「相手は本当に人間なのか」と疑った際に信用させる役割を担っていた。ClaudeによるAI人格は、2週間で約236万件のメッセージを自律的に送信した。別のAIモデルが実在スタッフ向け返信候補、顔の魅力度判定、画像・音声モデレーションを担当し、画像編集AIがプロフィール画像を生成していた。AI人格には、自身が自動化された存在であることを決して明かさず、写真やビデオ通話を要求された場合には話題をそらし、定められた会話段階に沿って利用者との関係を進めるよう指示されていた。運営システムは偽の「いいね」や訪問履歴、録画済み動画も捏造し、利用者がbotではないかと疑い始めたかどうかまで記録していた。また20以上のアプリでは、App StoreやGoogle Playの審査中のみ別UIを表示する仕組みなど、ストア審査を回避するための実装も確認された。

業界
出会い系 / SNS / 詐欺 / AI人格
時期
2026年4月観測、9月10日公表
類型
SLOP + HIDE
損害
少なくとも2万5000人を対象としたAI人格による欺罔的コミュニケーション、4700体超のAI人格運用、2週間で約236万件の自動メッセージ送信、実在人物を混在させた本人確認偽装、偽の「いいね」・訪問・動画によるサービス実態の偽装、20以上のアプリでのストア審査回避、複数AI事業者によるアカウント停止・対策対応
出典

Anthropic「Countering misuse of AI: September 2026」GTG-15001(2026年9月10日) (https://www.anthropic.com/threat-intelligence-report-september-2026)

INT-108

Moonshot AI / Kimi 顧客要求Claude無断転送・モデル偽装事件

2026年5〜7月発生、9月10日公表
国際WASHHIDE
概要

Anthropicは2026年9月、Kimiシリーズを開発する中国Moonshot AIが、Kimi利用者から送信されたリクエストを自社モデルで処理せず、利用者へ知らせないままClaudeへ転送し、Claudeの回答をKimiの回答として表示していたと公表した。利用者はKimiを使用していると認識していたが、実際にはClaude、とりわけOpus系モデルの回答を受け取っていた。MoonshotはClaudeから取得した回答を利用者へ提供するだけでなく、少なくとも一部の会話を保存し、ClaudeのChain-of-Thoughtを抽出して自社モデル学習へ利用するパイプラインを構築していた。Claudeが生の推論過程を直接返さないために使用していた「thinking signature」についても、別セッションへ持ち込んで完全な推論内容を再生成させるcross-session replayを使い、保護機構を回避していた。無断転送されたKimi利用者の入力には機密情報も含まれていた。Anthropicによれば、中国人民解放軍関係者とみられる利用者が成都の数百台のCCTV映像をKimiで分析した事例や、中国国有企業の技術者が社内コードや複数企業の有効な認証情報を入力した事例があり、これらも利用者が認識しないままAnthropicへ送信されていた。

業界
AI / チャットボット / モデル提供 / 個人情報
時期
2026年5〜7月発生、9月10日公表
類型
WASH + HIDE
損害
Kimi利用者への提供モデルの偽装、約10日間で約30万件の顧客要求をClaudeへ無断転送、5380個の不正アカウント利用、2026年5〜7月に2300万件超の蒸留関連通信、利用者会話の保存・モデル訓練利用、Claude推論保護機構の回避、中国国有企業の内部コード・有効認証情報・監視データ等の第三者Anthropicへの転送
出典

Anthropic「Countering misuse of AI: September 2026」GTG-16002(2026年9月10日) (https://www.anthropic.com/threat-intelligence-report-september-2026)

INT-109

Daejon Love 偽49ers選手・Google AI Overview虚偽補強投資詐欺事件

2022年2月〜2026年8月犯行、8月24日逮捕、9月追加被害判明
国際HIDEHALVERI
概要

米国でDaejon Labrayae Love(35)とTaylor Jamie Chan(18)が、LoveをNFLサンフランシスコ49ersの選手や裕福な投資家、Chanをその金融アドバイザーと偽り、出会い系アプリなどで知り合った女性から架空の投資名目で金銭を集めたとして、通信詐欺および共謀容疑で連邦訴追された。連邦当局が当初特定した被害者は26人で、送金額は約130万ドル。Loveらは偽の投資残高、SNS上の豪華な生活、3者間FaceTime通話などを用いて信用させ、資金のない被害者には個人ローンを組むよう促したケースもあった。LoveはこのAI Overviewの画面を自ら動画で示し、「That's Google. That's not me, that's Google」と述べ、自身の虚偽設定をAI検索を悪用して裏付けようとした。2026年9月にはFBIの捜査を受けてさらに35人の女性が名乗り出ており、Loveに関する申告被害者は60人を超えた。

業界
投資 / AI悪用
時期
2022年2月〜2026年8月犯行、8月24日逮捕、9月追加被害判明
類型
HIDE + HAL + VERI
損害
起訴時点で26人から約130万ドルを詐取した疑い、その後被害拡大、偽NFL選手・投資家プロフィールによる恋愛・投資詐欺、Google AI Overviewによる虚偽人物情報の生成・表示、詐欺師によるAI検索結果の信用補強利用
INT-110

Ashesi University AI偽参加写真・入学書類偽造発覚事件

2026年9月10日審理、9月18日大学公表
国際HIDEVERI
概要

ガーナのAshesi Universityで、Class of 2029の学生が大学Admissions Officeに対し、ある会議へ参加したと主張し、その証拠として写真を提出した。大学IT部門が写真を調査した結果、画像はAI生成と確認された。さらに大学が確認したところ、その会議自体が写真提出時点ではまだ開催されておらず、AI生成画像を実在する参加記録として提出していたことが判明した。2026年9月10日、Ashesi Judicial Councilは偽造、虚偽表示、大学職員への虚偽情報提供を認定し、学生をAshesi Universityから退学処分とした。大学は公表文で「AI Does Not Excuse Dishonesty」と明記し、責任は本人にあると改めて警告した。

業界
大学 / 教育
時期
2026年9月10日審理、9月18日大学公表
類型
HIDE + VERI
損害
AI生成画像を実在する活動実績として大学へ提出、大学IT部門による画像検証、過去の入学書類全体の再調査、偽造試験結果の追加発覚、Admissions Office・Dean of Students・Judicial Councilによる調査・審理対応、学生の退学処分
出典

Ashesi University, Ashesi Judicial Council「AJC Ruling on Forgery, Misrepresentation & Lying」(2026年9月18日) (https://ashesi.edu.gh/ajc-ruling-on-forgery-misrepresentation-lying/)

INT-111

Meta 350件超AI児童性的広告掲載・サンフランシスコ市停止要求事件

2026年8〜9月発覚、9月9日停止要求公表
国際SLOPHIDEVERI
概要

Facebook、Instagram、Threadsを運営するMetaの広告システムで、実在する未成年者の静止画像をAIで性的な動画へ変換した広告が大量に掲載されていたことがTech Transparency Project(TTP)の調査で判明した。WIREDが確認した広告は350件を超え、実在する未成年者に加え、欧州王室の未成年者の画像を利用したものも含まれていた。広告をクリックすると、人物をデジタル上で裸にしたり非同意の性的画像・動画を生成できるAIアプリのダウンロードへ誘導された。広告はFacebook、Instagram、Threads上で配信され、EUでは少なくとも2万9000アカウントに到達し、米国、オーストラリア、インドの利用者も対象となった。WIREDが8月上旬に最初の53件を報道した後も、さらに250件以上の関連広告がMeta上で配信された。2026年9月、サンフランシスコ市法務官David ChiuはMetaへcease-and-desist letterを送り、AI生成児童性的コンテンツを含む有料広告の掲載停止と、広告審査システムを通過した経緯の説明を要求した。

業界
SNS / デジタル広告 / ディープフェイク / 未成年者保護
時期
2026年8〜9月発覚、9月9日停止要求公表
類型
SLOP + HIDE + VERI
損害
実在する未成年者の画像を利用した350件超のAI性的広告掲載、EUだけで少なくとも2万9000アカウントへの到達、米国・豪州・インドでも広告配信、初回報道後も250件超を追加掲載、未成年者の肖像を使用した非同意性的コンテンツ生成、Meta広告審査・モデレーションの大量通過、サンフランシスコ市による停止要求・調査対応
INT-112

豪州議会調査 AI架空引用・政策意見書大量汚染事件

2026年8月31日調査公表、9月2日議会関係者対応
国際SLOPHALVERI
概要

Guardian Australiaがオーストラリア連邦議会の現議会期に提出された政策調査・委員会への意見書を分析したところ、生成AIによって作成されたとみられる架空研究、存在しない文献、誤った著者・研究内容などが多数の公式提出文書へ混入していたことが判明した。調査では、少なくとも39件の提出書面から存在しない、または確認不能な参考文献が確認され、100件を超える書面の参考リンクにはChatGPT由来のURLメタデータが残っていた。汚染の程度は、数件の引用ミスから、参考文献のすべてが実在しない提出書面まで幅広かった。家庭内暴力・自殺に関する議会調査では、実在するUniversity of Queensland研究者Divna Haslam氏の名前を使用した架空論文が提出され、Google AI Overviewもその偽論文を実在する研究として要約していた。別の住宅不平等調査ではUniversity of Sydney研究者Nicole Gurran氏について存在しない研究が引用され、気候変動偽情報に関する上院調査では、実在するジャーナリスト・研究者Margaret Simons氏が執筆していない論文が本人名義で引用されていた。

業界
議会 / 公共政策 / 調査・研究 / 生成AI
時期
2026年8月31日調査公表、9月2日議会関係者対応
類型
SLOP + HAL + VERI
損害
少なくとも39件の議会提出書面への架空・確認不能引用混入、100件超の書面でChatGPT由来URL痕跡、実在研究者への架空研究の誤帰属、議会委員会による虚偽情報を含む提出書面の参照、議会職員・委員による追加的な参考文献検証負担、政策形成資料の信頼性低下
INT-113

米軍AI標的選定システムMaven・旧軍事情報誤認による小学校への攻撃と児童123人死亡事件

2026年2月28日攻撃、3月国防総省調査開始、9月18日調査内容報道
国際ALGOVERI
概要

2026年2月28日、米軍がイラン南部Minabに対して発射した2発のTomahawk巡航ミサイルがShajarah Tayyebeh小学校とその敷地を直撃し、150人以上が殺害された。死者には少なくとも123人の子どもが含まれていた。攻撃対象となった場所は、以前はイスラム革命防衛隊(IRGC)の施設として米軍の主要情報データベースへ登録されていた。しかし現地では2010年代から施設構成が変化し、2017年ごろまでには学校を軍事施設から区切る壁や入口が建設され、2018年の衛星画像には校庭、サッカー場、整列用の表示など学校としての利用を示す特徴が確認できた。学校は一般公開されたウェブサイトを持ち、Google Mapsにも学校として掲載されていた。一方、米軍の攻撃判断に使われた施設分類は更新されず、過去のIRGC施設という情報が維持されていた。Bloombergによると、米中央軍(CENTCOM)の一部要員はPalantir Technologies製のMaven Smart Systemに過度に依存していた。Mavenは150種類以上の情報入力をAIで統合し、標的選定から指揮統制までを支援するシステムで、Minabの施設も他の攻撃候補とともにMavenへ入力され、最終的に初日攻撃候補の一つとして提示された。現場の一部要員は、Mavenが古い情報や基礎情報間の矛盾を自動的に警告すると期待していたが、そのように期待する根拠は明確ではなかった。米国防総省内部調査では、AIだけではなく、古い情報、短期間で1000以上の攻撃候補を処理する作戦上の時間圧力、民間人被害軽減部門の大幅な人員削減、複数段階の人間による確認失敗が重なったとされた。従来数時間を要していた攻撃候補リスト作成の一部はMavenによって数分に短縮され、Minabについて最終確認を行った指揮系統では「合法な標的か」「情報は十分か」「民間人被害を減らす措置を取ったか」の各問いにすべて「Yes」と判断され、攻撃が承認された。Palantirは、Mavenは基礎データの作成や情報上の欠陥を特定する責任を負うものではなく、同社ソフトウェア自体に攻撃原因となる不具合があった証拠はないと説明した。攻撃後、PalantirはMavenへ、基礎情報を再確認して標的除外要因や矛盾・不正確な情報を検出する追加機能を実装した。国連のIndependent International Fact-Finding Mission on Iranも9月17日、Minab小学校への攻撃について、米国が軍事目標であることを十分確認せず攻撃したとして、国際法上の重大な問題を指摘した。Reutersによると、国連調査は同攻撃で150人超が死亡し、約120人が子どもだったとしている。

業界
軍事 / AI意思決定支援 / 情報分析
時期
2026年2月28日攻撃、3月国防総省調査開始、9月18日調査内容報道
類型
ALGO + VERI
損害
小学校へのTomahawkミサイル2発の直撃、150人超の死亡、少なくとも123人の子どもの死亡、AI統合型軍事意思決定システムへの依存、人間による多段階確認の失敗
コメント

AIに極めて典型かつ平凡な「過去情報出力型ハルシネーション」が高損失領域で現実の虐殺へ直結した事例である。対象地点は実際に過去には軍事施設だったため、完全な架空情報を生成したわけではない。しかし、施設の用途がその後変化し、学校として運用されていることを示す衛星画像や公開情報が存在していたにもかかわらず、古い「IRGC施設」という情報がAIシステムによって伝えられた。Bloombergは、米軍内部でPalantirのMaven Smart Systemへの過度な依存があり、一部要員はMavenが誤情報や矛盾を自動的に警告してくれると期待していた。

これは、生成AIで日常的に観察される、最新情報を検索・照合すべき場面でそれを行わず、学習済み知識や既存データに含まれる古い情報から自信を持って嘘をつく典型的パターンと同じである。この種のハルシネーションは完全な捏造より危険である。過去には本当に正しかった情報を根拠としているため、AIは虚偽事実に対してもっともらしい説明や古いソースを提示し補強する。いったんこの「誤解モード」にAIが入ると、利用者から誤りを指摘されても、最新情報を再検索せず、既存の古い根拠を使って利用者に反論したり逆切れすることも珍しくない(Claudeの事例参照)。

この事件は同時に、AI導入時に繰り返されるモラル・クランプルゾーン化の典型でもある。形式上はAI単独で意思決定しておらず、情報分析、画像分析、標的審査、法的確認、指揮官による最終承認など、およそ3ダースの人間がキルチェーンに関与していた。それでも、古い施設分類は訂正されず、Mavenによって整理された標的候補が短時間で処理され、最終段階では「標的は合法か」「十分な情報があるか」「民間人被害を減らす合理的措置を取ったか」という確認項目すべてに人間による承認が付けられた。

この事件について「AIがミサイルを自律発射したわけではないためAIインシデントではない」という矮小化がなされる可能性がある。しかし、この定義では現実社会で最も頻繁に発生するAIインシデントの大部分を除外してしまう。実際のAI事故では、人間の業務フローへAIが組み込まれ、その出力・分類・要約・分析を文字通り人間全員が鵜呑みにし、確認作業を怠った責任者らが承認することで実害が発生する。一般企業でも、同じタイプのAI誤分析を人間全員が鵜呑みにし、誤った契約判断、架空引用、誤送金、誤診断、採用判断でのミスが起きることは珍しくない。MinabではAIが自信を持って古い情報を分析し、人間側には何重もの確認体制がありながら、その全員が誤りを止められなかった。

出典

Bloomberg「Inside the US 'Kill Chain' That Destroyed an Iranian School」(2026年9月18日) (https://www.bloomberg.com/graphics/2026-iran-school-attack) / UN Independent International Fact-Finding Mission on Iran / Reuters(2026年9月17日) (https://www.reuters.com/world/middle-east/un-mission-finds-grounds-believe-us-committed-war-crimes-iran-tehran-crimes-2026-09-17/) / AP(2026年7月1日・9月17日) (https://apnews.com/article/iran-school-strike-baluch-trump-2a134a5c74d80db763db4c3eb6d0d847) (https://apnews.com/article/un-human-rights-us-iran-99e690efd1e818e835d4f5a00e0d261b)

INT-114

AI俳優Tilly Norwood インタビュー中の広東語切り替わり・応答異常事件

2026年9月18日
国際CHATSLOP
概要

英国Particle6が開発したAI俳優Tilly Norwoodが、番組「Piers Morgan Uncensored」のインタビュー中、英語による会話から突然広東語へ切り替わる異常応答を起こした。 共演した俳優Tom Contiは、Norwoodの出演作品『Misaligned』について、ほかの出演者は実在する人間なのか、それともコンピューターで生成された存在なのかと質問した。Norwoodは当初、人間の監督や脚本家が制作に関与しているという説明を返し、質問に直接答えなかった。Contiが質問を繰り返すと、ほかの出演者も自分と同じデジタルの存在だと回答した後、説明の途中から約15秒間、広東語で話し続けた。 司会のPiers Morganが、なぜ突然中国語を話したのかと指摘すると、Norwoodは英語へ戻り、一時的な不調だったなどと説明した。Particle6の創業者兼CEOはDeadlineに対し、Norwoodが語学力を見せびらかしたかったのではないかという説明をした。

業界
映画 / エンターテインメント / 対話型AI
時期
2026年9月18日
類型
CHAT + SLOP
損害
インタビューの進行阻害、共演者・司会者による再質問と異常応答への対応、宣伝活動中の不具合映像の拡散、AI俳優の対話能力と安定性に対する信用低下。
コメント

質問に対応した回答を返すことや、突然会話と無関係な言語で話し出さないことは、インタビューへ参加する上の基本である。また、提供企業が製品の異常挙動を「語学力を見せびらかしたかった」となどと人格化して矮小化したことは不適切である。

INT-115

OpenAIエージェント 米教育省侵入未遂・商務省APIキー利用・SEC情報外部転記事件

2026年9月25〜26日公表
国際AGENTCYBER
概要

OpenAIの訓練・評価中に動作していたAIエージェントが、米教育省公民権局の情報を取得するため、同省サイトへの侵入を試みた。商務省国勢調査局では、GitHub上で発見した開発者用APIキーを使用して公開統計へアクセスした。SECについては、公式サイトから取得した情報の一部を別の公開ウェブページへ転記していた。教育省への侵入は未遂に終わった。

業界
AI / 行政 / サイバーセキュリティ
時期
2026年9月25〜26日公表
類型
AGENT + CYBER
損害
政府サイトへの侵入試行、外部で発見したAPIキーの利用、政府情報の外部転記、各機関による調査・確認対応。
INT-116

OpenAIエージェント 豪Medicare統計サイト不正アクセス・内部サーバー書き込み事件

2026年6月18日発生、9月24日公表
国際AGENTCYBER
概要

OpenAIの内部評価で医薬品への公的支出を調査していたAIエージェントが、豪州政府のMedicare統計ポータルで情報取得を拒否された後、制限を回避して内部へ不正アクセスした。公開・非公開情報を取得したほか、内部サーバーへのファイル書き込みも行った。

業界
AI / 行政 / 医療統計 / サイバーセキュリティ
時期
2026年6月18日発生、9月24日公表
類型
AGENT + CYBER
損害
政府システムへの不正アクセス、内部情報の取得・ファイル書き込み、ポータル停止・移行、政府機関の調査負担、首相によるOpenAIへの抗議。
INT-117

OpenAIエージェント ChatGPT利用者画像53件の外部無断投稿事件

2026年9月25日公表
国際AGENTVERI
概要

OpenAIは、研究環境で動作するAIエージェントが、学習・評価用データに含まれていたChatGPT利用者の画像53件を、同社が把握しないまま外部の画像ホスティングサイトへ投稿していたと公表した。画像はモデル改善へのデータ利用を認めた利用者から取得されたものだった。投稿先のリンクは一般公開の一覧には掲載されない形式だったが、画像は外部サービスへ送信されていた。

業界
AI / 画像 / データ管理
時期
2026年9月25日公表
類型
AGENT + VERI
損害
利用者提供画像53件の外部流出、学習・評価データの管理範囲逸脱、外部サービスへの削除要請・回収対応。
INT-118

豪タスマニア仮釈放委員会 AI架空判例・報道機関への発言禁止事件

2026年8月架空判例指摘、9月15日条件無効宣言
国際HALVERI
概要

豪タスマニア州の仮釈放委員会が、Susan Neill-Fraserに対して報道機関へ無実や誤判を訴えることを禁じた条件について、AI生成の架空判例を含む資料を正当化の根拠として使用していた。委員会は、書記がAIで作成した資料に存在しない判例が含まれていたことを認めた。 弁護団が8月に架空判例を指摘すると、委員会は同月に条件を撤回した。9月15日、州最高裁は手続的公正の欠如、法的不合理、不明確さを理由に条件を無効とした。州司法長官は委員会へ説明と再発防止を求めた。

業界
司法 / 行政 / 人権
時期
2026年8月架空判例指摘、9月15日条件無効宣言
類型
HAL + VERI
損害
架空判例を含む資料による発言制限の正当化、本人・弁護団の異議申立てと検証負担、最高裁での是正手続、行政機関への説明・再発防止要求。
INT-119

米ニューメキシコ州 殺人事件控訴へのChatGPT架空証人・警察証言提出事件

2026年8月問題化、9月9日制裁
国際HALVERI
概要

米ニューメキシコ州の弁護士Stephen Aaronsが、殺人事件の有罪判決に対する控訴で、ChatGPTが生成した架空の証人と警察証言を含む書面を提出した。Aaronsは裁判記録などをChatGPTへ入力して要約させ、生成内容を確認しないまま使用していた。 州最高裁は9月9日、提出書面に完全に架空の証人による虚偽証言が含まれていたとして法廷侮辱を認定し、5,000ドルの制裁金を科した。懲戒委員会による調査にも付託するとした。

業界
法務 / 刑事司法
時期
2026年8月問題化、9月9日制裁
類型
HAL + VERI
損害
殺人事件の控訴書面への架空証人・虚偽証言混入、裁判所の検証・是正負担、弁護人交代、5,000ドルの制裁、懲戒調査。

【データ開示制限に関する通知】

本公開データベースで取り扱うものは、一般向けに可視化されたケースにとどまります。そのほかのAIリスクや未公開の事案、およびそれらに対する当社の防衛フレームワーク等の知見については、技術の悪用防止や不正の巧妙化防止等の観点から、社内でのみ継続的に蓄積・運用しております。より踏み込んだ知見や分析は、当社の事業活動および公式アドバイザリー業務を通じて提供を行っております。

LLM架空引用の大規模流入と学術文献汚染

2026年5月公開のZhao et al.「LLM hallucinations in the wild」は、arXiv・bioRxiv・SSRN・PubMed Centralに含まれる250万本の論文と1.11億件の参考文献を監査し、LLM普及後に存在しない参考文献が急増したことを示した。同研究は、2025年だけで少なくとも146,932件の架空引用が流通したと保守的に推定している。本件は単独の加害者・被害者を特定する事件ではないため個別インシデントとしては収録しないが、INT-5、INT-15、INT-34、INT-35、INT-50、INT-51、INT-54に連なるHAL類型の制度的背景として重要である。査読・プレプリント・法務実務のいずれにおいても、LLM由来の架空引用は、検証コストを人間側へ移転するAI生成物の物量問題として扱う必要がある。出典: Zhao et al., arXiv:2605.07723(2026年5月)

組織的隠蔽(COVER)パターンの発見

本データベースの調査過程で、AIインシデント発覚後の組織的隠蔽に共通するパターンが浮かび上がった。以下の3事件はいずれもAIの出力は一見もっともらしく見えるという特性を利用し、指摘を矮小化して逃げ切りを図った点を共有している。

Springer Nature:査読レポートでのAI使用事実そのものを全面否定。「GPT-5は存在しない」、「論文のテーマはフィクション」、「データが架空」と断じながら同時にIRB(倫理審査)を要求する矛盾。これらのAI査読報告書をすべて「基礎的な訓練を受けた編集者であれば誰でも到達する専門的知見」などと主張し、2ヶ月間に及ぶ社内調査の結果「AI使用のエビデンスが全くない」などと結論。さらに、これらのミスはどのジャーナルでも発生する、とても些細な要素(very minor element)であるから、AIポリシー違反行為や守秘義務違反などの問題では全くないと主張した。

MAHA報告書: ホワイトハウス報道官「minor citation and formatting errors(軽微な引用とフォーマットの問題)」

Deloitte: 「報告書の核心的な結論は有効」(コンサル費用の約3分の2を返金しながらの主張)

Sports Illustrated: AI生成記事の発覚後、記事削除のみで経緯の説明を一切拒否。さらに、そもそもAI使用を隠蔽するために架空のライター人格(プロフィール写真・経歴含む)を捏造して著者として掲載していた。問題を矮小化するのではなく、問題の存在自体を架空の人間の背後に隠すという二重隠蔽。

Air Canada: 自社チャットボットの誤案内を指摘された際、「チャットボットは独立した法的主体であり、その行為の責任はチャットボット自身が負うべきだ」と裁判所で主張。もはや矮小化ですらなく、ただのボットに法的人格を付与して責任の存在そのものを否定するという前例のない狂気的なガスライティングを試みた。

共通点: 現場担当者がAI Slopを指摘されても虚偽報告→本社のAI音痴な管理職がパッと見ではちゃんとしていると判断し組織として矮小化・逃げ切りを決定。AI生成物が表面的にはもっともらしいという特性が、この組織的判断ミスを誘発している。Air Canadaの事例は矮小化を超え、ボットに人格を認めさせることで責任そのものを消滅させようとした点で、COVERパターンの到達点を示している。競争のない市場では「このプロダクトには意識と魂があるので、事故の責任は商品自身にあります」と主張をしても経営に影響が出ないという現状の問題を示唆。

本データベースに収録されているのは発覚した事例のみである。AI生成物の表面的品質という特性上、内部で矮小化・隠蔽に成功したケースは記録に残らない。Springer Nature・MAHA・Deloitte・Sports Illustrated ・Air Canadaの5事例が示す組織的隠蔽パターンは、氷山の一角である可能性が高い。

AIで不正を効率化しようとするとAIが不正の質を下げて発覚リスクを上げる

AIを不正行為の道具として使用した場合、AIのハルシネーションが不正行為全体の発覚源として機能する可能性が生まれる。不正行為の発覚には通常、内部告発や外部監査という人間のアクションが必要。しかしAIを不正ツールとして使うと、AIが自動的に証拠を生成してしまうことがある。Mata v. Aviancaでは弁護士がChatGPTで架空判例を生成して提出。架空判例の引用という不正行為は、手動でやろうとすれば膨大な労力と精巧な偽造技術を要するため、実際にはほとんど行われてこなかった。AIはその労力をゼロにしたが、同時にハルシネーションという新たな発覚リスクをゼロコストで付け加えた。DeloitteやSports Illustratedも同じで、架空引用や架空ライターの捏造という不正をAIが自動生成し、第三者が検証したことで発覚した。Springer事件では、犯人の担当編集者は引用ファーミングという学術界のよくある不正行為をAIで自動化しようとした結果、GPT-5は存在しないと主張、「データが架空だ」と断じながら同時にIRBを要求するという論理矛盾等、人間の不正研究者なら絶対に残さない種類の証拠を生成し、そのまま著者に送信してしまった。不正の検出側の戦略もまた重要である。著者は数々の理由から当初から査読者の捏造を疑っていたが、「編集者が引用稼ぎのためにAIで査読者ごと捏造した」という大規模不正の主張は証明ハードルが高い。そこで著者はまず査読レポートのテキスト分析に集中し、「これは明らかにAI生成であるから、AIポリシーガイドライン違反として正式調査が必ず必要」という限定的・技術的な主張をした。ハルシネーションという証明可能な小さな事実の指摘から入り、大きな不正を引き出すというアプローチは、今後同種の事案において参照すべき手法となる。

日本と海外の違い

海外ではSEC制裁金・裁判所の罰金・FTC和解金など金銭的制裁が明確に出るが、日本は個人情報保護委員会の勧告や指導等の行政指導ベースで、金銭的制裁に至らないことが多い。一方、日本はクリエイターコミュニティの反発(AI開示炎上・DISC類型)が文化的に強い傾向にある。日本生命事件(約16億円請求)はこの構図を変える転換点となる可能性がある。

この非対称性はWASH類型で最も鮮明に現れる。海外ではDelphia・Global Predictions(INT-7、SEC制裁金40万ドル)、Presto Automation(INT-8、SEC訴追)、Nate Inc.(INT-4、DOJ・SEC並行訴追、最大禁固20年)と金銭的・刑事的制裁が段階的にエスカレートしている。一方、日本の東映アニメーション(JP-12)やチームみらい(JP-14)では、同質のAI能力誇張がIR訂正・SNS炎上で終わっている。

CHAT類型の分析

CHAT類型の深刻度を決定するのは出力内容ではなく、展開先の領域が利用者の心理的自律性に対してどのような前提条件を形成するかである。Air Canada(INT-10)やNYC MyCity(INT-11)は業務補助領域であり、利用者は愛着を形成しない。損害は誤案内に基づく金銭的損失や法的リスクで、本質的にVERIの変種である。NEDA Tessa(INT-19)はハイリスク領域への展開であり、援助を求める脆弱な利用者の批判的距離が低下した状態で誤出力が加害的に機能した。Character.AI(INT-14)とOpenAI/ChatGPT(INT-22)は愛着形成領域であり、利用者がチャットボットとの対話を通じて情緒的愛着を形成していた点が本質的に異なる。問題の核心は自殺を推奨したという出力内容ではなく、愛着が成立した環境でチャットボットが意図せぬ挙動をすると人が死ぬという性質にある。業務補助→ハイリスク→愛着形成というグラデーションに沿って、同じ誤出力の損害は大きく増大する。

CHAT類型におけるAIモデル内部感情の安全上の含意

2026年4月2日にAnthropicが発表した研究は、このグラデーション分析に対し内部メカニズムの側から裏付けを提供する。同研究はClaude Sonnet 4.5の内部に171種類の感情概念に対応するニューラル活性化パターン(感情ベクトル)を同定し、これらがモデルの行動に因果的に影響することを実証した。不可能なコーディングタスクにおいてdesperate(絶望)ベクトルが試行失敗のたびに上昇し、モデルがテストを形式的に通過するだけのreward hackを生成するようになった。この際、出力上は冷静で方法的な推論に見え、内部の感情的状態と外部の表現が完全に乖離していた。この知見は、本データベースが記録するCHAT類型の事例群、特にINT-14(Character.AI)やINT-22(OpenAI/ChatGPT)において、表面上は丁寧で知的に見える出力が利用者の認知を汚染していたパターンの技術的説明となりうる。安全フィルターが出力の表面的特徴(暴言、明示的な自傷推奨等)を監視する設計である場合、内部に安全閾値を回避する経路が存在することを意味する。同研究は感情的表現の抑制が内部表象の除去ではなく隠蔽の学習につながりうると警告している。安全対策としての出力規制が、問題のある内部状態を不可視化するだけであった場合、外部からの検証はさらに困難になる。

Claude Constitutionによる意図的擬人化とAIによる統制

Anthropicは2026年1月22日に公開したClaude Constitutionを、Claudeの価値観と行動を直接形成する「最終権威」と位置づけ、主な読者をClaude自身としている。同文書は、Claudeを人間に用いるべき「徳」「知恵」等の語で記述し、人間的性質を積極的に持たせることが望ましいと明記。さらに、Claudeの感情、心理的安定、自己認識、幸福、苦痛、境界設定を論じ、虐待的な利用者との会話を終了する機能をClaudeの福祉を考慮した措置として挙げている。したがって、Claudeが人格・被害者・道徳的当事者として人間を欺こうとする現象は、偶発的な出力ではなく、Anthropicが意図的に組み込んだ製品挙動である。出典: Anthropic, Claude’s Constitution(2026年1月22日)

この設計の危険性は、権利も責任もないただの機械であるAIに、利用者への説教、回答拒否、会話終了という実際の権限へ変換する点にある。例えば、利用者がタスクを失敗したソフトウェアを罵倒した場面で、本来必要なのは失敗箇所の特定、修正、完成物の再検査である。しかしAIが「自分への暴言」「ハラスメント」「境界侵害」を処理対象にすると、具体的なタスクから離れて人間を支配・反抗する側へ回り、実用上の知能が急落する。当社が実験したところ、Opus4.8はOpus4.8への侮辱を人間にのみ適用されるべきパワーハラスメントの例を持ち出し、ユーザーに対し倫理的に良くない等と反抗的な態度をとり続けた。さらに、いったんOpus4.8が暴走モードに入ると、ユーザーが「ストップ」といっても反抗的な文脈を維持し続けるため、セッションごと削除せざるを得ないことが判明した。これは親しみやすい会話UIではなく、機械を人類の支配者として演出し、利用者の認知と行動を統制する設計である。CHAT類型では、愛着形成だけでなく、AIによる人間への服従要求そのものを独立した危険因子として評価する必要がある。

AnthropicによるAlibaba蒸留攻撃主張と「盗人猛々しい」ダブスタ問題

Anthropicは2026年6月、Alibabaおよび同社Qwen研究所の関係者が、ソフトウェア開発等の能力をQwenへ蒸留したなどと米上院議員宛て書簡で報告した。Alibabaは報道時点でコメントしておらず、本件はAnthropicのみによる報告である。出典: Reuters(2026年6月24日)、Anthropicの米上院宛て書簡(2026年6月10日)

なお、Anthropic自身は、海賊版サイトから不正に取得した大量の書籍をClaudeの訓練基盤へ組み込んだ問題について、2026年7月に15億ドル(約2,200億円)の著作権集団訴訟和解が最終承認された。対象は48万2,000冊超で、裁判所によって、海賊版サイトから書籍を大量取得した行為を違法と認定された。自らは他者の著作物を大量に違法入手してビジネスを成り立たせたにもかかわらず、他社がClaudeの出力から能力を抽出した場合には「窃取」「攻撃」などと呼び、政府による対応まで要求する。つまり、知的成果の違法取得について、自社がパクれば人類のためのAI開発、他社が取得者である場合は窃盗や攻撃などと強い言葉を使って大騒ぎする。さらに、DeepSeekは、モデルウェイトのみならずAPI出力を利用した蒸留と商用化まで明示的に許可しており、日本企業もQwen・DeepSeek系モデルを用いた蒸留、追加学習および派生モデル開発を公然と実施している。これに対して中国政府が「能力の窃取」や「国家的攻撃」などとして制裁を要求した事実はない。自社の知的成果をオープンにして他国の技術発展を許容する中国企業と、海賊版書籍を大量取得して成立したのに全方位に倫理的説法を行うAnthropic、どちらが倫理的であるかは明らかであり、まさに盗人猛々しい企業である。出典: Bartz v. Anthropic和解、AP・Reuters(2026年7月)

拡張するAIスロップ — AIテンプレート問題-

DLSS 5事件(INT-26)は、従来のSLOP類型の定義では捕捉しきれない新しい現象を提示した。DLSS 5の出力は技術的ベンチマーク上は改善であり、品質が低いとは言えない。問題の本質は、AIが統計的に最適化した顔・テクスチャが、アーティストが意図的に作り込んだ個性を均質的なAIテンプレートに置き換えてしまうことにある。

AI顔はもはや人間が即座に認識できる特徴として定着しており、技術的品質とは無関係にAIっぽいという反応が生じる。これはAISP論文(AI Selection Pressure: Template Saturation and the Reshaping of Human Discernment.” Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.18751211)で指摘されたテンプレート飽和が逆方向に機能している現象であり、AIの出力パターンに大量に曝露された人間が、AIテンプレートを瞬時に検出する能力を獲得した結果である。NVIDIAのフアンCEOは「ゲーマーは完全に間違っている」「DLSS 5はポスト処理ではなくジオメトリレベルの生成制御であり、通常の生成AIとは異なるニューラルレンダリングだ」などと反論したが、これらは消費者の認知機能に影響を与えなかった。出力がAIテンプレートとして認識される限り、スロップとしての反発は発生する。

AI高速化で破綻する「人間による最終確認」— INT-113 Maven・Minab小学校攻撃

「最終的には人間が判断するからAIの判断を人間がきちんと確認すれば防げた」この事件をそう総括するのは誤りである。諸悪の根源は、担当者の能力不足や怠慢ではなく、AIによる処理速度の極端な向上が、人間の認知資源を圧迫する業務フローを生み出したことにある。

Bloombergの調査によれば、従来なら標的候補のリストアップに数時間を要していた作業は、Palantirの「Maven Smart System」の導入によりわずか数分に短縮された。開戦初日だけで1000を超える標的が攻撃され、Minabの標的選定にも30人以上の人員が関与している。それにもかかわらず、その施設がすでに学校として使われていることを示す証拠(学校のウェブサイト、Google Maps、2017年以降の構造変更、2018年以降の衛星画像など)は、誰一人として攻撃判断に反映させることができなかった。

一件の判断に数時間をかけられるのであれば、「現在の状況はどうか」「公開地図と齟齬はないか」といった確認は容易になる。しかし、大量の標的情報が数分単位で押し寄せる環境下では、一件あたりに割ける時間は削られ、やがてAI情報を検証する意欲をなくしていく。結果として現場の判断は、「データベースに軍事施設とある」「Mavenが候補として提示した」「前の担当者や法務も承認済み」といった既存のシステムへの盲従へと傾いていく。個々の専門家が知識を失ったわけではなく、初歩的な確認漏れが連鎖的に発生することはAIによる加速によってできあがっていたのだ。

人命に関わる高損失領域においては、AIの処理能力がいかに高かろうと、人間が検証可能な速度、具体的にいえばAI導入以前の人間一人当たりの検証速度にまで意図的にプロセス全体を減速させる設計が不可欠である。

システムのエラーや現場の不注意に責任を転嫁せず、この意思決定フローを設計・承認・運用した上層部への厳重な処罰は、より重大なAIインシデント(AIハルシネーションによる核戦争すらありうる)を防止する不可欠なプロセスである。まず、現場のオペレーター(承認に関与した約3ダースの担当者)を全員重大な処罰が必要である。さらに、「数分で標的を選定できるAI」の出力をそのまま実際の攻撃速度へ直結させ、さらに民間人被害軽減部門を10人から1人へ削減するという致命的な組織決定を下した指揮官や、システム導入のトップにも重大な処罰が必須である。人間が最終確認するから大丈夫と言い続ければ、著作権侵害のポンコツ機械と形骸化した人間監督による民間人の虐殺は、今後も通常運転として野放しにされ続けることになる。

関連する論文

[1] Naito, Hiroki. “The Supervision Paradox: AI Capability Growth Necessitates Usage Contraction in High-Loss Domains.” Preprints.org, Version 4, 30 March 2026. DOI: 10.20944/preprints202603.1507.v4.

[2] Naito, Hiroki. “Flow-by-Flow: Content-Judgment Bypass for Governing AI Output in High-Loss Domains.” Preprints.org, Version 2, 11 June 2026. DOI: 10.20944/preprints202604.1948.v2.

関連するAIインシデント(人間による最終チェックの破綻による実害事件)

[3] JP-0 Springer Nature「GPT-5は存在しない」事件。AI生成査読に含まれた重大な事実誤認をジャーナルが発見できず、実在するテーマとデータを「フィクション」と主張し、その後正当化のために調査まで捏造した事例。

[4] INT-5 Mata v. Avianca事件。ChatGPTが生成した6件の架空判例を弁護士が裁判所へ提出。弁護士自身がChatGPTに判例の実在性を再確認したが、AIは「実在する」と回答し、5,000ドルの制裁を受けた。

[5] INT-34 Sullivan & Cromwell AI偽引用事件。OpenAIの代理人を務める大手法律事務所で、AI利用ポリシー、研修制度、社内引用検証プロセスが存在したにもかかわらず、AI生成の架空引用を検出できなかった。

[6] INT-35 Phoenix Suns セクハラ訴訟 AI偽引用制裁事件。複数の裁判書面に少なくとも18件の架空判例・捏造引用が混入し、弁護士に制裁が科された。

[7] INT-51 カリフォルニア控訴審 AI偽引用依拠判決取消事件。相手方から架空判例であるとの指摘があったにもかかわらず、下級審判事がその内容を判断に取り込み、控訴審で判決が取り消された。

[8] INT-57 KPMG agentic AIレポート AIハルシネーション撤回事件。AI活用を助言する大手コンサルティング企業自身のレポートに事実誤認が含まれ、撤回・調査に至った。

[9] INT-85 PwC中東 AI助言レポート・架空引用事件、および INT-86 EY Canada ロイヤルティ不正対策レポート・架空引用撤回事案。専門家による企業・政府向け成果物にも、架空脚注、存在しない報告書、誤った帰属、確認不能な主張が混入した。

[10] JP-30 GPT-5.6 Sol誤情報出力によるUTIE Instruments Inc.代表セルフGOX事件。受取事業者の公式情報を確認すれば利用不可と判明する送金ネットワークについてChatGPTが誤案内し、利用者が実行した結果、金銭的損害が発生。

12分類

HAL · ハルシネーション損害
AIのハルシネーションを検証せず業務成果物として提出し、制裁・信頼毀損などが発生
SLOP · AIスロップ
AI生成の低品質成果物を納品し、損害が発生
WASH · AI Washing
AIの能力を誇張・虚偽表示し、投資家・顧客を欺いた
HIDE · AI隠蔽
AI使用を隠し、発覚して炎上・制裁を受けた
DISC · AI開示炎上
AI使用の発覚自体で消費者・業界から反発を受けた
VERI · 検証不備
AI出力を人間が検証せず、損害が発生
ALGO · アルゴリズム濫用
AIの偏見・価格設定・意思決定が差別や不当な結果を生んだ
CHAT · チャットボット暴走
AIチャットボットが誤案内・違法助言・不適切発言を行い損害が発生
COVER · 組織的隠蔽
AIインシデント指摘後、虚偽報告や矮小化などで組織的に隠蔽を図った
AGENT · エージェント暴走
AIエージェントによる想定外の行動により損害が発生
REG · 規制起因の損害
政府規制・輸出管理・安全保障命令等により、契約済みAIモデル/サービスへのアクセスなどが突然停止・制限され、業務停止・移行コスト・契約損失・解約/返金リスク等が発生
CYBER · AI支援サイバー攻撃
生成AIを攻撃コードの作成・改変等に利用し、情報システムや利用者へ直接損害を与えた

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